Mk46 (魚雷)
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Mk46短魚雷は、1966年にアメリカ合衆国で1960年代にMk-44短魚雷の後継として開発された軽量対潜水艦魚雷である。現在はNATO諸国、日本、韓国などアメリカの友好国で使用されている主力短魚雷である。MOD 0型4発が中国に供与され、中国ではこれをコピーした物をZhi-9哨戒ヘリコプターの対潜魚雷として配備している。日本語表記は短魚雷であるが、英語では light torpedo である。
Mk46は航空機・ヘリコプターからの投下、またはアスロックの弾頭として使用する場合では直径1,000ヤードの右旋回螺旋航走パターンを描いて目標を捜索する。静止中のヘリコプターからの発射、または艦艇からの発射では射程4nm (7.4km) の蛇行捜索パターンを描く。螺旋捜索中は、次発発射まで約5~10分間待たなければならない。蛇行航走では2分以上次発発射まで待機しなければならない。なぜならば、Mk-46のパッシブ追尾機能により、味方のMk-46を追尾してしまうからである。よく戦争映画で見られる魚雷の同時多発射は無誘導魚雷の戦法であり、誘導魚雷を使用する現代の戦争では不可能なのである。
現在使用されているMk46 Mod5は2015年まで使用される予定である。Mod5は浅深度での捜索能力を向上した。対潜水艦魚雷の弱点は、海底との衝突と、海面への突出であり、航走パターンと追尾用アクティブソーナーの解析能力を向上させている。また、潜水艦からの魚雷攻撃を受けた場合の対抗魚雷として発射することも想定されている。
潜水艦からの対抗処置としては、短魚雷のアクティブモードに対抗してFTC:false target can(擬似気泡缶)または高圧空気の放出(バブル)を用いることがあり、パッシブ追尾に対しては、NAE:noise augmentation emitter(雑音発生器)により音響的視野を撹乱することで回避されてしまう。また、温度境界層付近を航行して海中に航跡を作る方法や、急加速、急旋回、急潜航により魚雷を撹乱する。なぜ鈍足の潜水艦が高速航走する魚雷をマニューバー回避できるかといえば、魚雷は高速航走することで、弾頭部のソーナーの音響的視野が、水流により狭まってしまい、追尾用ソーナーが極端な前方指向性になるからである。よって有線誘導を受けないMk-46魚雷は、正確な発射諸元の設定が肝心である。
本魚雷は最浅捜索深度の設定により、水上目標(シュノーケル航走中の潜水艦など)への攻撃の可否を選定できる。また目標速力が33ノットまで対応可能とされ、原子力潜水艦にも対応が可能といわれる。命中率は70~80パーセントといわれるが、実戦での戦果はない。フォークランド紛争において、イギリス軍が200発程度使用したが、一発も有効射はなく威嚇的な使用であったと思われる。なお同紛争において「ヘネラル・ベルグラノ」を撃沈したのは無誘導のMk.8魚雷であった。
次世代機としてMk50とその廉価版のMk54も開発されているが、Mk46も併用して使われている。
[編集] 性能要目
- 航空機または艦艇発射の軽量誘導魚雷
- 開発:アライアント・テクシステムズ
- 燃料:推進薬(オットー燃料II)斜盤機関
- 長さ:2.6m
- 重量:234.8kg(517.6ポンド)
- 直径:324mm(12.75インチ)
- 有効射程距離:7.3km(8,000ヤード/4nm)
- 最大雷速:45kt(捜索航走30kt)
- 水深365m(1,200ft)のスピード:28kt以上(32mi/h、52km/h)
- ホーミング・モード:アクティブ(探信音発射)/パッシブ(音響受信専用)
- 探索モード:螺旋または蛇行パターン
- 信管:磁気信管(目標に直撃せずとも作動可能)
- 弾頭:PBXN-103高性能爆薬44.5kg(98ポンド)
- 採用:1966年(Mod0)。現在使用バージョン採用1979年(Mod5)