F2G (戦闘機)
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F2Gは、グッドイヤー・エアクラフト社がアメリカ海兵隊向けに開発した艦上戦闘機。試作のみで量産はされなかった。生産を請け負っていたF4Uコルセア(グッドイヤー・エアクラフト社製のものはFGと呼ばれる)の改良型である。
[編集] 概要
日本軍の特別攻撃隊に対応するために、F4Uを低空迎撃任務用に改良したものである。エンジンはP&W R-4360(星型4段28気筒 3,000馬力)に換装されている。これはF4U-4の2,450馬力と比較し大幅に強化された。また、バブルキャノピーを採用し、垂直尾翼も大型化された。
1944年にFG-1を改装し、主翼の折りたたみ機構なしのXF2G-1を製作した。その後、1944年3月に海軍と契約が結ばれ、418機のF2G-1と10機のF2G-2(空母搭載用に改良した型)を製造することとなった。
武装としてはF4Uと同等に、主翼内に6門の12.7mm機銃を装備し、ほかに8発の5インチロケット、2発の1,000ポンド爆弾を搭載する。燃料の搭載量は、FG-1よりも大幅に増加し、機外燃料タンクも装備できる。
1945年8月までに、F2G-1が5機、F2G-2が5機完成したものの、方向安定性の不足と速度の向上が予想以下であり、実用化までにはさらに開発を継続する必要があった。しかし、第二次世界大戦が終了したため、開発はキャンセルされた。戦後は、その大馬力を生かしてレーサー機となったものもあった。
[編集] 要目
- 全長:10.3m
- 全高:4.9m
- 全幅:12.5m
- 翼面積:29平方メートル
- 自重:4,649kg
- エンジン:P&W R-4360星型レシプロエンジン(3,000馬力)1基
- 最大速度:694km/h(高度5,000m時)
- 乗員:1名
- 武装:12.7mm機銃6門、5インチロケット8発、爆弾2発