DIGA
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DIGA(ディーガ)は、松下電器産業が発売しているDVDレコーダー(BD/DVDを含む)のブランド名。
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[編集] 概要
かつてはDVD-RAMのみの録画・再生のみに対応していたが2005年春発売モデル以降DVD-RWの録画(DVDビデオ方式のみ)/再生、+R、+RWの再生にも対応するようになった。さらに2006年秋モデルではDVD-RWのVRモード録画にも対応させる。
愛称「DIGA」の由来はDVDのD、GIGAのIGAを組み合わせた造語である。
- 松下がDVD-RWの全面開放に向かった背景には、「御三家」のひとつで-RW陣営の筆頭格であったパイオニアが不採算のため自社での開発中止に追い込まれ、松下との提携を模索していることがあげられる。
本体が持つボタン数は他社と比べ少なく、リモコンも「ボタンすっきりかんたんくるくるリモコン」と称しているとおりボタン数が少なめである。しかし使いにくいという事はなく、むしろ松下らしく、一般消費者にわかりやすいリモコンとなっている。ただし、本体に基本的な操作を行うためのボタン(一時停止・スキップ・録画モードボタンなど)が省かれているため、主に本体のボタンで操作を行うユーザーには不満がある。また、他メーカーと比べて、最高級機種でも500GBと比較的にHDD容量が控えめな設定となっている。
[編集] DVDレコーダーにおけるパナソニックの戦略
DIGAの戦略として、日本固有のボーナス商戦といった新製品が混み合う時期をあまり意識せず、新製品を投入してくるという特徴がある。むしろオリンピックやワールドカップといった、世界のタイミングに合わせたリリースが目立つ。そのため、ボーナスシーズンには、他社が単価と利益率の高い新製品で勝負するのに対し、DIGAはその商戦のトレンドから若干外れるものの、価格がこなれて買いやすい状態になっている、という特長がある。また、その売り方として、イオングループやイトーヨーカドーなどの総合スーパーで特設会場を設け、テレビCMで大々的に簡単な操作などを宣伝するなど、難しい機能は不要で、安いなら欲しいといった純粋に生活家電レベルでレコーダーを見ているライトユーザーに多く支持された。その結果、DVD/HDDレコーダーのシェアは、松下電器の垂直立ち上げの効果が現れ始めた2004年あたりから、通年のデータではDIGAシリーズがトップ(ITmediaより)となっている。
[編集] 出来事
- 2003年
- 発売。使い勝手や便利さ、ボブ・サップによる強烈でインパクトの高い宣伝によりシェア獲得。
- 2004年
- HDD/DVD/VHS一体型の機種を発表し、これはDVDユーザーを増やす要因にもなった。
- 10月 「どっちも録り」に対応した機種を発売。さらにホームネットワーク機能が追加されるなど高機能化。
- 2005年
- 4月 電源オフ状態から録画・番組表(EPG)表示まで当時世界最速の1秒を実現した機種(DMR-EH50/60)を発売。このモデル以降、マルチフォーマットに対応。"かんたんディーガ!"というCMで初心者にも使いやすいことをアピールした。
- 7月 ハイビジョンディーガを発表、ハイビジョン録画が可能となった。ただし当該機種ではi-linkを搭載していないため、HDDからデジタル放送の録画データを直接移動ないしコピーすることは不可能である。
- 11月 世界初の地上波・BS/110°CSデジタルチューナー内蔵でHDD/DVD/VHS/SDに対応したハイビジョンディーガを発売。
- 2006年
- 3月 世界初の1080pフルHD変換出力(HDMI経由)を実現した「DMR-EX550」をはじめとする「ビエラリンク」対応でデジタルチューナー内蔵のハイビジョンモデル4機種を発表。HDDに録画したデジタルハイビジョン番組を、ハイビジョンに迫る美しさで細部まで美しくDVDに保存・再生できる、新開発の高画質技術「美画質コンバーター」を搭載。さらに、業界初となる音声ガイド付き「ディーガ操作ガイド(簡易電子取説)」や、「誤操作防止&音声ガイド」も新たに搭載、4月10日より同時発売予定のアナログモデル2機種も含めて、大幅に操作性を向上させた。
- 9月1日 DIGA初のダブルデジタルチューナーモデルで1080pフルHD変換出力「DMR-XW50」をはじめとする、HDDへの音楽録音が可能なXW/XPシリーズを発売。業界初の地上波・BS/110°CSデジタルダブルチューナー内蔵でHDD/DVD/VHS/SDに対応したハイビジョンディーガ「VX40V」も発売。
- 9月20日 HDD搭載BDレコーダー「ブルーレイDIGA」2機種を発表。BD-R/-REの記録/再生にくわえ、国内でも11月から順次発売される、世界初のBDビデオパッケージソフトの再生をサポートしたレコーダー。
※アナログチューナーのみ搭載のモデルは近年中に生産を完全終了するものと思われる。
[編集] CM
CMには2003年にボブ・サップ・妻夫木聡が出演した。2006年は同社の薄型テレビ(VIERA)同様に小雪が採用される。
[編集] 品番
「DIGA」というブランド名がついたのはDMR-E60から。最後の桁に「H」の付くものはハードディスク内蔵(第2世代シリーズからは省略)、「BD」の付くものはブルーレイディスク対応、「V」の付くものはVHS内蔵。
- 初代Eシリーズ
- DMR-E10
- 2000年発売。世界初のDVD-RAM録画機。高級な仕上がりになっている。
- DMR-E20
- シリーズ初のGUIバーを搭載
- DMR-E30
- DVDの画質を余すことなく再生できる、シリーズ初の高精細プログレッシブ再生対応。
- DMR-E50
- E60からカードスロットやIEEE1394、DVDオーディオ再生機能などを省略したモデル。
- DMR-E55
- 「新・長時間モード」により、さらなる長時間録画を実現。DVD-RAMにも、DVD-Rにも、ディスク片面最長約8時間録画が可能。
- DMR-E60
- 2003年4月21日発売。このモデルから「DIGA」というブランド名になった。PCカードスロットとSDメモリーカードスロットを装備し、カードメディアに記録された画像をDVD-RAMに保存できるほか、TV画面上で画像をスライドショー再生できる。また、IEEE1394経由でDVカメラ画像をDVD-RAM/DVD-Rメディアに記録可能。DVDオーディオ再生にも対応する。
- DMR-E70V
- 初のVHSデッキ一体型。VHSテープとDVD-RAM/DVD-Rの双方向ダビングに対応できるのが大きな特徴。また、2つの地上波チューナーを搭載し、異なるチャンネルをVHSテープとDVD-RAM/DVD-Rへ同時録画できる。
- DMR-E75V
- E70Vの後継モデル。S-VHSダビングに対応した。
- DMR-E80H
- 80GBHDD内蔵
- DMR-E85H
- 160GBHDD内蔵。新長時間モードにより最長約284時間録画が可能。テレビ番組ガイド(EPG)を搭載。
- DMR-E87H
- DMR-E90H
- 160GBHDDに加えPCカードスロットとIEEE1394端子、コンポーネント出力端子(RCA)、BSアナログチューナを搭載。
- DMR-E95H
- 大容量250GBのHDDに最長443時間録画可能。
- DMR-E100H
- 120GBHDD・SD/PCカードスロット・IEEE1394端子搭載。
- DMR-E150V
- 世界初(当時)のVHS・80GBHDD一体型。
- DMR-E200H
- E100Hの上位モデル。160GBのHDDやSD/PCカードスロット・IEEE1394端子搭載。ブロードバンドレシーバー内蔵で外出先から携帯電話やパソコンを使って予約録画や遠隔操作が出来る。
- DMR-E220H
- HDDを二基搭載し、2番組同時録画が可能。
- DMR-E250V
- E150VよりもHDD容量が200%アップした。
- DMR-E330H
- E220HよりもHDD容量が90GB多いモデル。
- DMR-E500H
- Eシリーズのハイエンドモデル。400GBという大容量のHDDに加えSD・PCカードスロット・ホームネットワークサーバーを搭載。アナログディーガの最高峰で市場価格も高かった。
- DMR-E700BD
- 3波のデジタルハイビジョンチューナーに加え世界初(当時)の片面2層ブルーレイディスク録再機能搭載。薄型テレビVIERA搭載のPEAKSプロセッサとDIGA搭載のDIGAエンジンの融合により、ハイビジョンの高画質を再現。価格は、約30万円(当時)。
- 第2世代EH・ESシリーズ
- 質量、体積を減らし、操作はボタン数の少ない「ボタンすっきりかんたんくるくるリモコン」を採用。メニューGUIにはよく使うメニューと初期設定などあまり使わないメニューを分断。また1秒という超高速起動を実現したことで操作性を飛躍的に向上した。画質面は高画質回路ディーガエンジンIIを搭載し、長時間(LP)モードでも標準モード(SP)並みの高解像度で録画できる。以降マルチフォーマットに対応した。
- DMR-ES10
- 2005年4月発売。DVDレコーダー単体。
- DMR-ES30V
- ES10にVHSデッキを搭載したもの。
- DMR-EH50
- 200GBHDD・SDカードスロット搭載。
- DMR-EH60
- EH50よりもHDD容量が100GB多い300GB。BSアナログチューナー内蔵
- DMR-EH70V
- DVD・SD・200GBHDD・VHS搭載の一台4役が人気を呼んだ。
- DMR-EH53
- 200GBHDD・SDカードスロット搭載。消去・設置設定・ダビング時の操作手順を音声で案内。
- DMR-EH55
- DMR-EH66
- EH53よりもHDD容量が100GB多い他、2番組同時録画に対応。消去・設置設定・ダビング時の操作手順を音声で案内。
- DMR-EH73V
- DVD・SD・200GBHDD・VHS搭載の一台4役。消去・設置設定・ダビング時の操作手順を音声で案内。
- DMR-EH75V
- DVD・SD・200GBHDD・VHS搭載の一台4役だが、それまでのVHS一体型機の売りだったS-VHSダビングは撤去された。
- 第3世代EX/XW/XPシリーズ
- 共通の特徴としてHDDにハイビジョン録画が可能、3波(地上・BS・110度CS)デジタルハイビジョンチューナー搭載、操作手順を音声で案内、HDMI出力端子を装備していることが挙げられる。
- DMR-EX100
- 2005年7月発売。3波のデジタルハイビジョンチューナー搭載で、200GB HDDにハイビジョン録画が可能。設置設定を音声で案内。いわゆるデジタルチューナー内蔵の普及機。
- DMR-EX150
- 2006年4月発売。HDDに録画したデジタルハイビジョン番組を、ハイビジョンに迫る美しさで細部まで美しくDVDに保存・再生できる、新開発の高画質技術「美画質コンバーター」を搭載。さらに、業界初となる音声ガイド付き「ディーガ操作ガイド(簡易電子取説)」や、「誤操作防止&音声ガイド」も新たに搭載。この機種は普及機で、DV端子を省略している。
- DMR-EX200V
- 2005年9月1日現在、民生用DVDレコーダーとして世界初のDVD・SD・HDD・VHS・3波のデジタルハイビジョンチューナー一体型。250GBHDDにハイビジョン録画が可能。消去・設置設定・ダビング時の操作手順を音声で案内。EXシリーズでは現在唯一2層DVD録画にも対応。
- DMR-EX250V
- EX200Vの後継機。基本機能はEX150と同様。DVD・SD・HDD・VHSを搭載したオールインワンモデル。EH75V同様S-VHSダビングは撤去された。
- DMR-EX300
- 3波のデジタルハイビジョンチューナー搭載で、400GBHDDにハイビジョン録画が可能。設置設定を音声で案内。各端子には金メッキを採用し、DMR-EX100より高級な仕上がりになっている。
- DMR-EX350
- EX300の後継機。基本機能はEX150と同様。400GBのHDDを搭載。
- DMR-EX550
- 500GBのHDDを搭載。基本機能はEX150と同様。ハイビジョンの美しさを余すことなく再現できる、世界初の1080pフルHD変換出力(HDMI経由)を実現。
- DMR-XW50
- 2006年3月現在、全DIGAシリーズの最高峰。ダブルデジタルチューナー搭載で、500GBのHDDを搭載。DVD-RWのVRモード録画にも対応。音楽転送機能(SDオーディオ)を有する。1080pフルHD変換出力(HDMI経由)あり。i.link端子はDV入力・TS入出力共用。毎週・毎日録画した番組を自動的にフォルダ分けして管理する「再生ナビ」や、高画質化回路の「美画質エンジン」などを備えた。
- DMR-XW30
- 400GBのHDDを搭載。HDD容量と1080pフルHD変換出力機能がないこと以外はXW50と同じ。
- DMR-XP10
- 200GBのHDDを搭載。XW50/30と異なり、デジタルチューナーは1組のみで、音楽転送機能・i.link端子はない。DIGAは原則国内製造だったが、本モデルは中国での製造となる(公式サイトの裏面写真で確認できる)。
□以下の機種は2006年10月中旬発売予定。
- DMR-XW40V
- 従来相当機種のDMR-EX250Vよりも大幅にコンパクトながら、XW30と同等の基本機能を持ち、さらに業界初の地上波・BS/110°CSデジタルダブルチューナー内蔵でHDD/DVD/VHS/SDへの対応を実現したフル装備のハイビジョンディーガ。本モデルも中国製となる。
- DMR-XP20V
- XP10のVHS一体型モデル。VHS以外のXP10との相違点は、HDDが250GBで、i.link端子を装備している2点である。
□以下の機種は2006年11月15日発売予定。
- DMR-BW200
- BD-R/-REの記録/再生にくわえ世界初のBDビデオパッケージソフトの再生をサポートしたハイブリッドBDレコーダー。500GBのHDDやデジタルダブルチューナーを搭載し、TS入出力対応のi.Link端子を装備。発表済みの「DMR-XW50/XW30」やD-VHSデッキと接続し、録画番組をBDメディアにアーカイブすることができる。ソフトウェアとして毎週・毎日録画した番組を自動的にフォルダ分けして管理する「再生ナビ」、高画質化回路の「美画質エンジン」などを備えた。音楽CDを手軽にHDDへ録音したり、SDカードで取り込んだ画像をHDDやBD-REなどへ記録できるエンタテイメント機能なども有する。
- DMR-BR100
- BW200に対してHDDが200GBであること、i.Linkやイーサネット、音楽録音機能などが省かれた下位モデル。
- 番外編
- TZ-DCH2000
- DMR-EH55からDVDドライブを撤去の上CATVデジタルセットトップボックスとしたもの。HDDは250GB。
[編集] アナログチューナーのみ搭載のビデオデッキ最終モデル
■DVDプレーヤー一体型
■ビデオ単体機
- NV-SV150B(BSアナログ内蔵の普及型S-VHS)/SV120(BSアナログなしの普及型S-VHS)/HV90B(BSアナログ内蔵の普及型VHS)/HV72G(BSアナログなし、普及型Gコード付VHS)/HV62(BSアナログ&Gコードなしの普及型VHS)
※松下はアナログチューナーのみを搭載した従来型テレビ受像機の生産を2006年限りで終了することを宣言(ブラウン管方式は完全撤退。液晶も今後は地デジ搭載モデルのみを集中的に生産)。これに伴い今後ビデオデッキ及びDVDレコーダーについてもアナログチューナーのみを搭載した従来型モデルは近年中に生産を完全終了し、地デジ搭載モデルのみの生産に移行する可能性大。(今後、これらの製品は、海外メーカーからのOEMになっていくものと思われる。)