D902i
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FOMA D902i(フォーマ・ディー きゅう まる に アイ)は、三菱電機によって開発された、NTTドコモの第三世代携帯電話 (FOMA) 端末製品である。
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[編集] 機構
902iシリーズとしては一番早く、F902iと同時に発売された。FOMAではD901i、D901iSに次ぐスライド式採用で、D901iSに引き続きワンプッシュオープンボタンを採用した。前機に当たるD901iSのスライド式のスタイルをそのまま引き継いだかたちとなるが、大きく角ばったD901iSを小さくスマートに丸っこくしたような形状になり、質量が減少し、持ちやすさが向上した。市場が競合するスライド式の携帯電話としてはauのW31SAを初めとするSAシリーズが挙げられるが、こちらの機種は開閉時に全手動でスライドさせるのに対し、D902iではボタンを押すことでスライドオープンが可能である。ただし、手動で開けることはできないようなっており、また閉めるときは全手動である。中にバネが入っており、滑らかな開閉が可能であるが途中で止めておくことができず、完全にオープンかクローズの状態でしか維持することが出来ない。クローズ状態でも十分な機能性があり、メールの閲覧や基本設定などの基本操作が可能である。ただ、このスライド式の機構によりクローズ時の大きさが他の機種よりも縦に長い。
プッシュトークに対応した最初の製品である。プッシュトークの独特のスタイルはプッシュトークの宣伝に多用され、黄色がメインとなっている。
[編集] ソフトウェア
iアプリは「コラムスジュエル」、「珍さんと一緒トランプ&占い」、「iアニメッチャメーラーsuperDX500」、「Gガイド番組表リモコン」、「Edyアプリ」、「便利!多機能電卓」、「珍さん計画DXおこづかい帖プラス」がプリインストールされている。
着信メロディの再生は64和音まで再生し、この他にAACコーデックにより圧縮された音声ファイルの再生にも対応している。AACの音楽ファイルはミュージックプレイヤーとしてパソコンからUSBケーブルもしくはminiSDを経由して受け入れることができ、端末を閉じた状態での再生、すなわちバックグラウンド再生に対応している。
ソフトウェア上の仕様としてはiアプリ、画面メモ共に100件までとなっているほか、メールの保存件数の上限が受信メール1,000件、送信メール200件の合計1,200件までとなっており、メールフォルダの上限が40個となっている。また、iメロディの保存が最大で500件、電話帳が700件までとなっているが、これらの制限に到達する前にメモリが一杯になった場合、制限まで保存することができない。日本語入力にはATOKを採用している。
付加機能として、FOMAプラスエリア、赤外線通信、バーコードリーダー、通話料金上限通知、遠隔ロック、自動時刻補正機能が付随する。
[編集] 仕様
寸法はスライドが閉じた状態で高さ109mm、幅50mm、厚さ19.5mmで、重さが約116gとなっている。連続待受時間は電波の良い場所で静止の状態で約550時間、移動の状態で約380時間である。また、連続通話時間は165分間、連続テレビ電話通話時間は90分間以上となっており、色はメインが「プレミアムイエロー」で、他に「ラスターホワイト」、「クールブラック」、「ルミナスピンク」の合計4が存在する。後継のD902iSではD902iと全く同様の形状で、色のラインアップが異なる。電池パックはD06の型番で、3.7Vの起電力と790mAhの容量を持つ小型のリチウムイオン二次電池(リチウムポリマー)を用いている。
カメラ性能はメインカメラは、Dシリーズの過去の機種と同様に富士フイルムのスーパーCCDハニカムを採用しているため、有効画素数は200万画素であるが記録画素数は400万画素となっている。テレビ電話用のサブカメラは有効画素数32万画素、記録画素数31万画素のCMOSである。カメラ撮影時のズームは、光学ズームは搭載せずデジタルズームだけとなっているが、アウトカメラ撮影時はソフトウェア処理により最小サイズ設定時の96×72ピクセルの撮影で28倍のズームが65段階に調整できる。なお、アウトカメラの位置は本体の裏面であり、レンズカバーがついている。オートフォーカス機能を搭載している。ストロボは非搭載だが、高輝度LEDをシャッターのタイミングにあわせて最大発光させることにより、光量を補うことができる。
一番の特徴として、発売当初は最大級の2.8インチの画面は縦長の世界最大級の画面を搭載した事である(スマートフォンを除く)。2006年12月現在、このサイズと同等か超える大きさの画面は後継のD902iSおよびD903iのみ(販売予定の端末ではSH903iTVが3インチで超える事になる)。画面のサイズ比は3対4ではなく3対5の特殊な寸法で、対角約2.8インチの大きさを持つ。サブ液晶は持たず、メイン液晶の画素数はQVGAの横240ドット・縦320ドットを縦に拡張した、横240ドット・縦400ドットの、9万6千画素のものとなっている。これは262,144色の発色が可能なTFT液晶であるが、ディザリングによる擬似フルカラーは採用されていない。
外部メモリーはminiSDであり、ドコモの発表では128MBまで対応が保障されているが、仕様上の限界である2GBまでの製品の作動が一部の製品で可能である。
[編集] データ
- 寸法:
- 高: 109 ミリメートル
- 幅: 50 ミリメートル
- 厚: 19.5 ミリメートル
- (スライドが閉じた状態)
- 重量: 116 グラム
- カラー:プレミアムイエロー、ラスターホワイト、クールブラック、ルミナスピンク
- 画面:
- メイン: 240×400 ピクセル (QVGA) 2.8 インチ TFT
- サブ: なし
- カメラ: メイン スーパーCCDハニカム約200万画素で約400万画素相当の画像に対応、サブ約32万画素CMOS
- 外部メモリー:miniSD(128MBまで:ドコモ発表。それ以上は自己責任。1GB動作報告有り)
- 電池: リチウムイオン二次電池、D06
- 容量: 3.7V 790mAh
- 連続待受時間: 静止時550時間、移動時380時間
- 連続通話時間: 165 分間
- 連続テレビ電話通話時間: 90 分間以上
- SAR W/kg
[編集] 歴史
2005年9月13日に技術基準適合証明 (TELEC) による審査を通過を通過、翌日9月14日に電気通信端末機器審査協会 (JATE) による審査を通過し、JATEからA05-0397001の認証番号を受けた。
同年10月19日には902iシリーズの開発が発表され、D902i・F902i・N902i・P902i・SH902i・SO902iの6機種が発表された。D902iは902iシリーズでは最も早い、同年11月11日に発売された。
[編集] 略年表
- 2005年9月13日: 技術基準適合証明 (TELEC) による審査を通過
- 2005年9月14日: 電気通信端末機器審査協会 (JATE) による審査を通過
- 2005年10月19日: D902i・F902i・N902i・P902i・SH902i・SO902iの機種が発表される。
- 2005年11月11日: D902i 発売。
[編集] 不具合
- 端末の大画面が故に画面のパネル内に微小の埃の混入が多発し、発売当初は問題となった。
- 2006年12月7日:D902iが使用している電池パックD06の一部ロットに、異常発熱や破裂などの不具合が発生。リコールされ、ユーザーには新しい電池パックを郵送にて交換対応する。交換がある程度落ち着くまで、この機種をはじめD902iS・D903iの発売を見合わせている。→ウィキニュース