C-1 トレーダー (航空機)
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C-1は、アメリカ海軍が使用していた輸送機。グラマン社製造。愛称はトレーダー(Trader)。陸上から洋上の航空母艦へ補給物資を輸送する艦上輸送機(COD:Carrier Onboard Delivery)として運用された。
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[編集] 開発
1950年代初頭、グラマン社は新型の艦載対潜哨戒機であるS-2の開発を行っていた。S-2は艦載機しては大型である。そのため、グラマン社はS-2の改造機をCOD機として採用するように、1951年12月、アメリカ海軍に提案した。当時、海軍はAD-5R(A-1スカイレーダーの改造型)をCOD任務に使用していたが、搭載量が900kgしかなかった。そのため、グラマン社の提案を受け入れ、TF-1の呼称で45機を発注することとなった。初飛行は1955年1月19日に行われた。なお、1962年にC-1と改称された。
[編集] 概要
C-1は輸送用に胴体を再設計した以外は、ほぼS2F-2と同様の機体である。高翼配置の主翼にレシプロエンジンを二基搭載している。専用のカーゴドアを装備していないものの、輸送量は約1.6トンである。また、座席を設置し、9名の人員を輸送することもできる。
最終的な生産機数は87機。ベトナム戦争時には参戦している空母の補給に活躍した。1965年には、後継機のC-2が生産され始めたものの、最終的に1988年9月まで運用された。
[編集] 要目
- 全長:12.80m
- 全幅:21.23m
- 全高:4.97m
- エンジン:ライト R-1820-82 レシプロエンジン (1,525馬力)2基
- 乗員:2名
- 搭載量:1.6トンまたは人員9名
[編集] 派生型
- C-1:旧呼称TF-1。量産型。
- EC-1A:旧呼称TF-1Q。電子偵察・電子妨害型。4機改修。1957年より配備開始。
- TF-1W:WF-2早期警戒機開発のための空力試験機。ダミーのレーダードームの設置や尾翼の改造を行っている。