ARMS
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『ARMS』(アームズ)は、皆川亮二(原案協力七月鏡一)による漫画。週刊少年サンデーに連載された。第44回(平成10年度)小学館漫画賞受賞。
目次 |
[編集] 概要
「事故」や「事件」に巻き込まれて失った身体の一部に、義手や義足ではなくナノマシンの集合体を移植され、それにより世界規模の陰謀に巻き込まれて行く少年少女たちの物語である。物語のモチーフとして、『不思議の国のアリス』や『鏡の国のアリス』などのルイス・キャロル作品が用いられている。
2001年4月から2002年3月にかけて『PROJECT ARMS』(プロジェクト アームズ)のタイトルでTVアニメ化もされ、テレビ東京にて4クールに渡り放映された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公
- 高槻涼(たかつき りょう)(声優:神奈延年)
- 本作の主人公。無尽蔵の破壊力を秘めるオリジナル ARMS "ジャバウォック"(魔獣)を右腕に宿す。
- 当人はまったく知らなかったが、世界屈指の傭兵の両親を持ち、幼いころから父親にサバイバル技術を叩き込まれてきた。ただし本人は「平凡な高校生」だと思い込んでいたなど、事件が表面化するまで気付かないほどに偽装されていた。
- 冷静沈着で、いかなる時も的確な判断力を発揮する精神力の持ち主だが、怒りや悲しみの感情が昂ぶると、ジャバウォックの精神に取り込まれて破壊の権化と化してしまい、自分の中の「魔獣」と常に葛藤している。詳細は高槻涼を参照。
- 名前の由来は『ゲッターロボ』の主人公から(同じく隼人、武士、恵も)。
- 新宮隼人(しんぐう はやと)(声優:三木眞一郎)
- 新宮流古武術継承者。「ミストルテインの槍」を持つオリジナル ARMS "ナイト"(騎士)を左腕に持つ。
- 父親を殺したキースを捜す内に涼達と出会い、エグリゴリとの戦闘を本格化させていく。ジャバウォックの暴走を止める為の「ARMS 殺し」を備えており、最悪の場合仲間を殺さねばならない運命に苦しむ。
- 直情的な性格で情に厚く、「騎士」として仲間の高槻涼を襲ったことに強い後悔と無念を抱き、一時 ARMS が使用不可能になる。その後、ARMS使用不能のまま他人を守れないことに負い目を感じて仲間の前から姿を消すが、高槻巌との出会いを経て祖父から教わった極意に開眼し、戦線に復帰した。
- 久留間恵とはやかまし屋同士で反発しつつも気が合うようである。超天才少年のアル・ボーエンの頭にしょっちゅう鉄拳制裁を食らわしたりもしているが、仲間や弱者に対する義侠心は誰よりも強く、身をもってかばおうとする所もある。
- 巴武士(ともえ たけし)(声優:うえだゆうじ)
- 両足に飛行能力を持つ最速のオリジナル ARMS "ホワイトラビット"(白兎)を持つ。
- 多少臆病な面もあるが、抜群の反射神経の持ち主である。ARMS 移植後に自分を含めて全ての者に対して敵対心を持っていたが、涼や隼人に出会い、心を開いていくようになった。仲間や大切な人々を守る為にエグリゴリとの戦闘に身を投じていく。
- 一見軟弱だが、反射神経が飛びぬけて優れており、ホワイトラビットの超高速の行動にも対応できるほか、オーバーテクノロジーで強化された超人を凌ぐ運動能力を持つ。涼たちと旅を続けていくうちに精神的にも成長を遂げ、自信と落ち着きを持つようになる。また終盤でARMSの力を失ったときにも生身で敵のARMSを、知略をほとんど用いなくとも正面から立ち向かって撃退していたことから、性格は戦闘向きでないものの、身体的な潜在力は4人の中でも最高かもしれない。
- 久留間恵(くるま けい)(声優:高山みなみ)
- 反エグリゴリ組織ブルーメンのメンバー。両目が情報収集型オリジナル ARMS "クイーン・オブ・ハート"(ハートの女王)となっている。X-ARMY との死闘の後、涼達と行動を共にする。オリジナル ARMS のリーダー格。涼の幼馴染である赤木カツミと瓜二つの容姿をしている。
- 初めは自分の有能さを鼻にかけて高慢な態度で他人に接していたが、過酷な状況に直面することで、強い意志を持った真のリーダーとなっていく。移植されたARMSの攻撃能力は皆無に等しいが、最終形態の発動時には、すべての攻撃に対する絶対的な防御力を持つ。
- 無鉄砲な新宮隼人とは何かにつけぶつかっていたが、ARMS が使えなくなり隼人が行方不明になった時にも、隼人の帰還を信じ戦うなど信頼しあっていた。
- 赤木佳都美(あかぎ カツミ)(声優:三浦智子)
- 主人公の幼馴染で、普通の女子高校生だが物語のキーマンとなる存在。物語終盤で ARMS "バンダースナッチ"(神獣)を宿すことになる。実は彼女と恵は同じ遺伝子を持つ双子の姉妹で、エグリゴリが創ることのできたARMS 適正者のひとり。しかし彼女には ARMS を移植されずに、別の目的で研究者(赤木祥子)の娘として普通に育てられることになる。
- 高槻涼と彼女が日常に帰ることが、この作品の一貫したテーマである。
[編集] キースシリーズ
- キース・レッド(声優:速水奨)
- エグリゴリの幹部の一人。両腕にアドバンスドARMS "グリフォン"(幻獣)を持つ。超振動及び超音波を操り、物質の分子結合に干渉して触れる物全てを分子レベルにまで破壊する。他のキースシリーズの高みに上るため、オリジナル ARMS の奪取に執着する。ただしキースシリーズ内では直情的な性格で他のメンバーとはそりが合わず、ほとんど独自の行動をしていた。
- アル・ボーエンの双子の弟ジェフ・ボーエンを殺害し、また魔王クリフ・ギルバートをいとも簡単に葬った。藍空市における"スナーク狩り"にて、ナイトの「ミストルテインの槍」の前に砕け散る。
- キース・シルバー(声優:川津泰彦)
- エグリゴリの幹部の一人。キースシリーズの次兄。アドバンスド ARMS "マッドハッター"(帽子屋)を持ち、荷電粒子砲「ブリューナクの槍」を使う。アリスの「闘争」の意志が託されている。
- 本来闘いを好まなかったが、意に反して戦闘型のARMSとなる。「プログラム・ジャバウォック」から自由になる為、ジャバウォックを滅殺しようとするが、ギャローズ・ベルでの戦闘において、ジャバウォックの反物質砲を覚醒させてしまい、再生不可能な傷を負わされる。己に与えられた使命(プログラム)は「闘争」のみであると悟り、カリヨンタワー内での戦闘において部下を皆殺しにした後、ジャバウォックとの最終決戦に挑み壮絶に散る。
- キース・グリーン(声優:私市淳)
- エグリゴリの幹部の一人。キースシリーズの末弟で最年少。アドバンスド ARMS "チェシャキャット"(チェシャ猫)を持ち、空間の断裂により物理的特性に左右されず全ての物質を切り裂く「魔剣アンサラー」を使う。アリスの「希望」の意志が託されている。本来は柔和な性格であったが、キースシリーズの持つ運命に翻弄されて捻じ曲がってしまっていた。
- 当初はキース・ブラックの命により「プログラム・ジャバウォック」のためだけに鐙沢村でカツミを保護するが、やがてカツミに惹かれ、彼女を救う為ブラックに反抗する。空間を操る力をブラックに見切られコアに致命傷を負ってしまい、最後の力を振り絞り空間転移によって高槻涼をブラックの眼前に導き息絶える。
- キース・バイオレット(声優:桑島法子)
- エグリゴリの幹部の一人で現存するキースシリーズ唯一の女性。アドバンスド ARMS "マーチ・ヘア"(三月兎)を持ち、ホログラムやレーザー光線を操る「バロールの魔眼」を使う。シルバー、グリーン、ブラックと同様アリスの意志を託されているが、それが何かは不明。
- 自身の運命を変えるため、涼達に希望を託し時にサポートする、平和を願う唯一のエグリゴリ幹部。希望が絶たれた時に涼達と敵対するが、カリヨンタワーの戦闘でナイトに敗れ、藍空市の最終決戦では涼達の仲間となり共闘する。
- キース・ブラック(声優:置鮎龍太郎)
- エグリゴリのリーダーでキースシリーズの長兄。ARMS "ハンプティ・ダンプティ"(神の卵)を持ち、刃先が単分子レベルの厚みしか持たないこの世で最も鋭利な剣「神剣フラガラッハ」を使う。アリスの「絶望」の意志が託されている。最終形態発動時にはその体がエネルギーを吸収する暗黒体(力場)に被われており、あらゆるARMSの攻撃を無力化・能力を吸収し、ほぼ無敵と言える能力を持つ。
- ARMS移植前はM-83と呼ばれ、エドワウやティリングハーストからは「セロ」と呼ばれる気の弱い少年であった。アリス以外では初のARMS適合者となり、移植手術成功後はアリスの意思に導かれるまま、父キース・ホワイトを殺害する。アリスの意思の下、「プログラム・ジャバウォック」を着実に遂行していく中、ハンプティ・ダンプティに取り込まれたホワイトの残留思念とその目的とする所を察知し、高槻涼に自らを殺させようとするが、その寸前にホワイトに体を乗っ取られ消滅する。
- キース・ホワイト(声優:井上和彦)
- 全てのキースシリーズのオリジナルとなった人物。人類の進化を掲げ、更なる高みへ導くべく、ARMS計画を提唱しエグリゴリを創設。ハンプティ・ダンプティを宿したキース・ブラックに殺されてしまうが、その意思はハンプティ・ダンプティに取り込まれ、ブラックの体を乗っ取る機会をうかがっていた。「プログラム・ジャバウォック」の失敗後、「プログラム・バンダースナッチ」を掲げ、人類の抹殺を目論むが藍空市での最終決戦にてナイトの前に敗れる。
- キース・ブルー(声優:石丸博也)
- ブルーメンのリーダーで、キースシリーズで彼だけがエグリゴリの人間ではない。ARMS不適合者で、リミッター無しでは数時間と生きられない体となっており、常に車椅子に乗っている。ARMS移植前はM-71と呼ばれていたが、番号で呼ばれることを嫌い、セロ(後のキース・ブラック)及びティリングハーストとの間だけではエドワウという名前を持っていた。第28次ARMS移植実験を受けるが適合せず、廃棄処分を待つのみであったが、ブラックの反乱時に4体のオリジナルARMSとともにエグリゴリを脱し、カラーネームもその際にホワイトの嫌いな色「青(憂鬱の色、希望の色)」からティリングハーストによって与えられた。その後反エグリゴリ組織「ブルーメン」を結成する。
- 完全な適合者ではないが、アドバンスドARMS "ドーマウス"(眠り鼠)を持ち、針状のエネルギー爆弾「魔弾タスラム」を使う。鐙沢村におけるキース・ホワイトとの戦闘で圧倒的なホワイトの実力の前になす術がなく、ついには自爆し果てるが、その犠牲は神の卵の殻に確かな亀裂を生じさせていた。
[編集] 味方
- アル・ボーエン(声優:緒方恵美)
- エグリゴリの実験によって生み出された天才児「チャペルの子供達」の中で最優の頭脳を持つ少年。「人類一の頭脳を持つ」と自負するも、隼人からは「ナマイキなガキだ」といわれ、しょっちゅうゲンコツを食らう。登場当初は異常な才能のみが他人に認められ、それ以外では存在意義を見出せなくなっていたが、隼人の家に居候をはじめてからは、多感な年頃の子供として扱われるようになり、憎まれ口を叩きつつもその状況に居心地の良さを見出している様子。
- 初めは敵として洗脳サイボーグを操ってオリジナルARMSに戦いを挑んだが、双子の弟であるジェフをキース・レッドに殺されてからは、エグリゴリを憎んで涼たちとともに行動する。ただし当人は「オリジナルARMSの研究」と称している。
- ユーゴー・ギルバート(声優:本間ゆかり)
- 他人の思考を読み取ることができるテレパシストの少女。「エンジェル・ユーゴー」の異名を持っている。その能力は人の心を読めるだけではなく、他人の意識を中継したり、あるいは精神を他人ごと誰かの精神に送りこむことすらできる。
- エグリゴリの超人部隊「X-ARMY」のメンバーだったが、エグリゴリ内では常に実験対象として扱われ、他者の心を読めるが故に研究者達の心の暗黒面に晒されて育ったため、心に深い傷を抱き、超人部隊の仲間にのみ心を許していた。涼の心の深奥に触れて自分たちの境遇を重ね合わせ、また兄のクリフや仲間たちを不要になったとしてエグリゴリに殺されてからは涼とともに行動し、次第に涼に淡い想いを抱くようになる。涼の心の中で一番誰が大切なのかを知りつつも、涼を救うために危機に飛び込んでいく。暴走し破壊の権化となったジャバウォックを止めるためその精神力の全てを使って涼を救い、そして人類を救って静かにその短い生涯を終える。
- 高槻巌(たかつき いわお)(声優:有本欽隆)
- 涼の父親。幼い頃から涼にサバイバル技術や戦闘技術を教えた。それだけではなく、涼が ARMS としての運命に打ち勝てる様に、人間としての優しさや強さを教えてきた。エグリゴリに壊滅させられた「鐙沢村」の、忍者一族の出身。傭兵時代は「静かなる狼(サイレントウルフ)」の異名で名を馳せ、米国の諜報機関が総がかりで敗北したほどの凄腕。そう語った米国大統領ジェイムズ・フリント(作中の架空の人物)は巌を友人と呼び、かつて何らかの関わり(諜報戦で敵対か協力)があったと推測がされる。
- 反エグリゴリ組織の依頼でエグリゴリの施設に潜入し、子供の頃のキース・ブルーを脱出させ、後にブルーメンから ARMS の子供の一人、涼を預かる。現在、世界中を飛び回りながら ARMS の子供達を見守り、時に恵や隼人の前に現れて(「単身赴任のサラリーマン」と名乗っていた)、彼らを励まし成長を促していた。涼だけでなく、他の ARMS の子供達にもわが子のような思いを持っていたのではないかと思われる。
- 旅をしていないときはニューヨークのハーレムに滞在し、地元の子供たちに武術を教えている。ハーレムの人々は巌を「ウインド」と呼び、地元のマフィアを一夜にして壊滅させ、平和を取り戻してくれた「ブラザー」として慕っている。物語中盤、自信を喪失した隼人をハーレムに滞在させ、巌がいない間に勢力を取りもどしたマフィアとの戦いに連れて行き、その戦いの中で、隼人に「水の心」を会得させた。巌自身も「水の心」を極めており、その戦闘スタイルは銃を使わず、素手かナイフなどの刃物を駆使する武術だが、サイボーグやミュータントのみならず、完全体の ARMS とも渡り合うことができる。あらゆる意味で劇中最強の人物。藍空市における最後の戦いで、旅の目的であった、故郷をエグリゴリに売った実の弟、崖と対峙し、止めをさせなかった過去の甘さと決別し、自らの手で引導を渡す。ARMS をめぐる戦いが終わった後は、再び世界を旅している。
- 高槻美沙(たかつき みさ)(声優:一城みゆ希)
- 涼の母。涼からは「のんきな母さん」・カツミからは「美沙ちゃん」といわれており、常にニコニコしている、年齢不祥の女性。傭兵時代は「笑う牝豹(ラフィング・パンサー)、地獄の黒魔女(ヘルズ・ブラック・ウィッチ)」の異名を持っていた。エグリゴリのサイボーグ部隊をあっという間に壊滅させる凄腕で、ワイヤーによる絞め技のほか、ベレッタM84の2丁拳銃による射撃を得意とする。戦略や戦術の分析も得意とし、藍空市殲滅戦では敵の虚を突く攻撃を仕掛けた。熟練の戦士である彼女は、無意識でも正確な動きで戦えるため、超能力者でも動きの先読みができない。
- スティンガー
- 強化人間部隊“猟犬(ハウンド)”隊長「アルファ・ハウンド」。主であるオスカーに忠義を尽くすと共に、父親の代役にもなる。かつて普通の兵士だった時には家族もいたようだが、家族よりも戦場を選んだことを後悔している。
- 脳内のアドレナリンを過剰に分泌させる事により、短時間戦闘力を飛躍的に高めることができるが、それは再起不能と紙一重である。オスカーの制止も聞かずその力で高槻涼を後一歩の所まで追いつめるが、オスカーが危機に陥ったことに心を乱され、お互いに必要とし合っていることを自覚して敗北を認める。
- その直後ギャローズ・ベルからの退却戦で涼たちと共同戦線を張り、後にブルーメンの活動に同調して独自活動を行う。
- オスカー・ブレンテン
- ギャローズ・ベルの「チャペルの子供達」のリーダー。“猟犬(ハウンド)”部隊の力とオリジナル ARMS を捕獲・洗脳してエグリゴリに反旗を翻そうとする。
- その実体は親の愛に餓えた寂しい子供で、過剰な能力を持ったばかりに親に売られてエグリゴリに協力していた。親はエグリゴリに子を売った金と自責の念で自堕落な生活を送っているため、軽蔑していた。ギャローズ・ベルでリーダーに君臨していながらアルの頭脳を素直に認め引き抜こうとするなど、謙虚さも持ち合わせている。
- エグリゴリの攻撃で壊滅的な損害を受け、アルにアザゼル研究の成果全てを託す。
- 兜光一(かぶと こういち)(声優:中村大樹)
- 型破りな藍空警察署の刑事。エグリゴリの圧力のかかった事件を徹底的に追い続ける内に ARMS と出会い、その後、警察に辞表を提出し、ブルーメンに参加する。技術も力も無いが、度胸と頭のキレは中々のもので、子供の頃の将来の夢は「正義の味方」を標榜していただけあって、常に正義感に燃えている。燃えているが力及ばず満身創痍になることもしょっちゅうではあるが、一人の男として最大限の努力を惜しまない。
- 「おっさん」と呼ばれるがまだ29歳である。
- 名前の由来は『マジンガーZ』の主人公から。
- 新宮十三(しんぐう じゅうぞう)(声優:藤本譲)
- 隼人の義理の祖父。新宮流古武術の師範でもある。巌いわく「現役時代の彼には今の私でも勝てない」と言わしめるほどの実力者だったが、X-ARMY のヴォルフにやられたり、市街地での戦闘で肩を撃たれたりと、現在では流石による年波には勝てず、体が追いつかない様である。ただしエグレゴリの戦闘サイボーグや強化人間などには、ほとんど無敵ともいえる強さを誇る。ヴォルフにやられたのは、どちらかと言うと打撃や関節技に対しては異常な治癒力を持つために無効化されるという特性上の組み合わせの悪さが影響した模様で、後の銃創もヴォルフとの戦いのダメージ故である。
- 新宮修一郎(しんぐう しゅういちろう)(声優:岡部政明)
- 新宮隼人の養父で新宮十三の息子。作中の記述から居合の達人であったと思われる。鐙沢村で隼人を守り、キース・ブラックに首を刎ねられ殺される。
- 巴麻耶(ともえ まや)(声優:大本眞基子)
- 武士の1つ下の義妹。幼い頃に自分をかばって事故にあった武士に負い目を感じて心配している。
- ラルフ・コールマン(声優:中田譲治)
- ブルーメン所属の傭兵。陽気な黒人でカポエラなどの格闘技に通じており、銃器の扱いにも長けている様子で、量産ARMS程度なら撃退できるほどの戦闘力を持つ。高槻夫妻の元部下で人当たりが良く、涼たちを陰ながら幾度も助けてきた。
- 李春香(リー・チュニャン)(声優:中谷ゆみ)
- 同じくブルーメン所属。戦闘よりも情報通信を主な任としている。子供の頃に村をエグレゴリに殲滅されて復讐を誓った一人。兜光一の窮地を救い、後に逆に彼に助けられ、信頼し合うようになる。なお「子供の頃の夢」は光一と同じく「正義の味方」だとか。
- サミュエル・ティリングハースト
- 世界最高の物理学者。キース・ホワイトから"アザゼル"の研究を強制的にやらされる。アリスを実の娘のように思っていた。「チャペル計画」の生みの親でもある。しかし非人道的なエグリゴリに疑問を抱いている。チェス好きであり、アルを相手にしても連戦連勝を誇った。カリヨンタワーにおける戦闘で後進のアルに全てを託してこの世を去る。
- メアリー・カッツ(声優:井上瑤)
- 涼達の前に初めて現れた「ブルーメン」の一員。鐙沢村で非人道的と知りつつ人体実験を行っており、その罪を償うかのようにエグリゴリによる殲滅戦で死亡する。
- ヨハン・ホルスト
- ブルーメン最強部隊「ドラッケン」の隊長。背中に鎌のような4本のアームを備えたサイボーグであり、歴戦の勇士である。エグリゴリからブルーメンに翻っており、「クリムゾン・トライアッド」のガシュレーは戦友、「ネクスト」のクラークは元上司である。
- 自分たちサイボーグが ARMS の踏み台でしかなかったことに憤っており、エグリゴリからの離反の理由もそれだが、同時にオリジナル ARMS 移植者にも激しい敵意を抱いている。エグレゴリ離反時にその体はとっくに耐用年数が過ぎていたが、仲間達の部品を使ってでも延命を続けており、例え死んででもエグレゴリを叩き潰すことに執念を抱いている。
[編集] 敵組織
- ジェフ・ボーエン(声優:大本眞基子)
- アルの双子の弟。過ぎた知能が原因でイジメを受けた経験により、兄弟共に「学校」そのものに憎しみを抱いている。アルと共に、死んだ兵士を改造した「プラス」と「マイナス」を引き連れる。
- オリジナルARMSを持つ主人公達に戦いを挑むも、2人の暴走を咎めたキース・レッドに殺される。
- コウ・カルナギ(声優:徳丸完)
- 特殊能力者を集めて収容、研究している施設「アサイラム」の中で最も危険な存在といわれる男。強さを追い求め、生身の人間でありながら、ARMS 以上のパワーとスピードを持ち、最強の強度を誇るといわれる”ナイト”のブレードをも素手でへし折った。戦闘サイボーグなどは全く意に介さないほどに強い。その身体を検査した東洋医によると、「生まれながらして全身のチャクラが開いている」そうである。ニューヨークにたどり着いた涼たちを、他の2人の仲間と共に襲撃し、心に迷いを抱えた隼人たちを一瞬にして戦闘不能にする。しかし再度隼人と相対したとき、「水の心」を身につけた隼人に完敗する。その後、用済みになったとしてジェームス・ホワンに瀕死の状態にさせられてからはしばらく姿を消していたが、終盤にホワンへの復讐を目的に再度姿を現し、アルの説得で涼たちと共闘する。
- ラヴィニア・ウェイトリー
- 「アサイラム」の収容者の一人で、カルナギ達と共にニューヨークの涼たちを襲撃する。ユーゴーと似たテレパシー能力の持ち主で、悪夢のイメージを見せて相手の精神を攻撃する。その力でユーゴーを攻撃するが、それをそのまま跳ね返されたことによって見た自分のトラウマによって潰れてしまう。アニメには未登場。
- ジェームス・ホワン
- カルナギ、ウェイトリーと同じく「アサイラム」の収容者。遠隔透視能力(リモート・ビューイング)で涼たちの居場所を特定し、カルナギたちと共に襲撃する。一見軽い性格で、前線で直接戦うのは他のメンバーに任せていた様子だったが、カルナギたち他の連中が戦闘不能になったと見ると本性を現し、衝撃波のような技で涼を吹き飛ばして姿を消す。その後カルナギたちを切り捨てて、キース・ブラックの側近となり、「カリヨンタワー」で涼たちの前に姿を現す。その正体は、高槻巌や「鐙沢村」と深い関わりがある。ラヴィニアと同じくアニメには未登場。
- ヒューイ
- 最新サイボーグ軍団「ネクスト」のリーダーにして、エグリゴリの本拠地「カリヨンタワー」の最高責任者。元は人間だったが、不治の病によって、死亡。父のデューイ・グラハムによって、「ネクスト」として蘇る。戦闘機能としては、超振動や高速移動など。同じ記憶を移植された部下達を擁し、集団で襲い掛かる。後に「クイーン・オブ・ハート」に破壊された右腕の代わりとして、高出力レーザー砲が装備される。最後まで戦うことを選択して「カリヨンタワー」の崩壊と共に死亡。
- グリージョ(灰色)兄弟
- シシリアンマフィアのドン・パゾリーニに雇われた凄腕の殺し屋兄弟。兄ネロ(黒)と弟ビアンコ(白)のコンビネーション攻撃を得意とする。マフィア本拠地にて風(ウィンド)こと高槻巌の前に敗れ、その後隼人を的にかけようとするが水の心に目覚めた隼人の新宮流古武術の前に返り討ちに遭う。
- ガウス・ゴール
- ”残忍なる知将”の異名を持つ都市戦の心理戦の専門家の傭兵。老齢の為寝たきりになっていたが、「レッドキャップス」隊長となることで、X-ARMYの研究成果によって作られた若々しく特殊能力を持つ不死身の肉体を手に入れ、オリジナル ARMS 達を捕獲する為の非道な作戦「スナーク狩り」を決行したが、彼すらもまた捨て駒の一つに過ぎなかった。
- クリフ・ギルバート(声優:檜山修之)
- 「魔王(セイタン)クリフ」の異名を持っている。驚異的な念動力を持つ X-ARMY リーダー。
- 妹のユーゴーとは違い、元々大した能力を持たなかったが、ある時突然に強大な破壊的な力を得た。
- キース・レッドに敵対心を持っており、またX-ARMYの他のメンバーを解放するため、オリジナル ARMS を彼より先に倒そうとする。
- キャロル(声優:白鳥由里)
- 念動力でものを曲げることができる少女。それ故に周りから疎まれて捨てられ、これにより深い心の傷を負っていた。「ツイスター(螺旋)」の異名を持つ。X-ARMY が全滅した後は新宮家の養子になる。
- キクロプス(声優:宝亀克寿)
- 「千里眼」の異名を持つ男。ありとあらゆる波長の電磁波を視ることによる透視能力と、光線を集中し放って視界内のものを焼き尽くす目を持つ。ナイフの使い手で ARMS をも切り裂くことのできる超振動ナイフを使用していた。
- 実験によって会話や日常的な生活を失ってしまっているが、彼もまた仲間のためになら命を投げ出す覚悟で戦いに臨んでいた。
- ヴォルフ(声優:広瀬正志)
- 「不死身」の異名をもつ大男のオカマ。ガン細胞の原理を利用した再生能力を持ち、心臓を刺されてもすぐに傷がふさがってしまう。
- 人生を狂わされた彼らも、エグリゴリにとっては更なる超人を生み出すための捨て石でしかなかった。仲間を思いやり、ハーブティーなどが好きな温和な性格ながら、それだけに戦いの際には容赦ない力押しで臨む。
- ガシュレー(声優:郷里大輔)
- エグリゴリのサイボーグ兄弟「クリムゾン・トライアッド」の長兄。ハニカム構造のチタン装甲(作中では「ハニカムとチタンの複合装甲」と言われているがこの意であろう)で身を固めた重量級サイボーグ。ウサギを全力で狩るライオンの如き高いプライドを持つ高潔な男で、「戦士」としてあるべきことにこだわりを持つ。第一部において鐙沢村で2度高槻涼と一騎打ちをし、両戦共に敗北するが、その戦いの中でも、高槻に「戦士として生きろ」と言い放つ。その言葉は、後の高槻に多少なりとも影響を与えたようである。鐙沢村の住民を虐殺しようとするキース・レッド率いるエグリゴリの部隊に反抗し、討ち死にする。
- ビイ(声優:本多知恵子)
- 「クリムゾン・トライアッド」の紅一点。背中から蜻蛉のような四枚の羽を生やし、亜音速で飛行する事によって発生する真空で目標を切断する。改造された自分の体を憎悪しながらも戦士として誇りを持ち、巴武士と一騎打ちをするが、第二形態に進化したホワイトラビットの跳躍力の前に敗北し、地面に叩き付けられる寸前に武士に情けを掛けられ、オリジナルARMSの置かれた状況に共感する。その後、ガシュレーと共にエグリゴリの部隊に反抗し、討ち死にする。
- フェイス(声優:二又一成)
- 「クリムゾン・トライアッド」の一人。関節が存在せず、軟体生物のごとき動きで敵を翻弄するナイフ使い。顔を任意に変化させて変装し、敵を惑わす事を得意とする。新宮隼人と一騎打ちをするが、逆に刺殺される。その卑劣な性格からかガシュレーにも、殺されるのも止むを得ないと思われていた。
- クロウ
- エグリゴリからの最初の刺客。そのサイボーグ化した両腕には拳から生やす爪(クロウ)等が仕込まれている。エグリゴリの人間を狩っていた新宮隼人を狙うが、覚醒したジャバウォックの腕に半殺しにされる。
[編集] ARMS
[編集] オリジナルARMS
- ジャバウォック(声優:池田秀一)
- アザゼルから誕生したオリジナル ARMS の一つ。“黒いアリス”の「憎しみ」をプログラムされた"制御不能"と云われる ARMS であり、最も中心的な ARMS である。自らが受けた攻撃を学習し、逆に自分の能力としてしまうことが出来る。最終的には核のエネルギーを吸収し、巨大な反物質の精製を行う事が可能となる。どんな傷も瞬時に修復するARMS の超再生能力を無効にする「ARMS 殺し」の爪と、その際限の無い破壊力から『魔獣』と呼ばれる。涼に救われた時に「汝とともにと生き汝とともに滅びる」と忠誠を誓うが、涼が憎しみに囚われると暴走するのは変わらず。猛る心と野生を秘めた存在である。
- 第一形態
- 形状は普通の腕と大差無いが、伸縮自在で柔軟性がある。また防御の際には盾の形のように変化する。
- 第二形態
- 大型の手甲で覆われた形状となり、取り込んだ鉱物を弾丸の形状にして、圧縮空気を利用して撃ちだせるようになった。
- 第三形態
- 通常時は第二形態と変わらないが砲撃時は大砲のような形状に変形、電磁誘導式のさらに強力な砲撃が可能になった。
- 暴走形態
- 怒りや憎しみといったマイナスの感情が高まったり、生命の危機を感じ取るとこの状態になる。この形態になると、目の周りにジャバウォックと同じ様な模様が表れ、右腕以外でも ARMS 並みのパワーとスピード、再生能力を発揮することが出来る。第一部以降、頻繁にこの形態になる。しかしこの形態は、ジャバウォックに最も精神を支配されやすい状態でもあった。
- 最終形態(第一進化)
- ほぼ完全にジャバウォックに精神を支配されてしまい、基本的に制御がまったく効かない状態。ただし双方の目的が一致した場合、涼の意思のとおりに動けるようである。
- 最終形態(第二進化)
- 反物質砲が撃てるようになったと同時に進化した。肩が大型化し、肘の部分が尖るなどの形状の変化も見られ、さらに禍々しさが増した。
- 最終形態(巨大化)
- カリヨンタワー地下の巨大アザゼルと融合した姿。ミサイルのエネルギーを吸収し、大火炎を吐く。核ミサイルを取り込み、人類を滅亡させる規模の反物質を精製することが可能。涼の「自己嫌悪」により完全に暴走している。
- ナイト(声優:小杉十郎太)
- 「ジャバウォックの爪」と同じ ARMS 殺しの能力が備わった「ミストルテインの槍」を持つオリジナル ARMS。“白いアリス”の「仁愛」がプログラムされている。ジャバウォックとは逆で非常に理性的であり、基本的には隼人の意思を優先させ、高潔な騎士を思わせる心を持ち、純粋に誰かを守りたいという装着者の心に反応する。しかしジャバウォックが暴走すると隼人の体の自由を奪い、即座に殺しに向かう。
- 第一形態
- 指が鉤爪になっており、手首の辺りから1メートルほどの刃が伸びている。刃は前後に向きが変えられる。
- 第二形態
- 大型の盾に射出可能のニードルが一体となった形状となった。刃の向きは変えられなくなったが、十数メートルほど伸縮が可能になり、サイボーグの装甲も容易く切り裂けるほど切れ味と強度が増した。
- 格闘形態
- 刃とニードルが無くなり、形状も小型化し、新宮流古武術に特化した形態。コウ・カルナギ戦では左腕だけだったが、カリヨンタワーで複数のサイボーグとの戦闘では、両腕が ARMS になり、頬から目の辺りにかけて模様が表れた。なお、この作中では2回のみこの形態になった。
- 最終形態(第一進化)
- “騎士”の名の通り騎士の姿をしている。右腕自体が光り輝く錐型のランスになっている。左腕の盾についている刃がない状態もあるようだ。
- 最終形態(第二進化)
- 「ミストルテインの槍」が超振動をするようになり、肘を中心にして伸縮させて双頭にすることと回転させることによる前方広範囲に遠距離攻撃が可能となった。
- ホワイトラビット(声優:中田浩二)
- ナイトと同じく、人を想う方のアリスの意思がプログラムされているオリジナル ARMS。“白いアリス”の「勇気」がプログラムされている。ジャバウォックが暴走した際にはナイトと協力して戦う(ホワイト・ラビットが音速移動で衝撃波を起こして動きを止め、ナイトの「ミストルテインの槍」で攻撃するコンビネーション)。童話の通り、色々な人を導いてきた。ARMS の過去を武士に教えてくれたのも彼である。おとなしく知的な面を見せ、静かな義務感を抱く。
- 第一形態
- 太股の辺りに空気の排出口がある。高所からの着地も苦にせず、人間相手なら蹴り上げるだけで瀕死にさせるほど脚力が向上する。
- 第二形態
- 両足がスカートのような形になり、圧縮空気を使って一気に300メートルの跳躍が可能となった。また連続噴射することによって、空中で自在に移動ができる。武士の常人離れした反射能力と相まって、さらに強力になった足技を得意とし、空中戦すらこなす。
- 最終形態(第一進化)
- ホワイトラビットの名の通りウサギと人を混ぜたような姿をし、蝙蝠のような大きな翼を備える。音速を超えて飛行することができ、その際は翼を折りたたんで戦闘機のような翼となる。ソニックブームで敵を粉砕する。
- 繭
- 武士が昏睡状態に陥った際にこの状態になった。中ではホワイトラビットが武士に ARMS の過去を教えていた。
- 最終形態(withアリス)
- 繭から孵った後、“新しい力”として“白いアリス”を連れてきたことによりパワーアップした。体が光り輝き、飛行速度とそれに伴うソニックブームの規模が劇的に上がっている。その力の前では最強のアドバンスト ARMS であるハンプティ・ダンプティも塵芥に過ぎない。
- クイーン・オブ・ハート(声優:山口奈々)
- 全 ARMS 中、唯一覚醒しても適合者の肉体が変異せず、他の ARMS とは毛並みが異なるオリジナル ARMS。“白いアリス”の「審判」がプログラムされている。覚醒した際には恵の背後にホログラムとして現れる。戦闘能力は皆無だが、彼女の持つ「アイギスの鏡」は全ての攻撃をはね返す。また特性として他のメンバーの ARMS 化を強制解除する能力を持ち、全ての ARMS を無条件で消滅させる禁断のプログラムも備わっている(ただし恵は使用しなかった)。女王の名の通り最強の ARMS である。実体をもたないせいか、恵に干渉することは殆どなかった。白いアリスの意思と、人間とは全く違う価値観を持ちながらも人間の心に惹かれたアザゼル自身の持つ意思を受け継いだ存在といえよう。
- 戦闘形態
- 空気の流れや相手の筋肉の動きに至るまで、あらゆることを見通せる。1キロメートル先の本が読めたり、飛んでくる弾丸も捉えることも可能らしい。ただし基本的に戦闘用の ARMS ではなく、あくまで索敵用の ARMS なので、戦闘に関しては恵自身の戦闘術に頼ることになる。外見の変化が無いため、常時 ARMS を使用しているのか、説明は特に無かったが、恐らくは使い分けていると思われる。他のオリジナル ARMS のように進化はしなかった(メンバーに出会う前に性能が向上した可能性はある)。ただしARMS全般に見られる治癒力は持っており、常人なら重症であるような怪我も、全身に分布しているマイクロマシンが修復する機能を持つ。
- 最終形態
- 恵の身体を中心に「クイーン・オブ・ハート」の姿がホログラムとなって現れる。このとき恵の身体は中に浮いている状態となる。ただのホログラムではなく力場(フィールド)となっており、あらゆる攻撃を跳ね返す「アイギスの鏡」を持つ。
[編集] アドバンスドARMS
- グリフォン(幻獣)
- 制御しやすいようにとアザゼルから取り出された、オリジナルのような意思を持たないアドバンスド ARMS。コアはキース・レッドの頭部にある。強力な超音波を操り、触れるものすべてを粉砕し、両腕のブレードであらゆるものを切り裂く。主人公らと初めて会った時は、圧倒的な力の差を見せ付けた。後に覚醒したナイトにより両腕を破壊され、直後に全身を超音波兵器へと変化させ抵抗するが「ミストルテインの槍」により完全に敗れ去る。
- マッドハッター(帽子屋)
- アドバンスド ARMS の一体。キース・シルバーの左腕に移植されており、掌から荷電粒子砲「ブリューナクの槍」を放つ。また、5本の指先から高出力の電撃を発生させることにより、実体弾に対するバリアとして用いることも可能である。非常に強力な攻撃力を持つが、荷電粒子砲を連続使用すると体温が異常上昇してしまうため、長時間の使用は出来ない(最終形態になった場合、この問題は解消される)。ギャローズベルでの戦闘で武士を追い詰めるが、ジャバウォックの反物質砲により敗れる。その後カリヨンタワーで涼と対決するが、ARMS の力が限界を超え自壊する。
- チェシャキャット(チェシャ猫)
- 人型の多い ARMS と違い、巨大なネコのような姿をしている。物理特性に左右されず、あらゆるものを切り裂く空間の断裂「魔剣アンサラー」と空間転移能力を持つ。身体を変異させずに能力を使うことが可能。覚醒した際は数本ある尾から攻撃を放つ。ホワンの超能力がモデルとなっている。
- アリスの「希望」の意志が託されている。
- グランドキャニオンにてジャバウォックと対決し、ジャバウォックを追い詰めるが、ジャバウォックの強大な力を目の当たりにして逃亡。後にブラックに反抗するが、逆にコアに致命傷を負わされてしまい崩れ去った。
- マーチ・ヘア(三月兎)
- 女性的なシルエットを持ち、鏡のような体表を持つ。キース・バイオレットの両目に移植されている。周囲にナノマシンを散布し幻影を作り出す「バロールの魔眼」を操る。散布したナノマシンを操作することによって、あらゆる方向から強力なレーザーを照射する、また鏡面のような身体を利用することにより、ナノマシンがなくてもレーザーを放つことが出来る。劇中唯一最後まで生き残ったアドバンスド ARMS でもある。
- ハンプティ・ダンプティ(神の卵)
- 何らかの能力を持つ他の ARMS とは違い、手の加えられていない最も純粋な ARMS。「神剣フラガラッハ」を持つ。あらゆる攻撃を吸収し取り込むことができ(ARMS 殺しも例外ではない)、基本的に無敵である。体が黒いエネルギーの力場によって覆われており、これがある限りどのような攻撃も無意味となる。吸収した攻撃を即座に自らの能力とすることが出来、最終的にはホワイトラビットとクィーンオブハート以外の全ての ARMS の能力を備えていた。
- 実はブラックがホワイトを殺害した際、ホワイトの意識が偶然取り込まれてしまい、ブラックの意思に影響を与えていた。ブルーとの対決の際、彼の自爆により、気づかない内に致命的な傷を負い、それが原因となり身体を覆う力場が取り除かれ、ナイトとの最終決戦で敗れた。ちなみに、力場が取り除かれた際の姿は、全 ARMS 中最も貧相である。
- ドーマウス(眠り鼠)
- 針のような小型ミサイル「魔弾タスラム」を持つ、全身が棘に覆われた姿の ARMS。腕や肩から針を飛ばし、広範囲を攻撃できる。ブルーに移植されたが適合できず、リミッター無しでは暴走し自壊してしまう。後に力を失ったオリジナル ARMS のメンバーを救うため、ブルーが自らリミッターを外し数分間のみの最終形態となり、彼らの窮地を救ったが、ハンプティ・ダンプティとの対決で自爆により散る。
[編集] その他
- モデュレイテッド ARMS
- 量産を前提に調整(モデュレイテッド)された「量産型」の ARMS 達。姿形はアリスの作品に出てきたキャラクターがモデルとなっている(芋虫など)。普段はリミッターを付けて、完全体になるのを抑えているが、完全体になった場合、二度と人の姿には戻れないという欠点ががある。
- バンダースナッチ(神獣)
- コアを移植された他の ARMS と違い、カツミの体内でコアが生成された特殊な ARMS。オリジナル ARMS と同様、自我がある。“黒いアリス”の「憎しみ」がプログラムされており、「プログラム・ジャバウォック」に替わる「プログラム・バンダースナッチ」の要となる。外見はジャバウォックに酷似しているが、肩のでっぱりが尖っていたり体色が白いといった外見の違いが見られる。またマーチ・ヘアと同じ「ナノマシン散布型」となっており、空気中の窒素を散布したナノマシンで液体に変え、周囲を極寒冷地にすることができ、炎を操るジャバウォックとは対照的な能力となっている。
- アリス(声優:久川綾)
- ARMS の生みの親であり、最初のチルドレン・オブ・チャペル計画の少女であり、ARMS移植耐性を示した初めての人間。エグリゴリよりの脱出を試みるも誤射により死亡、その直後に彼女に対して強い友愛の心を持つアザゼルに吸収され、人間に道具にされたことで非常に強い憎しみを持っている“黒いアリス”と、人を想う“白いアリス”の2つに分かれ、その精神は眠りについた。
[編集] 組織
- エグリゴリ
- 巨大な軍産複合体を背景とする極秘組織で、世界中にそのネットワークを張り巡らせている。おそらく米国の国防省やCIA、軍需企業などが主体となって組織を維持しており、公開実験には米国の国防長官も招かれていた。作中では、米国大統領にとってもむやみにエグリゴリに触れるのはタブーで、かの第三十五代大統領は、エグリゴリの情報を世間に公開しようとしたために暗殺されたことをほのめかすくだりがある。
- 第二次世界大戦終結直後、核兵器による絶滅の危機に常に瀕している人類にとっての進化による生存、絶滅に続く第3の選択肢、「種の人工進化」を提唱したキース・ホワイトによって、ナチスドイツや旧日本軍の技術も取り入れられ、「プロジェクト・ARMS」が開始された。高槻達の前に立ちはだかったサイボーグ、超能力者、ミュータントは、ARMS 研究の一環として非人道的な人体実験を繰り返すことによって生み出され、兵器とされた彼らを各国政府、軍に提供する見返りに、研究への支援を受けていた。
- その名の由来は、エノク書にて禁断の知識と技術を人間に与えた堕天使エグリゴリから。
- X-ARMY
- 遺伝子改造や投薬により超能力や常識を越えた身体能力を付与された者、先天的にそのような能力を持つ人間を集めたエグリゴリの実験部隊。「レッドキャップス」完成後は用済みとばかり全員処分され、運良くユーゴーとキャロルの2人だけが生き残った。
- レッドキャップス
- クローニングとウイルスによる遺伝子書き換えにより X-ARMY から抽出した「不死身の体」「千里眼」「テレパシー」の能力を付与して作られた少年の体に、年老いた傭兵の脳を移植することで実現された、百戦錬磨の超人部隊。だが「スナーク狩り」と名付けられた藍空市におけるオリジナル ARMS の捕獲作戦において数多くの致命的な欠陥を露呈し、あげく限度を超えた身体改造が原因で急激に老化し自滅。
- イプシロン・フォース
- アメリカ国内最大戦力と言われるエグリゴリ直属の虐殺部隊。「プログラム・バンダースナッチ」発動後はキース・ホワイト達に見殺しにされる。
- 高速機動隊
- 「高速戦闘サイボーグ」「高機動型サイボーグ」等とも表される。人間の肉眼では全く捉えられない亜音速で移動・行動し、ARMS をも切り裂ける超振動ナイフを装備した戦闘サイボーグ。頭部全体を包むヘッドギアが特徴的である。イプシロン・フォースなどエグリゴリの部隊に所属。そのシンプルな強さの為、中盤以降最高の噛ませ犬としてしばしば登場する。
- ネクスト
- 「プログラム・ジャバウォック」において、ヒトが絶滅した後に地球を支配する予定のアンドロイド。従来のサイボーグと違い、どうしても血液の必要な「脳」が無く、その代わりに記憶をインプットした高機能チップを、頭の中に搭載している。武器として、あらゆる物を粉々にする超振動発生装置と高速移動を可能にする、亜音速走行用脳内アクセレ-ターを搭載している。モデルとなった人物は、ドラッケンのヨハン・ホルストの元上司、クラーク・ノイマン少佐。
- モデュレイテッド ARMS 部隊
- 「プログラム・バンダースナッチ」において、ヒトが絶滅した後に地球を支配する予定のモデュレイテッド ARMS 移植者。だが、リーダーのホワン以外は精神的な面で脆さを持ち、また成長した主人公と比較すると圧倒的に弱い。戦場での戦闘経験は豊富らしいが、油断と慢心を助長させる要因にしかならなかったようだ。散々に打ちのめされた後にホワンに捨て駒にされ、人として生きられない体のまま、戦いに敗れて果てた。
- ブルーメン
- エグリゴリの被害に合った人や、エグリゴリを忌み嫌う人達を集め、キース・ブルーによって結成された、反エグリゴリ組織。世界各国に支部があり、経済力、軍事力、科学力共にエグリゴリに勝るとも劣らない力を持った、エキスパート軍団。しかし組織は小さく、エグレゴリの末端を刺激しては一進一退を繰り返す苦しい立場が続いていた。
- ドラッケン
- ブルーメン・ヨーロッパ所属特殊作戦チームのサイボーグ部隊。隊長はヨハン・ホルスト。エグリゴリからの離反部隊であり、以前から無敵部隊として恐れられていた。戦闘サイボーグとしては旧式であり、パーツの補修も死んだ戦友から得るしかないという苦しい部隊だが、実力は本物。最新鋭の体を持つはずのイプシロン・フォースのサイボーグ部隊に対しては、一閃で沈めるほどだった。
- チャペルの子供達
- 妊婦を通して胎児に特殊な投薬をする「チャペル計画」により生み出された、天才少年少女達。当初は一般社会で暮らしていたが、ボーエン兄弟の起こした大事件により、エグリゴリは子供達の回収を決定。彼ら彼女らの親はエグリゴリの裏工作によって金銭的に追いつめられ、己の子供をエグリゴリに売り渡す。集められた子供達はエグリゴリの為の研究に勤しむ事になる。
- エグリゴリが廃棄を決定した実験部隊”猟犬(ハウンド)”部隊を手に入れ再強化したことと、アザゼル研究の為彼ら彼女らが集められていたギャローズ・ベルに主人公達が立ち寄ったことにより、オスカー・ブレンテンをリーダーとしてエグリゴリに反旗を翻す事を決定。オリジナル ARMS を捕獲せんと”猟犬(ハウンド)”部隊をけしかけるが、反乱がエグリゴリに察知されていたことを知って主人公達に降伏、和解する。
- ”猟犬(ハウンド)”部隊
- 元はエグリゴリによって試験的に作られた強化人間(ブーステッドマン)部隊。廃棄処分されるところをチャペルの子供達に見込まれて、さらなる再強化を施される。獣のごとき反射神経・運動神経と視聴嗅覚を持ち、狼やライオンなどの群れで狩りをする肉食獣のごとく統制の取れた連係プレイをする。
- 当初は主人の命により主人公達と戦うが、主人の「チャペルの子供達」のリーダーであるオスカーを巴武士が救った事により主人共々降伏、和解する。
- 主人公達との戦いに次いでキース・グリーン率いるヘリ部隊の待ち伏せにより大打撃を受けるが、後半で復活、ブルーメンと共に「プログラム・バンダースナッチ」を阻止する為キース・ホワイトとエグリゴリの残党と戦う。
[編集] 用語解説
- ARMS(アームズ)
- 人間の戦闘能力を高めるために開発されたナノマシンの集合体。金属の特性を持ち、硬度があり電気を通すが、それ自体が分裂増殖、そして変形する。炭素をベースとした地球上の生命体とは異なり、珪素をベースとした物質で構成されている。普段は人間の体と全く変わらないよう擬態しているが、緊急時には使用者の意図に従い、戦闘形態へ変形する。基本的に精密機械なので、電撃を受けると機能が麻痺してしまう。最初の ARMS は、アリスの心を受け継いだ4体のオリジナル ARMS だけだったが、後に意思を持たないアドバンスド ARMS、量産を前提に開発されたモデュレイテッド ARMS が作られた。
- アザゼル
- ARMS の元となる群体のシリコン生命体。見た目はただの隕石のようだが意志を持ち、人の「心」に憧れている。その為、今そこにある最も強く純粋な「想い」に惹かれ、姿と性質を変化させる。ギャローズベルの地下研究所では、怒りによって高鳴った高槻涼(ジャバウォック)の意志に惹かれ、ジャバウォック(完全体第一形態)へと変貌を遂げ、後に純粋な友愛の心に触れ、その無限とも言える命をかけて窮地を救う。複数存在し、作中では4つ確認されている。なおモデュレイテッド ARMS を除く全ての ARMS は、アリスを取り込んだカリヨンタワーの巨大アザゼルから生まれ出た。
- ギャローズ・ベル
- アリゾナ州にある架空の町。その名は、西部開拓時代に騎兵隊が捕らえたネイティヴ・アメリカンを絞首刑にし、その際に鳴らす鐘で彼らを威嚇したことに由来する。チャペルの子供達とその親が住む。この町を支配しているのは子供達であり、親達は「自分たちを売ったクズ」と蔑まれながら怠惰な日々を送っている。地下にはアザゼルと、主にそれを研究する為と思われる施設が存在。
- カリヨンタワー
- ニューヨークに所在する、エグリゴリの総本部である巨大高層ビル。デューイ・グラハムそのものでもある。アリスを取り込んだ巨大アザゼルはこの地下にある。
- プログラム・ジャバウォック
- アリスの「憎悪」がプログラムされたジャバウォックの移植者を憎しみの海に叩き込む事により、ジャバウォックを暴走させ、さらにカリヨンタワーの巨大アザゼルと融合させる事で巨大な破滅の力(反物質)を生み出させ、それにより地球環境を破壊しヒトを滅亡させる計画。ヒトの滅亡後は、人間が持つ醜い欲を持たないアンドロイドの「ネクスト」が支配する。アザゼルと融合したアリスから「滅ぼせ」とのメッセージを受け取ったキース・ブラックの立てた計画である。
- プログラム・バンダースナッチ
- 黒いアリスが産みだしたバンダースナッチを、カリヨンタワーとは別の巨大アザゼルと融合させる事によりその力を極大化させ、地球環境を激変させヒトを滅亡させる計画。ヒトの滅亡後は、「進化した人類」である ARMS 移植者が地球を支配する。「進化」に執着したキース・ホワイトによる計画である。
[編集] アニメ
アニメ版の特徴としては、以下のようなものである。
- シナリオは原作に忠実である。ただし、ニューヨーク編は大幅に話を省略しており、アニメ版はここで完結している。
- 声優は主役級・実力派を揃えており、これといった奇抜さはない。
- レッドキャップス戦は「中性子爆弾」が「特殊爆弾」となり、ガウスの後味の悪い最期が改められるなど表現が変更されている。
- シルバーはアリゾナで退場し、バイオレットとは要塞突入前に戦闘、最終章で描かれるブルー対ホワイトがNYで決着するなど、キースシリーズの描かれ方も変わっている。
- 9・11テロの影響からか、カリヨン要塞は都市の中心から海上に変えられ、ジャバウォックが街中で暴れる様は見られない。
- 最終話はほとんど総集編であり、実質的に最終話1話前がクライマックスとなる。
作画の乱れや演出の悪さ、魅力に欠ける動画や音楽など、アニメの総合的な評価は高くない。
[編集] スタッフ
- 原作:皆川亮二(小学館「週刊少年サンデー」)
- 監督:高谷浩利(前期)、亀垣一(後期)
- シリーズ構成:吉永亜矢
- キャラクターデザイン:佐藤正樹
- 音楽:池田大介
- アニメーション制作:東京ムービー
- 作:テレビ東京、トムス・エンタテインメント
[編集] 主題歌
[編集] オープニングテーマ
- 『Free Bird』(1 - 13話)
- 作詞:舩木基有/作曲:岩井勇一郎/編曲、歌:New Cinema 蜥蜴
- 『Breathe on me』(14 - 26話)
- 作詞:舩木基有/作曲:岩井勇一郎/編曲、歌:New Cinema 蜥蜴
- 『TIME WAITS FOR NO ONE』(27 - 52話)
[編集] エンディングテーマ
- 『Just wanna be』(1 - 13話)
- 『call my name』(14 - 26話)
- 作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人/歌:GARNET CROW
- 『Timeless Sleep』(27 - 40話)
- 作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人/歌:GARNET CROW
- 『終わらない夢の中で』(41 - 52話)
- 作詞、作曲:PROJECT ARMS/編曲:project-B/歌:PROJECT ARMS
[編集] ゲーム
-
- 『PROJECT ARMS』
- 2002年3月28日にバンダイより発売された、プレイステーション2用ソフト。
テレビ東京系列 土曜24:50枠 | ||
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前番組 | PROJECT ARMS | 次番組 |
ソングラ | 天使な小生意気 |