須田寛
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須田 寛(すだ ひろし、1931年1月28日 - )は東海旅客鉄道(JR東海)の初代社長である。
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[編集] 経歴
京都大学法学部を卒業後、日本国有鉄道(国鉄)に入社。1987年に国鉄が分割民営化してJR東海が発足したのに伴い、同社の初代社長に就任した。
「産業観光」(industrial tourism:工場や造船所、農業施設など、産業に関する歴史や文化を対象とする観光)の概念を日本に紹介した人物としても知られる。産業観光を普及させるため、『新・産業観光論』(すばる舎、2002年)など多数の著書を出版すると共に、全国産業観光推進協議会副会長、日本商工会議所観光小委員長、名古屋商工会議所文化委員長、観光立国推進戦略会議座長代理など多くの役職に就いた。その他、中部経済連合会特別顧問や日本大正村名誉顧問としても活動。
2005年、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催された国際産業遺産保存委員会(The International Committee for the Conservation of the Industrial Heritage、TICCIH)の国際会議の際には、同市を会場とするよう積極的に働きかけた。
[編集] 年表
- 1931年1月:京都で誕生
- 1954年3月:京都大学法学部を卒業
- 1954年4月:日本国有鉄道(国鉄)に入社
- 1979年5月:国鉄名古屋鉄道管理局長に就任
- 1981年1月:国鉄旅客局長に就任
- 1984年1月:国鉄常務理事に就任
- 1987年4月:東海旅客鉄道株式会社(JR東海)社長に就任
- 1994年11月:かわら美術館評議員に就任
- 1995年6月:JR東海会長に就任
- 2001年:NHK経営委員会委員長に就任(~2004年12月)
- 2004年:JR東海相談役に就任
- 2004年7月:日本観光協会中部支部の初代支部長に就任
[編集] 著書
- 『観光の新分野 産業観光―産業中枢「中京圏」からの提案』 交通新聞社、2001年、ISBN 4330674017
- 『産業観光読本』 交通新聞社、2005年、ISBN 4330825058
- 『実務からみた新・観光資源論』 交通新聞社、2003年、ISBN 4330766035
- 『新・産業観光論―近代化産業遺産の活用と「交流の世紀」への歩み』 すばる舎、2002年、ISBN 4883992322(安村克己、徳田耕一との共著)
- 『東海道新幹線―その足どりとリニアへの展望』 大正出版、1989年、ISBN 4811704088
- 『東海道新幹線30年』 大正出版、1994年、ISBN 4811704096
- 『東海道新幹線』 JTB(JTBキャンブックス)、2000年、ISBN 4533035639
- 『東海道新幹線(II)』 JTB(JTBキャンブックス)、2003年、ISBN 4533050573
[編集] 特記事項
- 鉄道ジャーナル誌の読者投稿欄「タブレット欄」において、読者からの意見に対して国鉄本社旅客局やJR東海からの回答があるケースがあったが、これらの回答はほとんど須田寛氏によるものであったという。