霊界
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霊界(れいかい)とは、死後に霊魂ないしそれに類するものが行き着く世界、又は一部の宗教や信仰で定義される精神世界(非物質世界)の一つである。前者の場合あの世や後世とも呼ばれ、死者のこの世での思いと行いに応じて、行き先が天国と地獄に分かれるとされる。実験科学的な立証が極めて難しいため、実際に存在するかは十分に証明され得ないが、近年はその実在を立証しようという試みが世界的に著しい。また霊界という言葉が意味するものは個々人や信仰(宗教的立場)によって異なる。
[編集] 死後の世界
一般に霊界といった場合はこちらの意味となる事が多い。死後に霊魂の行き着く世界があるという考え方は、様々な宗教や信仰に見られる。肉体が死んだ後でも霊魂、精神(体)、意識(体)などと呼ばれる非物質的な存在が残り、それらが暮らす世界とされる。天国、地獄、浄土、黄泉など。イタコの口寄せのように、霊界にいる霊と交信出来るとする者もいる。この考え方は主に生気論、霊実在論の立場から論じられており、機械論、唯物論の立場では死後霊魂のようなものは残らず、この意味の霊界は存在しないとされる。
[編集] その他の霊界
一部の宗教や信仰においては、死後に限らず非物質世界の一つとして霊界を位置付けているものがある。この場合の霊界は、超自然的な人間同士のネットワーク、現実世界(この世)と表裏一体の不可視の存在たちの世界、などと定義される。前者における霊界は舞台としての世界ではなく、媒介としての世界であり、何らかの未知の力により霊界を通じて他者と交信する。後者では生霊や死霊、守護霊、指導霊といった存在とその影響が信じられている。