電気的除細動
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電気的除細動(でんきてきじょさいどう)とは重症不整脈である心室細動、無脈性心室頻拍が原因で心停止に陥った心臓に電流を流すことで細動や頻拍をなくす処置である。心房細動などの頻脈性不整脈を停止させるときにはカルディオバージョン(同期させた上での電気治療)を行う。
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[編集] 効果
心臓に通電することで一旦すべて脱分極させることで異常な興奮伝導も抑え、細動や頻拍をなくす。その後正常な興奮伝導が再開することを期待し蘇生に導く。そのため、まったく興奮伝導の発生しなくなった心静止や無脈性電気活動に対しては効果がなく、むしろ蘇生率を減少させる。
[編集] 施行の方法
成人の心室細動や無脈性心室頻拍に対するエネルギーは単相式除細動器では、200ジュールから360ジュールである。二相式除細動器ではメーカー(メーカーにより波形が異なる)により異なるが、120ジュールから360ジュールである。電極の貼付部が熱傷となることがあり、これを避けるためには皮膚保護用パッドを使用したり電極をできる限り皮膚に密着させることが望ましい。
[編集] 日本の状況
日本では、以前は、医師・看護師・救急救命士のみに除細動の実施が認められていたが、高円宮憲仁親王の心室細動による薨去(2002年11月)などを受け、2004年7月、厚生労働省から「緊急性があり医師がいないなどの条件を満たした場合は、一般市民が除細動を実施しても医師法違反とはならない」旨の見解を示す通知が発出された。これは、心室細動では心停止から除細動を行うまでの時間が生命予後を決定するという研究結果を踏まえたものであり、事実上、一般市民へ除細動の実施が解禁されたこととなる。法令面(ソフト面)では除細動普及の条件が整備されたが、空港をはじめとする公共施設などへの自動体外式除細動器(AED、従来の手動式モデルは医師用のため操作が難しい)の設置、すなわちハード面での整備促進が遅れており、今後の課題とされている。なお2005年の愛知万博では会場に200機の AED が設置された。また医師会員である全診療所にAEDが常置され市民公開講座で実際の使い方の講習を行っている大阪府藤井寺市のようなところも増えている。学校などの救急救命講習においてもAEDの操作方法の講習が行われる。
[編集] 除細動器の種類
二相式の除細動器のほうが1回で除細動される率が高いので、現在では二相式の販売が主流である。二相式は少ないエネルギーで除細動することができるとされている。