陸戦型ザクII
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陸戦型ザクII(りくせんがたザクツー、GROUND TYPE ZAKU II)は、ガンダムシリーズのうち、宇宙世紀を舞台とするアニメやゲームに登場する、架空の兵器。ジオン公国軍の量産型モビルスーツである。地上用とも呼ばれるほか、型式番号からJ型とも呼ばれる。(型式番号:MS-06J)
当初、アニメの劇中において地上専用型の設定は全く存在しなかったが、放映後に出版されたムック「ガンダム・センチュリー」で初めてJ型が設定され、これはバンダイのプラモデルの設定であるMSVにも引き継がれた。この段階では映像化されておらず非公式な存在であったが、後にOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でJ型(資料によってはJC型)として設定された機体が登場、次いで『MS IGLOO』では「J型」と台詞で語られ、晴れて公式設定となった。
陸戦型ザクII(J型) | |
型式番号 | MS-06J |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | ジオニック社 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 56.2t |
全備重量 | 74.5t |
ジェネレーター出力 | 976kW |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 120mmザク・マシンガン 280mmザク・バズーカ ヒート・ホーク クラッカー 三連装ミサイルポッド 175mmマゼラトップ砲 他 |
主な搭乗者 | ジオン公国軍一般兵士 |
目次 |
[編集] 機体解説
本来ザクは宇宙空間だけでなく、コロニー内部のような大気のある有重力の空間での使用も考えられていた。しかし地球侵攻以降、戦域によっては宇宙用の装備が必要無くなり、地上用に特化したタイプが開発されることとなった。中期生産型であるF型をベースに宇宙用の装備を取り除き軽量化、冷却機構の空冷化、地上での防塵対策など手を加えられ、稼働時間や機動性が改善されたが、もともとの気密性は維持されており、短時間なら水中や宇宙空間でも稼動する。(初めてF型とJ型の違いを表現したバンダイ1/100マスターグレード・ザクのプラモデルでは、各部の姿勢制御サブスラスターや足裏のノズルの有無、ランドセルとバーニアの構造等が異なっている。)本機は戦場が宇宙に移行した戦争末期にはコロニーや宇宙要塞の工場での量産の意味が無くなり、ズゴックがゼーゴックに改造されたのと同様、融合炉や武装、モノアイなどのコンポーネントがモビルポットオッゴに流用されることとなった。
[編集] 武装
基本的にF型などと同じであるが、クラッカー、三連装ミサイルポッド、マゼラトップ砲は劇中地球上でのみ使われている。
[編集] マイナーバージョン
「第08MS小隊」に登場した機体はバンダイのマスターグレード・ザクの設定が元になっており、このためTVシリーズのザクとは各部形状が異なる。さらに、キットとはコックピット周りが異なり乗り込み方が変っており、またシールドにもスパイクが付き、後のプラモデルやトイでは「JC型」と命名されている。
[編集] 劇中での活躍
最初のTVシリーズや劇場版「機動戦士ガンダム」の当時、地球上で戦うザクに陸戦用の設定は無かったが、その存在が後付で公式設定となったため、現在ではこれらもJ型であると解釈できる。「第08MS小隊」ではGM相手におおむね互角に戦っているが、「MS IGLOO」では連邦軍に捕獲使用されていたり、また宇宙への撤退時に自衛のため宇宙空間に出てきて「溺れて」しまい、ボールに一方的に屠られるという悲惨な描写もある。
[編集] 備考
[編集] バリエーション
- MS-06J 陸戦用ザクII
- MS-06J 湿地帯用ザクII
- MS-06J 寒冷地用ザクII
- MS-06JC 陸戦用ザクII(JC型)
- MS-06G 陸戦型ザクII改修型
- MS-06D ザク・デザートタイプ
- MS-06D ディザート・ザク
- MS-06DRC ディザート・ザク・ロンメル・カスタム
- MS-06K(MS-06J-12) ザク・キャノン
- MS-06K ザク・キャノン(ラビットタイプ)
- MS-06L ミサイル装備型ザクII
※これ以外のバリエーションについては、ザクIIのバリエーションを参照。
[編集] ザク・デザートタイプ
ザク・デザートタイプ (ZAKU DEZART TYPE) は、ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を世界観としたシリーズに登場する架空の兵器。(型式番号:MS-06D)
- 初出はムック「劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック」に掲載されたイラストで、これを元にプラモデル企画「MSV」において詳しく設定された機体であり、アニメでの出番は無いが、ゲーム「ギレンの野望」シリーズ等には登場している。
[編集] 機体解説
一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍はザクIIをベースに改良を加える事で、いくつかの局地対応機種を開発していった。本機はその中でも砂漠戦用に特化された機体である。
[編集] ディザート・ザク
ディザート・ザク | |
型式番号 | MS-06D |
所属 | 旧ジオン公国軍残党・ロンメル部隊 アフリカ解放戦線・青の部隊 |
建造 | 旧ジオン公国軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 44.7t |
全備重量 | 69.5t |
ジェネレーター出力 | 1,440kw |
スラスター総推力 | 18,400kg |
センサー有効半径 | 8,800m |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | ロケットランチャー 改造ザクマシンガン クラッカーポッド 両刃型ヒートホーク |
主な搭乗者 | ロンメル部隊兵士 青の部隊兵士 |
ディザート・ザク(DESERT-ZAKU)は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する、旧ジオン軍の量産型モビルスーツである。(型式番号:MS-06D)FZ型のようにある程度のホバリング走行ができる。
- 既成のプラモデルの金型を一部流用して新たなバリエーションを作るという、商品化前提で作られた機体の一つ。
[編集] 機体解説
ジオン公国時代にザクIIのバリエーションのひとつとして開発されたザク・デザートタイプをベースに、地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体である。旧ジオン軍残党・ロンメル部隊やアフリカ解放戦線・青の部隊の主力である。
[編集] 関連項目
- ガンダムシリーズの登場機動兵器一覧
- ザク
- ザクI
- ザクII
- ザクIIのバリエーション
- ザク・マリンタイプ
- ザクII強行偵察型
- 高機動型ザクII
- 作業用ザクII
- サイコミュ試験型ザクII
- グフ