鈴本演芸場
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鈴本演芸場(すずもとえんげいじょう)は、東京都台東区上野にある寄席。都内にある代表的な寄席で、落語を中心に、漫才、手品などの色物芸が多数執り行われている。
テレビなどがないかつては「娯楽の殿堂」と見なされており、有名な落語家の真打襲名披露なども数多く行われている。上野の目抜き通りのど真ん中という立地条件のよさもあいまって高い集客力を保持しており、鈴本演芸場の高座に上がる落語家(真打)は、多くの噺家の中でも一流であると見なされている場合が多い。
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[編集] 歴史
鈴本演芸場は、1857年に上野広小路に講釈(講談)を行う場として「軍談席本牧亭」として開かれた。その後、明治時代に苗字が許されて、創業者が鈴木姓を名乗ったことから、鈴木と本牧を合成させて、「鈴本演芸場」と改名される。1971年には、現在の近代的なビル建築の寄席となり、老若男女を問わず、多くの人に親しまれている。またかつては都内各所に鈴本系列の寄席が存在していたが現在は上野のみとなっている。
[編集] 番組
毎月10日ごとに出演者・演目が入れ替えられている。
- 上席(かみせき)1日~10日
- 中席(なかせき)11日~20日
- 下席(しもせき)21日~30日
と呼ばれている。但し、期間内に出演者が1日~数日だけ変更されることもある。 通常は、事前に寄席の入り口などで告知される。
また、昼の部と夜の部では出演者が異なる。なお、これは東京の寄席では通常の事である。
(関西の演芸場は夜の部が無く、昼間二回公演。出演者は原則同一。)
- 昼の部 12:20~16:30
- 夜の部 17:20~20:40
昼夜入れ替え制をとっており、原則通しで見る事はできない。
落語席であるため落語が演目の基本であり合間に手品漫才などの色物が挟まる、各芸人の持ち時間は約15分が基本であるがトリの芸人は20分-30分程度の持ち時間が割り当てられる。 各人の持ち時間は流動的であり中には時間の都合で舞台を通り抜けるだけなどという場合もまれにある。
[編集] 特色
一階入り口にある切符売り場の上が太鼓櫓になっており終演後に太鼓を叩く前座の姿を生でみることができる、寄席の雰囲気を味わうには見逃せないポイントである。 客席はすべて椅子席であり座席には飲み物などを置く組み立て式のテーブルが付属している。
[編集] 主な出演者
落語協会所属の落語家ならびに色物芸人が10日替わりで出演。原則、落語協会以外の芸人は出演しないが、2006年4月中席には上方落語協会の会長である桂三枝が夜の部のトリとして出演した。
落語芸術協会も以前は出演していたが、番組編成を巡って確執が生じ、落語芸術協会は鈴本演芸場を1984年9月に撤退。以降、落語協会のみの定席公演を基本として現在に至る。この確執をめぐっては桂歌丸著(山本進編)『極上歌丸ばなし』(うなぎ書房、2006年)を参照のこと。
[編集] 料金
- 一般 2800円
- 学生 2400円(中学生以上)
- シニア 2400円(65歳以上)
- 小人 1500円(3歳以上)
- 全席自由席(特別興行除く)
(いずれも、2005年6月現在)