藤田美術館
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藤田美術館(ふじたびじゅつかん) は、大阪市都島区網島町にある、東洋古美術を中心とした私立美術館である。
実業家で男爵であった藤田伝三郎(1841-1912)、その長男の藤田平太郎(1869-1940)、伝三郎の二男の藤田徳次郎(1880-1935)のコレクションを展示している。1951年(昭和26年)財団法人藤田美術館として法人化、美術館の開館は1954年(昭和29年)であった。
藤田伝三郎は、西南戦争で巨利を得、「藤田組」を設立した、明治時代の関西財界の重鎮であった。骨董収集の面でも関西第一と言われ、その豪快な買いっぷりは伝説化している。 伝三郎の没後、昭和初期に藤田家蔵品の売り立てが3回行われ、この時売却された蔵品には、現在各地の美術館に納まっている名品が目白押しであった。それでもなお、現在の藤田美術館には国宝9件、国重要文化財50件を含む名品が5000点所蔵されており、藤田家コレクション全体の規模の大きさが想像される。
藤田美術館の所在地は、多くの蔵が並んでいた藤田家本邸の跡地である。邸宅は第二次大戦の空襲で焼失し、現在は蔵を改装した建物が展示館として使用されているが、収蔵品の質・量に比してやや手狭であることは否めない。
目次 |
[編集] 指定文化財
[編集] 国宝
- 紙本著色紫式部日記絵詞
- 絹本著色両部大経感徳図 -現在の奈良県天理市にあった廃寺・内山永久寺にあったもので、記録から保延2年(1136年)の作とわかる。数少ない平安絵画の基準作として貴重である。
- 紙本著色玄奘三蔵絵(法相宗秘事絵詞)12巻
- 紙本墨画柴門新月図 -水墨画とそれを題材にした詩文が同じ紙面に表された、いわゆる「詩画軸」の最古の作品として著名。
- 曜変天目茶碗
- 仏功徳蒔絵経箱
- 花蝶蒔絵挟軾(かちょうまきえ きょうしょく)
- 大般若経(薬師寺経)387巻
[編集] 重要文化財
(仏画・垂迹画)
- 絹本著色華厳五十五所絵 2面
- 絹本著色十六羅漢図 詫磨栄賀筆 16幀
- 絹本著色春日明神影向図 高階隆兼筆
- 絹本著色普賢十羅刹女像
- 絹本著色薬師三尊十二神将像
- 絹本著色羅漢図 10幅
(大和絵・絵巻)
- 紙本淡彩駿牛図断簡
- 紙本著色阿字義 1巻
- 紙本著色華厳五十五所絵巻残闕(十廻向十段)
- 紙本著色浄土五祖絵(道綽巻、善導巻)2巻
- 紙本著色大伴家持像(上畳本三十六歌仙切)
- 著色絵料紙墨書法華経 巻第六残闕(扇面法華経冊子)
(水墨画)
- 紙本墨書題雪舟山水図詩 了庵桂悟筆 附絹本著色雪舟自画像(模本)1幅
(陶磁)
(金工)
- 金銅装獅子宝相華文説相箱
- 金銅柄香炉
- 金銅密教法具 一括
(染織)
- 刺繍釈迦阿弥陀二尊像掛幅
- 錦幡 赤地蓮花蝶文 3旒(りゅう)
- 金銅荘唐組垂飾
(その他工芸品)
- 唐鞍
- 綾張竹華籠(けこ) 12枚
- 山水蒔絵手箱 銘鹿苑寺
- 小太刀 銘国行
(仏典)
- 紫紙金字華厳経 巻第六十二
- 十住経巻第三(中聖武)
- 法華経勧発品(装飾経)
- 法華経巻第六 万里小路宣房筆
- 金光明最勝王経註釈 巻第二残巻(飯室切)
(古筆類)
- 熊野懐紙 久我通親筆(山路眺望・暮里神楽)
- 継色紙(つくはねの)
- 古今和歌集巻第十八断簡(高野切)(むねをかの)
- 古今和歌集断簡(筋切8八葉 通切2葉 )
- 治承二年賀茂社歌合
- 十五番歌合断簡(素性)
- 朝忠集(八枚)
- 藤原藤房自筆書状(七月廿五日)
(墨蹟)
- 大燈国師墨蹟 七言偈
- 月江正印墨蹟 送別偈
- 物初大観墨蹟 山隠語(絹本) 咸淳戊辰春
- 別山祖智墨蹟 法語 宝祐丁巳(五)
- 溪西広沢墨蹟 与白雲慧暁偈語 咸淳己巳(五)上元後二日
(考古資料)
- 歯車形碧玉製品 大阪府南河内郡国分町(現・柏原市)出土
年
- 埴製枕 奈良県天理市中山町燈籠塚古墳出土
[編集] アクセス
[編集] 鉄道
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[編集] 道路
[編集] 周辺情報
[編集] 外部リンク
- 藤田美術館(岡山市公式サイト内)
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