薄暮競走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
薄暮競走（はくぼきようそう）とは、最終競走を夕方の時間帯に合わせるよう開始時刻を設定した、公営競技の開催形式のことである。薄暮レースとも呼ばれる。
以下の理由により、薄暮競走は夏期に開催されることが多い。
- 日中は日差しがきつく暑くなるが、夕方は気候が涼しくなるため
- 日没が遅く、夕方でも昼間同様十分に明るいため
[編集] 発祥について
公営競技は元々、法令により日没以降の開催が出来ない制約があったが、夏場の日没時刻が遅くなることに注目し、開催時間を日没直前までスライドさせて時間をできるだけ有効に使うアイデアが生み出された。
そして日本における最初の薄暮開催は1983年7月に下関競艇場で行われ、当時は11時台に行われる第1競走を14時過ぎに、最終競走も16時台から18時30分過ぎにスライドして開催し、当時の4日間の売り上げ・入場者の累計が目標額を上回るそれぞれ9億9500万円・2万7600人を記録し成功したという。
この薄暮競走の成功が、後にナイター競走開催の契機となった。現在はナイター競走のために法令は改正されたが、照明設備のない所では現在でも開催は日没までという行政指導が行われている。なお最近は、薄暮競走と似た時間帯でナイター競走を行う所もあるが、この場合も広義の薄暮競走として扱われている。
[編集] 薄暮競走を開催した公営競技場
太字は2006年度の開催で実施
- 中央競馬（中央競馬の当該項記載の通り）
- 地方競馬（イベント的に不定期実施した所も含む）
- 岩見沢競馬場（2004年7月実施、最終競走は18:40発走）
- 浦和競馬場（2005年から実施）
- 大井競馬場（年末開催のプチ・トゥインクルとして、夕方5時台まで競走を行う）
- 船橋競馬場（2006年度から実施）
- 川崎競馬場（2004年度に初めて「クリスマス・プチナイター」と銘打って5時台まで競走を行った）
- 名古屋競馬場（1985年以来20年振りに「トワイライト名古屋けいば」と銘打ち2005年6月から8月まで5開催（25日間）実施、18時台まで競走を行った。2006年は7月10日から14日まで1開催5日間行われた）
- 笠松競馬場（2005年実施）
- 金沢競馬場（2003年8月実施）
- 競輪
2場とも現在はナイター競走に移行し、薄暮競走は行っていない。
- 競艇
- オートレース
