自在天王
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自在天王(じざいてんのう)は、将棋の駒の一つ。本将棋にはなく、摩訶大大将棋・泰将棋に存在する。
泰将棋では王将の代わりであり、これと太子が全滅したら負けである。摩訶大大将棋では玉将の成駒としてのみ存在。泰将棋では不成。
元の駒 | 動き | 成駒 | 動き | |||||||||||||||||||||||||||
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自在天王 (じざいてんのう) |
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極めて特殊な動きであり、次のいずれかのマスへならば盤上のどこでも行ってよい。
駒をいくらでも飛び越えても構わない。
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このとおり極めて強力な性能を持つ駒である。
泰将棋ではこの駒が玉将の代わりに居る。玉将が自在天王では一見詰ませるのは不可能のようにも思えるが、泰将棋では自在天王は双方にいるため、行動は意外に限られる。
摩訶大大将棋では作るのは容易ではないだろが、出来た瞬間にほぼ勝負は決するだろう。
自在天王の発明は、持ち駒ルールの発明以来の、将棋ゲーム史上最も大きな発明である。
すなわち、将棋盤の段をX軸、筋をY軸としたとき、それまでは走り駒の走りとして、XまたはYが一定、他方が任意の飛車型の駒と、符号は無視する事にして|X|=|Y|である角行型の駒しか事実上無かったが、X、Yいずれも任意に移動する新しいタイプの走り駒が、このとき初めて発明されたと見る事ができるからである。
無論玉将をただちに取れるようなルールにしては、それでゲームが終わってしまうためゲームにならない。上記のような自在天王駒はそうして作られたと見られる。