結城紬
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結城紬(ゆうきつむぎ)とは、茨城県・栃木県を主な生産の場とする絹織物。単に結城ともいう。茨城県結城市が集散地であるため結城の名前がある。生産割合は栃木県6に対し茨城県4である。(小山ものを「結城」と呼ぶのには抵抗がある市民もいるが、もともとこの地方は小山氏とその傍系である結城氏が支配した歴史を持つ地域であり、産地の者は違和感は感じないという。なお、栃木県側では小山市から下野市付近までが生産範囲である。)
木藍によって染色した紬糸を使用し、堅くて丈夫な織物となる。1956年に重要無形文化財へ指定され、1977年には経済産業指定伝統工芸品として承認された。
もともとこの地方では養蚕が盛んであって、農閑期に副業として紬が作られたのが創始とされている。鎌倉時代、この地域を支配した結城氏の姓をとって「結城紬」と呼ぶようになり、結城の名はそのまま地名にもなった。
江戸時代にこの地方の代官となった伊奈忠次が、京都・信州における織物技術を取り入れるなどして改良を行い、知名度を高めた。
昨今では技術革新もあり、絹紡糸、絹糸と交ぜて織る半工業製品が出る一方で、細かい縞・絣を特色とした最高級品が生産されるようにもなってきている。