石臼登代

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石臼 登代（いしうす とよ）は、テレビアニメ『クレヨンしんちゃん』に登場する架空の人物で、職業は脚本家。1994年1月31日放送分の2話「おらはエンピツしんちゃんだゾ」・「テレビの口マネだゾ」を手掛けた脚本家としてクレジットされているが、原作者の臼井儀人（うすい よしと）が脚本を書くにあたって付けたペンネームとする説がある。

[編集] 石臼登代作の「クレしん」が放送された背景について

1992年4月13日から放送開始された当該作品は紆余曲折の末、「国民的人気アニメ」との称号を得て現在に至っているが、放送開始から主人公野原しんのすけがいたずらしたり、下品な言葉づかいをしたり、陰茎を露出（番組内でしんのすけは「ぞうさんだぞぉ～」とおどけていた）したりとお世辞にも善良なアニメとはいえず、そのためのっけから日本PTA全国協議会から「超ワースト番組」（現在は「子供に見せたくない番組」）との烙印を押されていた。それに加え、放送開始からしばらくは裏番組に『関口宏の東京フレンドパークII』（TBS系列）という人気番組が控えていた影響から視聴率が低迷していた。

昔からテレビアニメの業界には正式な業界団体がなく、故に圧力団体によって打ち切りを余儀なくされるケースがある。視聴率が悪いという状況下でPTAからの圧力を受けていたとあっては…普通なら打ち切りとなるところである。しかし、原作者の臼井儀人やアニメの製作スタッフは作品自体が野原家を中心とした家族愛をテーマとしたものである事に自信を持っており、PTAの批判なんぞ論外だと確信していた。両者はPTAへの批判への返答という形で原作者が脚本を書いた「クレしん」を2話作るにいたったが、原作者名をそのまま脚本家のクレジットネームするわけにはいかなかったため、アナグラム形式に「石臼登代」とクレジットしたわけである。

[編集] 石臼登代作の「クレしん」のあらすじ

石臼登代は売れないシナリオライターである。ある日、石臼の仕事場にしんのすけがやってきていたずらして帰ってしまう。それを見た石臼はしんのすけをヒントに新しいアニメの脚本を手掛ける。その作品とは「エンピツしんちゃん」。放送開始されるやいなや爆発的人気を博し子供の間で話題となり、その結果石臼は人気ライターの仲間入りを果たす。

しかし、「エンピツ～」は下品極まりなくまさに「超ワースト番組」だ。親たちはあの手この手で子供に「エンピツ～」を見せないようにし、野原家でも放送時間が始まるとファミレスに行って見せないようにするのであった…。

[編集] 石臼登代作…でわかる臼井儀人のメッセージ

石臼が仕上げた「エンピツ～」は臼井が仕上げた「クレしん」そのものであるといえる。実際臼井は「クレしん」を発表するまでは売れない4コマ漫画家で、「クレしん」を発表することによって人気漫画家の仲間入りを果たしている。臼井が言いたかった事は「クレしん」を打ち切りに追いやることは教育に名を借りた言論弾圧である。PTAはそういう権利を無意識に求める傾向がある。たとえ下品であっても言論を保障することを考えろというメッセージなのである。

また、臼井が言いたかった事はしんのすけの父ひろしと母みさえの会話にも込められている。

ひろし「ちょっと神経質すぎるんじゃない?」

みさえ「だめよ! あんなものをみせたらどんな大人になってしまうか…」

ひろし「だってオレたち大人になって「シェー!!!!」とか「あっと驚く為五郎（ためごーローーッ）」って言ってるか?」

みさえ「そりゃそーだけど…」

つまり、いくら子供に悪いといっても大人になったら忘れてしまう。従っていちいち目くじらを立てる必要はない。だから寛容になれというメッセージをも送っていたのである。もちろん石臼の作品のおかげで打ち切りは回避されている。