アナグラム
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アナグラムとは言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって全く別の意味にさせる遊びである。
文字列を逆順にして意味があるかどうかを調べればよい回文とは異なり、単純に考えてN文字ならNの階乗通り(例えば5文字なら120通り)の並べ替えが可能なので、意味のあるアナグラムを一瞬で見つけるのは困難である。しかし逆にそれだけの可能性があるため、大抵の言葉は(強引な意味づけをすることで)アナグラムになりうる。
例えば「アナグラム」から「グアムなら」などのアナグラムを作ることができる。
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[編集] 例
[編集] 欧米(アルファベット)の例
- Tom Marvolo Riddle = I am Lord Voldemort
- one plus twelve = two plus eleven
- wing birth = bright win
- Lost nature = Ultra stone
[編集] 日本語の例
- アナグラム→グアム・奈良
- ウィキペディアン→北京で言い合う
[編集] いろは歌
いろは歌は仮名47文字を並び替えて意味のある文にしたものであり、五十音をアナグラムした物ともいえる。
[編集] ペンネームや芸名に用いた例
本名のアナグラムをペンネームに用いる作家や芸名に用いる芸能人などがいる。
- 伊島恭=Ijima Kyo - 雅孝司=Miya Kojiのアナグラム
- アルコフリバス・ナジエ(Alcofribas Nasier)- 16世紀フランスの文人フランソワ・ラブレー(François Rabelais)が用いたペンネーム。
- 泡坂妻夫(本名の厚川昌男のアナグラム)
- 船田学(ふなだがく)・加田伶太郎(かだれたろう) 共に福永武彦のペンネーム。前者は「福永だ」後者は「誰(たれ)だろうか」のアナグラム。
- マルグリット・ユルスナール(Marguerite Yourcenar)-ユルスナールは、本名クレイヤンクール(Crayencour)のアナグラム。
[編集] パズル作家
パズル作家の中にはアナグラムでペンネームを作る人がいる。
- Sarah O. Haigy-芦ヶ原伸之が海外で使用しているペンネームのひとつ。「Yoshigahara」のアナグラムである。
- N. Claus de Siam-ハノイの塔の話を発表した人。リュカ(Lucas d'Amiens)のアナグラムである。
その他、パズル誌などの投稿者にもこの方法でペンネームを作る人がいる。
[編集] その他
- ノストラダムスの大予言(『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』) - アナグラムに類似する技法によって「解読」したとする研究者が少なくない。ただし『予言集』にアナグラムの技法が用いられている部分があることは疑いない。
[編集] 日本語のアナグラムを作るコツ
アナグラムに決まった作り方はないが、以下のような点に気をつけると作りやすいことがある。
- 使いづらい字の処理を最初に考える。
- 上の例にある「ウィキペディアン」では、「ぺ」がこれにあたる。
- よく使われる組み合わせを考慮する。
- 「ウ」はウ段・オ段の次に置く。
- ヤ行の音はイ段の音と組み合わせる。
- 半濁音は「ン」「ッ」の次に置く。
- 多く使われている文字を優先的に使用する。