田部重治
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田部重治(たなべ じゅうじ、1884年(明治17年)8月4日 - 1972年(昭和47年)9月22日)は、日本の英文学者・登山家である。
富山県生まれ、東京帝国大学英文科卒。海軍経理学校、東洋大学、法政大学などで講義をする。研究対象は19世紀の英文学で、批評家ウォルター・ペイター、詩人ワーズワースなどを研究した。
田部重治は山旅として日本アルプス、秩父山地を歩き、1919年(大正8年)『日本アルプスと秩父巡礼』を刊行、1930年(昭和4年)、それは『山と渓谷』として出版される。田部重治は日本アルプスを偉大な山として、秩父山地を緑の渓谷美としてその魅力を表現した。
また田部重治は、「只今のところ日本アルプスという名称によって総括されている山脈を概括的にあらわすべき適当な名称が無く、かつ今俄かに適当なる名称を創造することも出来ない為め」日本アルプスという名称を使う、として、アルプスという表現・イメージ・概念を日本の山にそのままあてはめるのに抵抗を示している。
[編集] 関連項目
[編集] 著作
- 『ペイターの作品と思想』
- 『中世ヨーロッパ文学』
- 『我が散文詩』
- 『山と渓谷』 田部重治著 岩波文庫
- 『わが山旅五十年』 田部重治著 平凡社