甘木鉄道甘木線
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甘木線(あまぎせん)は、佐賀県三養基郡基山町の基山駅から福岡県朝倉市の甘木駅に至る甘木鉄道の鉄道路線である。
旧国鉄特定地方交通線を承継した路線である。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):13.7km
- 軌間:1067mm
- 駅数:11駅(起終点駅含む。他に信号場1)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
[編集] 運行形態
全ての列車が基山~甘木間折り返しのワンマン運転である。平日の朝・夕時間帯は15分間隔、土曜・休日と平日の昼間時間帯は30分間隔で運転されている。
現在、大板井~松崎間は、2006年7月4日の大雨による宝満川橋梁の一部が傾斜したため不通となっていたが2006年12月20日から運行再開する予定。この区間はバス代行輸送を行っていた。全所属車両8両中3両が基山~大板井間に取り残されていた。
[編集] 歴史
甘木線開業以前、中央軌道を前身とする朝倉軌道が運営する依井~上田代間の軽便鉄道路線があり、陸軍の太刀洗飛行場への輸送を行っていたが、日中戦争が始まり輸送力の増強が必要となったため太刀洗引込線として計画されたのが始まりである。
甘木線開業に伴い、競合する朝倉軌道は補償を受けて1937年飛行隊前~田代駅前間、1940年依井~飛行場前間を廃止した。
戦後は飛行場跡にできたキリンビールの工場からの輸送を行っていたが、トラック輸送への移行により1984年に貨物営業を廃止した。
- 1939年4月28日 【開業】甘木線 基山~甘木 【駅新設】筑後小郡、筑後松崎、西太刀洗、太刀洗、甘木
- 1960年11月1日 【駅新設】筑前高田
- 1981年9月18日 第1次特定地方交通線として廃止承認。
- 1984年2月1日 【貨物営業廃止】太刀洗~甘木
- 1984年9月19日 【貨物営業廃止】基山~太刀洗
- 1986年4月1日 【転換】甘木鉄道 【駅名改称】筑後小郡→小郡(400m西へ移転)、筑後松崎→松崎、筑前高田→高田
- 1987年11月1日 【駅新設】立野、大板井、山隈
- 2002年12月1日 【駅新設】今隈
- 2003年4月1日 【信号場新設】大原
[編集] 駅一覧・接続路線
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
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基山駅 | 0.0 | 九州旅客鉄道:鹿児島本線 | 佐賀県 | 三養基郡 基山町 |
*立野駅 | 1.3 | |||
*大原信号場 | 2.5 | 福岡県 | 小郡市 | |
小郡駅(筑後小郡駅) | 3.8 | 西日本鉄道:天神大牟田線(西鉄小郡駅) | ||
*大板井駅 | 4.5 | |||
松崎駅(筑後松崎駅) | 6.4 | |||
*今隈駅 | 7.7 | |||
西太刀洗駅 | 8.4 | 三井郡 大刀洗町 |
||
*山隈駅 | 9.6 | 朝倉郡 筑前町 |
||
太刀洗駅 | 10.4 | |||
高田駅(筑前高田駅) | 11.8 | |||
甘木駅 | 13.7 | 西日本鉄道:甘木線 | 朝倉市 |
()内は、転換前の旧駅名。*印は転換時(後)に設置された新駅。
[編集] その他
- 地名は大刀洗、駅名や飛行場の名前は太刀洗である。
- 同名駅であった山口県の小郡駅は2003年10月1日に新山口駅に改称された。