特急バス仙台~山形線
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仙台~山形線(せんだいやまがたせん)は、宮城交通・山交バスが宮城県仙台市と山形県山形市を結ぶ高速バス(特急バス)のことである。山形自動車道の開通前から特急バスとして走っていたという歴史的経緯や他の高速バスよりも停留所が多いこと、仙台発便が山形市内で乗降可能であるということから厳密には高速バスではなく特急バスの扱いである。平成16年度の利用者数は約113万人(前年度比137.3%)。
2004年2月に同路線に並行して富士交通が参入(共同運行ではない)するのにあわせ、2004年1月から大幅増便され、運賃値下げ競争も始まった。結果的に富士交通が同路線から撤退したが、仙台~山形間において、JR仙山線よりも安価で早い移動手段として定着し、仙台と山形の両都市圏の一体化の象徴となった。現在は、通勤・通学路線、ショッピング・観光路線として仙山線を凌駕している。なお、山交バスの車両には、上下9往復分(朝・昼・夜3往復ずつ)にレディースシート指定席がある。夜3便は、仙台→山形の最終便に近い便に導入されていることから、男性酔客対策と考えられる(広瀬通一番町バス停は、東北地方最大の歓楽街・国分町に隣接している)。
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[編集] 運行経路
県庁市役所 - 仙台駅前 - 広瀬通一番町 - (仙台西道路) - (仙台宮城IC) - (東北自動車道) - (村田JCT) - (山形自動車道) - (山形蔵王IC) - 山形県庁前 - 南高校前 - 山形センタービル前(山形発のみ) - 山交ビルバスターミナル
[編集] 歴史
- 1952年9月10日 - 山形交通が国道48号、天童市、関山峠経由で仙台~山形線を運行開始(当初は仙台市営バスと共同運行の予定、仙台市側に認可下りず山交単独運行となる)。
- 1981年12月8日 - 国道286号、川崎町内、笹谷トンネルを経由する特急バスを4往復設定。所要時間1時間30分。運賃は片道960円。
- 1983年4月1日 - 9往復に増発。運賃を片道1000円に改定。
- 1985年4月1日 - 14往復に増発。運賃を片道1100円に改定。
- 1987年4月1日 - 10往復に減便。運賃を片道1150円に改定。
- 1989年4月1日 - 運賃を片道1180円に改定。
- 1989年12月22日 - 東北自動車道仙台宮城IC~山形自動車道宮城川崎IC間の高速道路利用開始。所要時間を1時間15分に短縮。
- 199x年 - 山形自動車道の開通に伴い仙台駅前~川崎町内の停留所を廃止。代わりに北仙台~川崎間に快速バスを設定。
- 1990年10月1日 - 山形自動車道の延伸により笹谷ICまで高速道路利用となる。運賃を片道1000円に改定。
- 1991年8月1日 - 山形自動車道の延伸により、笹谷トンネルが山形道に編入され、山形蔵王ICまで高速道路利用となる。所要時間を1時間に短縮。
- 199x年 - 車両を観光バス仕様に変更。
- 1992年3月10日 - 12往復に増発。
- 1993年3月10日 - 18往復に増発。
- 1993年12月1日 - 26往復に増発。
- 2004年1月末 - 60往復に増発。
- 2004年2月 - 富士交通が参入(15往復)。富士交通の参入により、値下げ・増便競争がはじまる。
- 2004年8月 - 増発、750円に値下げ。宮城交通・山交バス、乗降に関する形式変更(以下の通りになる)。
仙台市内 | 山形市内 | ||
---|---|---|---|
仙台発 | 乗車のみ | → | 乗降可能 |
山形発 | 降車のみ | ← | 乗車のみ |
- 2004年11月10日 - 富士交通の高速バスが廃止(撤退)。
- 2005年1月27日 - 平日68往復、土日祝日61往復にそれぞれ増発。
- 2005年3月28日 - 北仙台~川崎間の快速バスを廃止。仙台市と川崎町を結ぶバスは仙台駅~川崎~野上かみに統一、大幅減便。
- 2005年10月1日 - 平日70往復、土日祝日64往復にそれぞれ増発。全日の山形発初便、土日休日の山形発2便が宮城交通担当便となる。これは、山形営業所が、宮交観光サービスから再び宮城交通直轄となったため。
- 2007年1月30日 - 運賃を800円から900円に改定(予定)。
[編集] 運行頻度
- 毎時3~4本程度。平日70往復、土日祝日64往復。
- 上山~山形県庁前~仙台線が6往復あるため、実質的に平日76往復、土日祝日70往復となるが、上山~仙台線は、山形市内では山形県庁前にしか停まらない。
- 山形からの利用者に配慮し、平日朝の山形発、土日祝日は夕方の仙台発の便が多い。
- 以前は富士交通も含めて、最大77往復存在した。
[編集] 補足:クローズドドア制度と運行便数
運行開始当初は、川崎町内のバス停には宮城交通便のみが客扱いを行い、山形交通便は通過していた。つまり、山交側はクローズドドア制度を採用していた。これは高速道路経由に変更されるまで続いていた。また、9往復に増便される際、宮交は5往復山交は4往復を担当していた。しかし、14往復に増便される際に両会社とも同数の7往復の担当になっている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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