熊田五郎
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熊田 五郎(くまだ ごろう、1911年 - )は、日本のグラフィックデザイナー、絵本画家、挿絵画家、童画家。絵本画家としては、熊田 千佳慕(くまだ ちかぼ)というペンネームを用いている。
横浜に生まれる。
1929年に東京美術学校に入学。1934年に、山名文夫に出会い、師事する。同年、そのつてで、名取洋之助の日本工房(第2次)に入社。
雑誌NIPPONのグラフィックデザイン、レイアウト等を、山名とともに担当する。山名の日本工房退社(資生堂復帰。1936年)後も、引き続き、河野鷹思、亀倉雄策らとともにNIPPON制作に携わった。NIPPONの第11号(1937年)の表紙も手がけている。
1939年には、日本工房を退社、1943年には、日本写真工藝社に入社している。
第二次世界大戦後、1940年代にグラフィックデザインの仕事をわずかに行うも、その後は、挿絵や絵本のための画家に転身して、活躍する。花や昆虫といった、自然界を対象とした作品が多い。「ファーブル昆虫記」などが代表作。
なお、1935年に日本工房に入社した土門拳と知り合い、以降親しい友人関係を続けることとなる。NIPPONにおける土門の作品について、熊田はしばしばレイアウトを担当している。ちなみに、1936年・1937年に土門拳の写真により制作された早稲田大学の卒業アルバムのレイアウトを行ったのも熊田である。(朝日新聞2006年3月28日および朝日新聞(夕刊)2006年5月29日参照)
[編集] 主要展覧会
- 花と虫を愛して 熊田千佳慕の世界展(横浜高島屋他。朝日新聞。1998年)
- 熊田千佳慕 (くまだちかぼ) の世界 : はな・むし・とり・ゆめ(福島県立美術館。2002年)
いずれも、グラフィックデザインではなく、童画に関する展覧会である。
- 熊田千佳慕展(目黒区美術館。2006年)(6月後半から開催の予定。目黒区美術館による紹介)
[編集] 主要文献
- 上記のうち開催済の2展覧会の展覧会カタログ
- ファーブル昆虫記の虫たち(全4巻。熊田千佳慕。小学館。1998年)
- 花を愛して-熊田千佳慕の世界(熊田千佳慕。小学館。2001年)
- 名取洋之助と日本工房 (1931‐45) (白山眞理・堀宜雄編。岩波書店。2006年)
- 千佳慕の横浜ハイカラ少年記(熊田千佳慕。フレーベル館。2006年)
[編集] 外部リンク
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