滑車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
滑車(かっしゃ)は、中央に1本の軸をもつ円盤の周囲にロープ、あるいは鎖をかけて使う部品。力の方向を変える機械。ブロック(block)、タックル(tackle)、シーブ(sheave)ともいう。
定滑車(ていかっしゃ)と動滑車(どうかっしゃ)の2種類があり、それらを様々に組み合わせることにより、小さな力で重いものを移動させることができる。原理的には無限にゆっくりと牽引する場合に以下の力の関係が成りたつので、激しい動きの場合は修正の要がある。
- 定滑車:力の向きを変える。
- 重さwの物体を定滑車1個を使って高さyに持ち上げるには、F=wの力でL=y牽引する必要がある(滑車およびロープの重さは無視する場合)。
- (より百科事典的な説明)定滑車は滑車自体は動かず、おもりのみが動く。滑車とロープの重さを無視すると、おもりの重さと同じ力でロープをひく必要がある。
- 動滑車:小さな力で重いものを移動させる。
- 重さwの物体を定滑車1個と動滑車1個を使って高さyに持ち上げるには、F=0.5wの力でL=2y牽引する必要がある(滑車およびロープの重さは無視する場合)。
- (より百科事典的な説明)動滑車は、ロープを動かすと連動して滑車自体が動く。滑車とロープの重さを考えない場合、おもりの重さの2分の1の力でおもりは動く。ただし、おもりが動く長さはロープを引いた長さの2分の1になるため、別に物理でいう仕事の増減はない。