消費者団体訴訟制度
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消費者団体訴訟制度(しょうひしゃだんたいそしょうせいど)とは、契約トラブル等により被害額は少額だが被害者が多数にのぼるサービスを提供している業者に対して、消費者団体が被害者に代わって訴訟を起こすことができる制度。
日本政府の新しい消費者行政の一環。同制度を盛り込んだ改正消費者契約法が2006年5月31日に成立。2007年6月7日からの施行が予定されている。
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[編集] 概要
契約トラブル等の悪徳商法は、被害額が少ないと泣き寝入りとなるケースが多く、結果として業者が得をする。また、放置しておけばさらに被害者が増えるが、2005年時点においては個人が業者の行為を差し止めることはできなかった。
このような状況を止めるために、消費者団体が業者に対し訴訟を起こし、契約や勧誘の差し止めを請求することができる(ただし、損害賠償の請求はできない)。また、他の団体による消費者団体訴訟によって確定判決が出ている場合、原則として差し止め請求を行うことができない。
[編集] 訴訟の範囲
訴訟の対象は、消費者契約法に違反するもの。何に対してでも差し止め請求を行えるようになるわけではない。
[編集] 消費者団体の認定
認定は、特定非営利活動法人(NPO)、公益法人が対象となる。いくつかの要件(継続的に活動を行うことができるか、理事は特定の業種関係者が多くならないようにしているか、暴力団と関わりがないか等)を満たせば、内閣総理大臣の認定を受けることができる。認定期間は3年。
[編集] 反応
基本的に、企業関係は「範囲を厳格に」。弁護士、消費者団体は「もっと対象範囲を広く」というスタンスとなっている。主な意見対象となっているのは、認定要件、認定期間、同一対象への請求の制限など。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
法改正にあたって多くの団体がパブリックコメントを表明していたが、代表して日本経済団体連合会、日本弁護士連合会のものを載せる。
- 消費者団体訴訟制度の検討について(内閣府)
- 「消費者契約法の一部を改正する法律案(仮称)の骨子について」に対するコメント(日本経済団体連合会)
- 「消費者団体訴訟制度」に関して公表された法案骨子に対する意見書(日本弁護士連合会)