氷河期世代
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氷河期世代(ひょうがきせだい)とはバブル経済崩壊後の就職難の時期に就職活動を行った世代(概ね1972年~1981年生まれ)のこと。他に「貧乏くじ世代」(香山リカ)というような呼び方もある。
いわゆる「団塊ジュニア」と重なっている世代である。この世代は「失われた10年」の間に学業を終え労働市場に出た為、正規雇用の就職をするチャンスが前後の世代に較べて極めて制限されており、結果としてフリーターやニートにならざるを得なかった者が少なくないとされる。
[編集] 経緯
企業業績の回復により就職氷河期が終焉を迎えると、新卒者の求人数が急増し、既卒者などから「世代間による雇用機会の不均衡」を指摘する声が強まった。この問題は国会でも議論されるようになり、以後、主に就職等で優遇された、または優遇されるであろう世代と区別する言葉として定着しつつある。
特に団塊ジュニアと重なる、氷河期世代の前半(1972年~1976年生まれ)の世代は、就職状況が改善した時にはほぼ30歳に達しており、十分なスキルを蓄積できなかった者は再就職にも困難が多い。この世代の若者の悲惨な就職戦線を見て育ったそれ以降の世代は、働きがいや社会貢献より待遇重視の傾向が強まり、著しく安定志向・保守化している[1]。大企業指向が強まっているため、中小企業は人材集めに苦慮しているところが多いが、氷河期世代に着目している企業はあまりない。農業分野や福祉産業といった、人手不足が深刻な業界では、氷河期世代のフリーターなどに就業を求めているところもある。