歳徳神
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歳徳神(としとくじん)とは方位神の一つで、その年の福徳を司る吉神である。年徳、歳神、正月さまなどとも言う。
ほとんどの暦では、最初の方のページに王妃のような姿の歳徳神を記載している。歳徳神の由来には諸説あり、『簠簋』では、牛頭天王の后で、八将神の母の頗梨采女(はりさいじょ)であるとしているが、これはでたらめであるとの批判もある。また、牛頭天王が須佐之男尊と習合したことから、その妃の櫛稲田姫であるとも言われる。
[編集] 恵方
歳徳神の在する方位を恵方(えほう)、または明の方(あきのかた)と言い、その方角に向かって事を行えば、万事に吉とされる。本命星と恵方が同一になった場合は特に大吉となる。しかし、金神などの凶神が一緒にいる場合は凶方位になる。
かつては、初詣は自宅から見て恵方の方角の寺社に参る習慣があった(恵方詣り)。関西では、立春の前日の節分の日に恵方を向いて太巻き(恵方巻)を丸かじりする習慣がある。
歳徳神の在する方位(すなわち恵方)は、その年の十干によって下記のように決まる。
ただし、恵方巻の習慣が全国的なものになってきた2000年ごろからは甲とすべき所を「東北東」、丙とすべき所を「南南東」と言い換える例が多くなっている。これは、甲・丙などといった方角になじみがなくなってきたためであるが、これでは厳密には方角が変わってしまう。