村田晃嗣
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村田 晃嗣(むらた こうじ、1964年7月13日 - )は、兵庫県神戸市出身の政治学者、同志社大学法学部教授。専攻はアメリカ外交、安全保障政策の研究。
若手親米保守派の代表的論客。同志社大学では麻田貞雄、神戸大学では五百旗頭真に師事した(博士論文の主査は木村修三)。学術活動の他、一般月刊誌、新聞紙上への主張の掲載に加え、『朝まで生テレビ』などTV等でも積極的に発言している。衆参両院の憲法調査会参考人も務めた。本人曰く携帯電話の待ちうけ画面は鶴田浩二とのこと。
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[編集] 主張
- イラク戦争をめぐる論争では、2005年元旦の『朝まで生テレビ!』で、イラクが大量破壊兵器を持っているかのように装ったことがアメリカの先制攻撃を引き起こした旨を主張。
- 「大量破壊兵器の備蓄が無かったのであって、大量破壊兵器の脅威が無かった訳ではないですよ。備蓄と脅威は全然違いますよ。(中略)持ってる振りをすれば脅威が生じるんです。(中略)保持しているか、或いは保持している振りをするだけで、心理的・政治的影響力を与える事は出来る訳ですね。」(同放送分より)
- アメリカの先制攻撃の正当性を否定する東京大学教授・姜尚中や小林よしのりとは意見が衝突し、司会の田原総一朗からは「それは詭弁だな。」と指摘された。この、実際には兵器を所有していなくても、そのように振舞うだけで脅威を与えているという、村田のイラク戦争支持の論旨は物議を醸した。またイラク戦争を湾岸戦争の延長と位置づけている一方で、ブッシュ政権が大量破壊兵器の「備蓄」をあまりに強調したこと、高官があまりに過激な言動をしたことで同盟国の反感を買ってしまったこと、イラクの戦後統治に関する計画があまりに杜撰であったことを誤りであったと分析している。
- 上記と同じく2005年元旦の同番組にて、アメリカの2006年度中間選挙の話題が出た。この際、森本敏、秋尾沙戸子、山本一太らは、揃って共和党の大勝を予想し、ブッシュ大統領の支持基盤の揺ぎなさを説いた。この話題を持ち出した張本人である姜尚中のみ、それら意見に疑問を呈した。以上の論争を踏まえた上で、村田はアメリカ外交の専門家として最後に見解表明。「全く山本さんや秋尾さんが仰る通りで、(中略)少なくとも立法府では、民主党は長期に渡ってですね、勝てないような構図になっちゃってる訳ですよ。その事は、もうね、専門家なら周知の事実ですね。(中略)中間選挙でね、ブッシュが苦しくなる云々と言うのは考えられない。」2006年11月の中間選挙の結果を経て、村田らの確信めいた予測の完全な誤りが証明された。
- 同じ改憲論の立場でも京都大学教授・中西輝政らの押し付け憲法的解釈とは異なり、そのような考え方は曲がりなりにも憲法の精神を受け入れた近代史を矮小化するものだという見解を持ち、中西とは論争が存在した。今でも中西輝政との関係は険悪のようで、中西が論壇誌でよく展開している歴史学説を「きちんとした検証を経ておらず、誤りも多く、論点が相当ズレており、真実だと明らかになったとしても、なんら実のないもの」と批判している。一方で、同じ京都大学教授・中西でも中西寛とは同じスタンス、主張を共有している。
- 安全保障問題における核武装については「日本の国力の限界を見定めていない」として反対の立場をとっている。論議においても「民間ならまだしも、政治家が核武装論議をすることはナンセンスだ」としている。
- 靖国神社問題では、全ての宗教に開かれた形の国立の追悼施設が必要ではないかと主張している。首相の参拝については、主に外交的要因を背景に「極めて消極的」「反対」と明言した。
[編集] 学歴
[編集] 職歴
[編集] 受賞歴
- 1996年 - 論文「変容する日米安保政策コミュニティー」で第2回読売論壇新人賞優秀賞。
- 1999年 - 『大統領の挫折』でサントリー学芸賞、アメリカ学会清水博賞。
- 2000年 - 「『国際国家』の使命と苦悩──1980年代の日本外交」『戦後日本外交史』で吉田茂賞
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『大統領の挫折――カーター政権の在韓米軍撤退政策』(有斐閣、1998年)
- 『米国初代国防長官フォレスタル――冷戦の闘士はなぜ自殺したのか 』(中央公論新社[中公新書]、1999年)
- 『アメリカ外交――苦悩と希望』(講談社[講談社現代新書], 2005年)
- 『プレイバック1980年代』(文藝春秋[文春新書], 2006年)
[編集] 訳書
- ゴードン・A・クレイグ、アレキサンダー・ジョージ『軍事力と現代外交――歴史と理論で学ぶ平和の条件』(有斐閣, 1997年)
- ジョセフ・ナイ『国際紛争――理論と歴史』(有斐閣, 2002年)
- ジョセフ・ナイ『国際紛争――理論と歴史[原書第4版]』(有斐閣, 2003年)
- ジョセフ・ナイ『国際紛争――理論と歴史[原書第5版]』(有斐閣, 2005年)
- ジェームズ・マン『ウルカヌスの群像 ブッシュ政権とイラク戦争』(共同通信社,2004年)
- ヘンリー・ナウ『アメリカの対外関与――アイデンティティとパワー』(有斐閣, 2005年)