昭和電工事件
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昭和電工事件(しょうわでんこうじけん)とは、戦後間もない1948年におきた贈収賄汚職事件である。昭電事件(しょうでんじけん)、昭電汚職(しょうでんおしょく)、昭電疑獄(しょうでんぎごく)とも呼ばれる。
復興金融金庫からの融資を得るために、昭和電工の日野原節三社長が行った政府高官や政府金融機関幹部に対する贈収賄事件。大蔵官僚福田赳夫(後の首相)や野党・民主自由党の重鎮大野伴睦(後の自由民主党副総裁)の逮捕に始まり、やがて政府高官や閣僚の逮捕にまで及んだ。栗栖赳夫経済安定本部総務長官、西尾末広副総理が検挙され芦田内閣の総辞職をもたらした。その後、芦田均前首相自身も逮捕された。裁判では栗栖以外の政治家は無罪となる。
[編集] 捜査取調結果
経済安定本部栗栖赳夫総務長官、昭和電工日野原節三社長ら15名の、復興金融金庫、日本興業銀行からの昭電融資にからむ贈収賄 1.日野原節三社長の贈賄と受領側の収賄
- 重政誠之(元農林次官、日本肥料理事長)170万円、株券100万
- 栗栖赳夫(国務相、経済安定本部総務長官)45万円
- 二宮善基(復興金融金庫理事、日本興業銀行副総裁)125万円、家屋修理17万1000円、洋服2着3万2000円
- 津田信英(商工技官)4万円、洋服4着等計8万3000余円
- 丸山二郎(安田銀行常務)10万円、掛軸4本32万5000円
- 福田赳夫(大蔵省主計局長)10万円
- 野見山勉(商工省化学局化学肥料部化学肥料第一課長)6万円
- 横山彰(安田銀行本店融資第一課長)6万円
2.藤井孝昭電常務の贈賄と受領側の収賄
- 横山彰(上記)3万円
- 建部勝(安田銀行融資部長)3万円
- 樋口俊二(三和銀行銀座支店次長)2万円
- 橋本晴之助(三和銀行銀座支店支店長代理)1万5000円
- 横田昇(三和銀行銀座支店支店長)4万円