旅行写真
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旅行写真(りょこうしゃしん)とは、旅行先で撮影された写真の事。紀行写真と呼ばれる事もある。
人物写真と並んで、あまりにありふれたジャンルであり、アマチュアにとっても、ごく一般的なものであるため、取り立てて述べる事はないようにも見えるが、少なくとも、次の2点を指摘する事が出来る。
- 写真史(世界写真史)的には、考古学や地誌学の必要性から、19世紀に旅行写真は大いに発展した。しかし一方で、人々の「見たいという欲望」を満たすものとして発展したという面も重要である。19世紀における旅行写真としては、例えば、フランシス・フリス(Francis Frith, 1822年-1898年)による、エジプト、シリア、パレスチナなどの写真、フェリックス・ベアト(Felix Beato, 1825年?-1908年?)による、インド、中国、日本などの写真があげられる。
- 現在でもなお旅行写真に人気があるのは、上記のような「見たい(さらには、写真という形で所有したい)という欲望」を満たす機能を持つ事、旅行そのものが非日常性を持ち撮影対象として魅力的である事、自分が旅行する場合には記録的な意味合いがあり(記録写真)、日記に近い機能を持たせる事が可能である事、などをあげる事が出来るであろう。
なお、旅行写真は報道写真としてもしばしば用いられる。