接待
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接待(せったい)
- 本来の意味は客をもてなすこと
- 日本においては企業が取引先を飲食店などでもてなすことを指す場合が多い。(本項で記述)
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[編集] 概要
日本では広く見られる行為であり、企業文化の一つにもなっている。飲食等をともにすることにより、懇親を深めるために行なわれる。業務の打ち合わせを行うことも多い。
[編集] する側・受ける側
- かつては民間企業により監督官庁の公務員を接待することが普通におこなわれていた。当然違法な行為であり、近年倫理的にも非難を受け、表向きには姿を消した。
- 公務員同士でも、上級官庁の役人に補助金を付けてもらうため、会計監査を穏便に終わらせてほしいため、などの理由で接待が行われることがあった。現在では禁止されている。
- 民間人同士の接待は広く行なわれている。取引先の企業の役員や担当者を接待する。医療器具や製薬会社の社員が医師を接待することも多い。
- 企業の労務担当が労働組合の幹部を接待することもある。平然と接待を受けているようでは御用組合である。
[編集] 接待のいろいろな形態
一般に「せる」という語尾で終わる単語で表される。一部を次に例示する。
- 飲ませる =酒を飲ませる
- 食わせる =豪華な食事を食べさせる
- 抱かせる =性的サービスを行う女性をあてがう
- 握らせる =現金を与える
より具体的には、次のとおり。
- いちばんポピュラーな接待方法。会社の経費で飲食をする。コンパニオンを呼ぶ場合もある。自分の金ではまず行けない高級クラブにも接待でなら行った事がある・・・というビジネスマンは多い。宴会が終わったら相手の帰宅のためにタクシーを手配しておくことも多い。片道1万~2万円以上の距離をタクシーで帰ることもまれではない。
- 公務員の接待が激減したため、各地の料亭・クラブは経営が苦しくなったともいわれる。
- これも接待の定番。多くの企業ではゴルフ会員権を持っており、取引先の接待に使用したりする。利用できるのは当然のことながら社長や重役(役員)であるが、同行させてもらうかたちでその部下もプレイしたりすることもある。利用実態は企業によりいろいろ。労働組合の幹部と経営者が一緒にプレイする場合もある。ゴルフは全てのビジネスマンがするわけではないが、サラリーマン社会ではポピュラーな趣味といえよう。
- 最近はあまり見られないが、かつては接待マージャンなるものが存在した。言うまでもないが相手に勝たせなければならない。見え見えの手で相手を勝たせても不愉快にさせてしまうので、そこそこ手加減ができる腕前が必要とされた。仮に相手が負けることがあっても、土産などを用意して持ち帰ってもらい、相手に気持ちよく帰ってもらうことが重要である。最近は以前よりもマージャンができる人が少なくなり、あまり聞かなくなった。
[編集] 公務員に対する接待
[編集] 労働組合に対する接待
企業が労働組合幹部に対して接待をおこなうことがある。通常、組合のある企業においては、合理化等を行う場合、労働組合との合意が必要である。そのため、労働組合幹部に対し、職場を取りまとめてくれるよう依頼するのである。 企業の労務、人事担当者により組合幹部が接待されるわけである。 なお、とくに組合に対して依頼事項がなくても忘年会や暑気払いといった名目で日常的に接待が行われることもある。 接待の形態としては、料亭、クラブでの飲食が多い。ゴルフコンペが行われる企業も多い。 料亭で飲食をした後はタクシーを手配しておき利用することも多い。もちろん接待する側が費用は負担する(タクシーチケットを利用するのが一般的)。 組合員から見れば裏切り行為である。そして、度重なる接待により、労使協調の名の下に多くの組合が御用組合と化していったのである。