振り返れば奴がいる
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『振り返れば奴がいる』(ふりかえればやつがいる)は、1993年1月13日~1993年3月24日にフジテレビ系で水曜日21:00~21:54(JST)に放送された織田裕二と石黒賢のダブル主演による連続テレビドラマである。全11回。のちにスペシャル編として続編も放送。
目次 |
[編集] 概要
天真楼(てんしんろう)病院を舞台に、性格の対照的な二人の医者の戦いを描く物語。脚本を手がけた三谷幸喜は、これがゴールデンタイムで初の連続ドラマ作品だったが、ドラマのシナリオが現場でどんどん変えられていくことにショックを受け、その逸話を元に『ラヂオの時間』のシナリオを書いた。
もともと三谷は喜劇しか書いた事がなく、また、突然の依頼で準備もできなかったらしい。プロデューサーには「医学ものはブラック・ジャックしか知らない」と断ったが、それでもいいからと押されて書いたそうだ。そのため、執筆は相当苦労したらしい。その辺りの事情は、三谷幸喜のエッセイ「オンリー・ミー〜私だけを〜」に詳しく書かれている(主人公がブラックジャック同様の性格なのは、このためでもある)。
また、スペシャル版は「司馬と石川が床屋の理容師」という、パラレルワールドにしたかったが、スタッフの反対で却下された。そのかわり、この作品のヒットが元で、三谷の希望する「コロンボのような倒叙ミステリー」として、「古畑任三郎」が制作されることになった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
- 司馬 江太郎:織田裕二
- 自信傲慢で、態度がでかい。とにかく黒い。髪形は総髪。目付きが鋭く、いつも眼つけしてるのではないかと思われるほど。外科部長の中川とともに、天真楼に君臨する超名医。石川がやってきてからはことごとく対立するが、司馬にとっては充実した日々だったと思われる。中川の弱みを握っている。演じた織田裕二は、自分ともっとも近いキャラクターだったと言っている。趣味は麻雀。無断でオペを遂行したり、法外な治療費を要求したりするが、ブラック・ジャックと同様に実は真のヒューマニストである。院内では、中川の権威を傘に傍若無人な態度をとり、一度は峰を押し倒した。最後は、平賀に復讐されて刺し殺される。口癖は「ぜんぜん」「エセヒューマニストがっ!」
- 石川 玄:石黒賢
- カンザス州からやってきた正義の医者。坊ちゃん刈りが育ちの良さを表している。司馬のやり方を認めることができず、司馬を追放しようと躍起になる。患者にもナースにも受けが良く、一部の同僚を除いた医師にも好かれ上層部の受けもよい。峰に片思いされている。腕は一流であるが、司馬に言わせるとオペが遅いらしい。スキルス胃癌により死去する。
- 大槻 沢子:千堂あきほ
- 麻酔医。かなり色っぽく大人っぽい女医で、司馬と昔付き合っていた。司馬のことはなんでも知っているつもりだが、中川との確執は知り得ていなかったようだ。院内ではどの派閥にも属さないが、たまに司馬に味方する。落胆する石川を励ましたり、独断先行で動く司馬に対しても理解ある態度をとったり、ときには反発したりもする。司馬のことを誰よりもわかっている理解者であるので、登場人物のなかではもっとも司馬のことを理解して接していたキャラである。後に、司馬と石川の確執が酷くなってからは、「司馬の過去」を石川に語って、お互いが仲直りするように務める。その効果あって、最終的に司馬と石川はお互いを認め合うのだが、その直後に悲劇がおこる。
- 星野 良子:中村あずさ
- オットー製薬社員。司馬のサイフ。司馬に取り入り全医療品を自社ブランドにすげかえようとする。1000万単位の賄賂資金を簡単に調達できるあたり、社内では位の高い地位にいるのかもしれない。金使いが荒く、UFOキャッチャーで10万円使ったつわもの。
- 峰 春美:松下由樹
- 研修医なのだが、自信不足で自分で患者の治療ができない。石川に対し、恋心を抱いている。その結果、彼女の名ゼリフは「石川先生呼んできます!」である。物語が進むうちに、そこそこ難しいオペの助手程度なら難なくこなせる程まで成長したが、まだまだ半人前である。登場人物の中では、誰よりも自分の心に素直に、行動していたキャラだと言えるであろう。スペシャル版は、峰の髪の毛がセミロングに伸びており、しばらく誰だか分からない程に容姿も性格も変わっているが、パラレルワールドとして片付けられている。
- 中川 淳一:鹿賀丈史
- 平賀 友一:西村雅彦
- 天真楼病院の主任医師。医師としての腕は確かなのに、性格が優しすぎて弱く、途中で副主任に降格。ついには、中川を取り込んだ司馬の策略により、収賄の罪を被せられて病院をクビになる。しかし最終話の最後のシーンにて突如登場し、司馬を刺し殺す。
- 佐藤B作
- 相原勇
- 宮地雅子
- 梶原善
- 小林隆
- 浅野和之
- 伊藤俊人
- 甲本雅裕
- 宮沢風太郎
[編集] 役名の由来
役名には由来があり、江戸時代の蘭学者の名前が元となっている。
[編集] スタッフ
- 企画 石原隆、鈴木吉弘
- プロデューサー 関口静夫
- プロジェクトプロデューサー 渡邊光男
- 脚本 三谷幸喜
- 演出 若松節朗(♯1,3,7,9,11)、河野圭太(♯2.4.6.8.10)、木下高男(♯5)
- 演出補木下高男、森保伸二、都築淳一
- 音楽 S.E.N.S.(BMG JAPAN)
[編集] テーマソング
[編集] 主題歌
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- CHAGE&ASKA 作詞・作曲:飛鳥涼
- 200万枚以上のセールスを記録する、大ヒット曲となった。
[編集] 挿入歌
- 『君はなにも知らないまま』
[編集] 天真楼病院について
白い巨塔の浪速大学病院と同様、大学が母体となっている超一流大病院である。ナースのお仕事の若葉会病院は、医療法人系であるが大学病院ではない。そのため、内部抗争もコミカルに描けたが、こちらは確固たる派閥抗争や内部権力が横行する病院である。
三谷氏によれば、天真楼は浪速病院のように大学附属ではなく、東都大学の直営病院、いわゆるサテライトホスピタルであるという。中川も司馬も元は東都大の医師であり、サテライトである天真楼に出向してきているという設定になっている。ちなみに天真楼という名前は、江戸時代の蘭学者・杉田玄白の設けた医学・蘭学塾に由来する。
最終話にて、石川(石黒)がスキルスで死去し、司馬(織田)も直後に平賀(西村)に刺し殺されたため、かつてのような超名医は一人もいなくなってしまった。さらに、手がふるえてオペができない外科部長・中川(鹿賀)は古畑警部補に逮捕されてしまったので、いまでは研修医であった峰(松下)だけしか残っていない。
[編集] 舞台装置等
ナースのお仕事シリーズや、救命病棟24時の医療現場シーンで使用された、ありとあらゆる大道具・小道具が、全て本物の最新医療機器を使用して撮っていたことに比べると、その点は手を抜いている所が目立つ。
作品中で使われた大道具は、極専門的でないトレンディドラマの日常風景で使用される舞台装置に手直しして使っている程度である。また、医療機器や小道具も、全て製作会社のレプリカ品。
実際の医療現場では、あのような型の心電図も使われていない。そもそも、あれは心電図ではなく、別の小道具を組み合わせて作った品であり、細部の小道具にリアリティを重視してはいない。
[編集] ふりかえればハゲがいる
最終話で織田裕二を刺し殺す役を演じた西村雅彦の逸話をパロディ化したもの。西村はこのドラマにて織田裕二を刺した男として一時期話題になった。
[編集] 関連項目
- 古畑任三郎 中川淳一が犯人として登場、西村雅彦も出演している(平賀友一ではなく、今泉慎太郎として登場)。
- 織田裕二は最終話ラストシーンで背後から平賀(西村)に刺されるが、同じように「踊る大捜査線 THE MOVIE」(劇場版)でも背後から刺されている。
[編集] メディア
ビデオ・DVD
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- ビデオ 全4巻発売中
- DVD 発売未定
サウンドトラック
[編集] 外部リンク
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