押尾コータロー
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押尾コータロー(おしお こーたろー、1968年2月1日 - )は主にスティールストリングスのアコースティックギターを演奏する日本のギタリストである。本名押尾 光太郎(おしお こうたろう)。 大阪府吹田市出身。「浪速が産んだ世紀の天才ギタリスト」として知られる。
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[編集] 演奏スタイル
オープンチューニングやタッピング奏法を駆使したその演奏スタイルは、マイケル・ヘッジス、タック・アンドレスなど20世紀後半の強烈な個性を持つ米ギタリストたちの影響を色濃く受けている。だが一方で、それを自身のポップな感覚に巧みに採り入れ、他のヘッジス・クローンと呼ばれるギタリストたちとは一線を画した独自のスタイルになっているといえるだろう。
生前のマイケル・ヘッジスが来日した時、彼の目の前でヘッジスの楽曲『ビコーズ・イッツ・ゼア』を演奏した事がある。元々この曲はハープギターによる編曲であったが、それを6弦ギターで演奏出来る様にアレンジし直して演奏した。それを聴いたヘッジスが「グレイト!」と賞賛の言葉を送っていた話は有名である。この時「M-Factory」の生みの親でもある三好英明も同席しており、「押尾!『ビコーズ・イッツ・ゼア』を演奏してみろよ!」と言われて演奏したと言う逸話が残っている。
[編集] 略歴
中学校2年からギターを弾き始める。学生時代は、今も師と仰ぐ五つの赤い風船のギタリスト・中川イサトのギター教室でレッスンを受けていた。20歳を過ぎて後、1度東京へ移住。音楽専門学校に通う傍ら、ギタリスト岡崎倫典のギター教室にも通い、そこで同じくギタリストの小松原俊からもレッスンを受ける。
帰阪後バンド活動を始めるが、当時の担当はギターではなくベースだった。その理由は、バンドメンバー募集でベースしか応募がなかった為、仕方なく引き受けたからと後に語っている。バンド解散後は、ソロギタリストとしての活動を開始。また過去に1度だけではあるが、ギターレッスンの講師をしていた事もあった。同時期には、スティールパン奏者の山村誠一とユニット「VOICEQUN」(ヴォイスクン)を組んで活動もしていた。その後、FM802のラジオ番組HIRO T'S MORNING JAMにおいてDJヒロ寺平がオリジナル曲を紹介したことが転機となり、注目を浴びるようになった。インディーズから2枚のアルバムを発売した後、メジャーデビューした。
- 2002年 - 東芝EMIからアルバム『Starting Point』によりメジャーデビュー。
- 2002年 - モントルージャズフェスティバルに初出演。以後、マイルス・デイヴィス以来の2年以上の連続出演を果たす。
- 2002年 - 『アドリブ』誌、ニューエイジ部門賞受賞。
- 2003年 - 大阪市咲くやこの花賞受賞。
- 2006年 - エスエムイーレコーズに移籍。
[編集] 所有ギター
その時々で何本か入れ替わってはいるが、現在も所有してると思われる主なギターは以下の通り。
- GREVEN D Herringbone - 今や押尾コータローの代名詞とも言えるグレーベンのギター。メジャデビュー後の大半は、このギターでライブもレコーディングも行ってる。近年同型をもう1本入手したらしく、現在は2本所有している模様。
- GREVEN J Herringbone - 上記のDの前に、押尾が長年愛用していたギター。メジャーデビューアルバムで、押尾が抱えてるギターがこれ。サウンドホール周りのスクラッチ(引っかき傷)が、その長年の愛用度を物語る。
- GREVEN OM Herringbone Custom - 主にバラード系の曲で使用。
- GREVEN MD Herringbone - GREVEN Dのカッタウェイモデル。
- TACOMA Papoose P1E4 - タコマのミニギター。
- TACOMA Thunderhawk BM6C - 同じくタコマの、こちらはバリトンギター。
- Gibson L-1 - オールドのギブソン。オールドギブソン特有の乾いて枯れた独特の雰囲気を持つ音が、ブルージーな曲や哀愁漂う曲にマッチしている。
- Gibson LG-2 3/4 - ギブソンのミニギター。ライブにもレコーディングにも使用しているが、ピックアップは搭載していない。
- MARTIN D-28 GE - これはオールドのマーティンではなく、新品を購入している。
- TAYLOR 314c - 主にライブで良く見かける。
- KAMEOKA KMD Cutaway - 愛媛県の手工ギター製作家、亀岡隆之氏が手がけたギター。ライブでよく使用される。
- TAKAMINE KO-50 - 2006年に発表された、高峰楽器製作所製の押尾コータローのシグネチャーモデル。
- KISO KLEIN DK-1 - スティーブ・クラインと高峰楽器製作所のコラボレーションブランド。
ギター以外にはウクレレも所有しているが、メーカー名等の詳細は不明。
[編集] 作品
音源の発売はアルバムのみで、過去1度もシングルの発売はされていない。
[編集] アルバム
[編集] インディーズ(Kotaro Records)
- 押尾コータロー(1999年)
- LOVE STRINGS(2001年)
[編集] メジャー(東芝EMI→SME Records)
- STARTING POINT(2002.07.10)
- Blue sky(exciting version):MBS、TBS系「すてきな出逢い いい朝8時」エンディングテーマ
- DRAMATIC(2003.06.18)
- 太陽のダンス:TBSテレビ系「いちばん!」テーマ)
- 風の詩:NHKテレビ放送50年 南極プロジェクト 使用曲
- ハッピー・アイランド:東京FM「HAPPY-GO-LUCKY!」エンディングテーマ
- そらはキマグレ:TBSテレビ系「あさがけウオッチ!」テーマ
- Chaser:MBSテレビ「MUSIC EDGE」テーマ
- プロローグ:映画「船を降りたら彼女の島」挿入曲
- again...:NHKラジオ第1放送「関西発・土曜ほっとタイム」テーマ
- Be HAPPY(2004.06.23)
- 翼~you are the HERO~:MBSテレビ「MUSIC EDGE」エンディングテーマ
- ミスティ・ナイト:GUNZE「CFA100フラッティ クールメイク」CM曲
- AQUA-MARINE:関西テレビ「2時ワクッ!」エンディングテーマ
- ファイト!:MUSIC ON! TV Harmony with the Earth"Forest"Theme ID使用曲
- 桜・咲くころ:映画「冬の幽霊たち~ウィンターゴースト」挿入曲
- 坂の上の公園:NHK BS2「BSふれあいホール」テーマ
- Panorama(2005.09.07)
- オアシス:ハウス食品「六甲のおいしい水」CM曲
- オーロラ:GUNZE「フラッティ」CM曲
- COLOR of LIFE(2006.11.29)
- Indigo Love:TBSテレビ「hito」挿入曲
- クリスタル:GUNZE「フラッティ」CM曲
- SME Records移籍第一弾アルバム
[編集] ライブアルバム
- ボレロ!Be HAPPY LIVE(2004.12.15)
[編集] ベストアルバム
- Blue sky~Kotaro Oshio Best Album~(2006.09.29)
[編集] DVD
- ドラマティック・ライヴ~DARAMATIC TOUR 2003~(2003.12.10)
- So HAPPY(2004.06.23)
- Chain of Friends~Panorama Tour 2005~(2006.02.22)
- COLOR of LIFE -movies-(2007.01.17)
[編集] 出演
[編集] ラジオ
- 『ナニワ音楽ショウ 押尾コータローの押しても! 弾いても!』(2003年10月~ 毎日放送ラジオ 毎週水曜日21:00~23:55 但しプロ野球シーズンには野球の延長の為、番組放送時間が短縮される事もある)押尾自身このラジオ番組に対して強い思い入れがあると言う事を、過去のインタビューからも窺い知る事が出来る。リスナーからのリクエストに応じた演奏を聞かせる人気コーナーがあり、オリジナルのみならず古今東西の名曲をレパートリーとし、幅広い人気を博している。
- 『押尾コータロー ACOUSTIC WIND』(2006年4月 - 2006年9月、エフエム東京)