岡田恵珠
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岡田 恵珠(おかだ けいしゅ)は、新宗教系教団世界真光文明教団の創始者 (初代教え主) 岡田光玉の養女で、崇教真光の教え主。生年月日・生い立ちや養女であることなどを始め、1959年立教以前の経歴を教団は完全黙秘している。唯一、実母が山梨県の出身であることを認めている(崇教真光誌522号)。
教団外の資料によれば、1929年12月16日生まれで、終戦時は山梨県で看護婦をしていたらしい。1959年、妻と離婚したばかりの光玉の養女として入籍した(二十世紀の千人8)。また、自身の肉親は誰も崇教真光の信者ではない。
光玉の没後、世界真光文明教団の後継者争いの敗訴を経て、1978年6月に崇教真光を設立した。光玉の教えに反して宗門宗派に分かれたが、敗訴の経緯について信者に対し真実を述べなかった。また、光記念館の教団史展示には県登録博物館であるにも拘らず裁判資料の展示・閲覧を一切行っていない。
1974年に布教書の『真光問答』を文明教団として発行し、1983年に同一内容の『真光問答』を崇教真光として発行した。同書には「大天変地異は最初の予定より十年ほど早くなり1980年代に起きる。ノストラダムスが400年前に予言しており、生き残れるのは2割以下。」と明記されていた。しかし、人類の8割以上が死亡するような大天変地異は1980年代以降今日に至るまで発生していない。
1984年、総工費400億円をかけて元主大神宮(世界総本山、現:元主晃大神宮)を岐阜県高山市に建立した。この資金集めには、上述のとおり『世紀末に大天変地異が来るから、その前に世界総本山を完成させねば』と信者を不安にさせ奉賛金を出させる行為がなされた。完成後、世紀末に大天変地異が来なかった理由として、(1) 世界総本山完成により大天変地異が来るのが一時延びた、(2) 光玉が身を挺した、をあげた。(1)は岡田光玉最後の教示に「主神神殿を建立しても、天地かえらくの時期を延ばすことはできない」とあるから明らかに矛盾しており、(2)も『真光問答』1983年版や『救え、しからば救われん』1983年版には全くそのような記載は無いので後付けの理由である。
1984年には光玉の作った『陽光子祈言集』の改ざんも行った。“教示“の『真光文明教団』の部分を『真光教団』と変えた。また、光玉の肖像写真から、世界真光文明教団の神紋を削除改変した。『大聖主』(1983)と崇教真光誌501号の写真を比較すると、後者は不自然に改変された後がある。
1989年秋季大祭の教示では、光玉の教え(重大神示)として「環境破壊の危機が立教30周年を目処に到来し、1990-2000年の生き方で人類の運命が決定していく」と述べたが、21世紀になってどう決定したのか全く説明が無い。
政治家との関係も親密で、1984年に藤波孝生官房長官の案内で総理官邸を訪問し(真光誌260号)、1986年7月29日には村上正邦参院議員の案内で総理公邸を訪問して、いずれも中曽根康弘首相と面会している(新聞各紙)。
2000年11月には「陽光子の三大徳目」として“感謝・ス直・心の下座”を提唱したが、その翌月に小山孝雄参院議員の支持署名集めを信者にさせた(1997年8月にも村上正邦参院議員の支持署名集めを既に実施)。KSD事件で小山孝雄・村上正邦の逮捕後、信者への公式謝罪は一切行わなかった。
リクルート・旧石器捏造・KSD事件を予告できなかった、予告能力の無い教え主である。また真光青年隊の総裁として、隊員の学校の友人への勧誘を半強制させた。自身の学歴は黙秘し、学校時代の友人は誰一人崇教真光の信者ではない。
2002年10月、岡田晃弥を教え主代理に任命し、事実上教団の代表を引退した。最後の教示は『正法実践こそ宝なり』であった。
神名=聖珠(せいしゅ)。旧名=井上甲子。
[編集] 四大聖業
世界総本山(1984)、光神殿(1992)、光記念館(1999)、真光青年会館(2002)の4施設であり、いずれも岡田恵珠が信者の奉賛金で建立した。建築工主は、光記念館のみ竹中工務店で、他は大林組である。大林組は2006年に数多くの事件を起こした。
1.防衛施設庁談合事件で、顧問や担当者が起訴され罰金刑に処せられた。国土交通省は営業停止処分とした。
2.大阪アメニティパークで土壌汚染を知りながらマンション建築工事を続け、宅建業法違反で処分された。
3.名古屋市下水道談合で、大林組名古屋支店の元顧問・副支店長が逮捕された。
4.和歌山トンネル工事談合で、大林組本社が家宅捜査され、顧問が起訴有罪となった。 5.八王子市工事の談合で、約2億円の返還命令判決がでた。
6.カルト宗教神慈秀明会集会所(横浜市戸塚区)を地域住民の反対運動が起きている中、施工中。
7.大阪国税局の税務調査によって、約11億円の申告漏れを指摘されたことが判明。国税局は約3億5000万円を追徴課税。
このように、問題企業の大林組に、多額の信者の寄付が使われた。特に名古屋支店は岐阜県内の工事を管轄しており、最近でも大屋根の葺き替えなどのリフォーム工事を担当している。崇教の教えには『自己利益の追求から、“世のため、人のため”という利他愛に切り換えることにより、運命の大転換を実現する霊的経済学』(真光問答1999年版45頁)があるとのことだが、大林組は全く正反対である。またこの談合体質から、教団幹部に多額の接待が行われたことは用意に想像できる。
また、世界総本山で藤波孝生・村上正邦といった刑事事件有罪議員が何度も来賓祝辞を述べている。特に1997年3月24日に東京高裁でリクルート事件有罪判決を受け上告中の藤波が、97年秋季大祭で来賓祝辞を述べており、実に汚らわしい施設である。
[編集] 参考文献
- A. K. Tebecis Mahikari: Thank God for the Answers at Last ISBN 0959367705 ISBN 0959367713 (日本語版: アンドリス・テベーツィス『崇教 真光 探し求めた答えはここに』サンライズ プレス)
- 早川和廣 「崇教真光教―後継者争いに敗れ、乗っ取りに失敗した暗い過去」 『新興宗教の正体』 ISBN 4871770303
- ―― 「分裂好きな関口栄・世界真光文明教団と岡田聖珠・崇教真光」 『新興宗教教祖のウラの裏がわかる本』 ISBN 4893740210
- 山口文憲 『日本ばちかん巡り』ISBN 4104516015
- 井上順孝 『現代宗教事典』ISBN 4335160372
- 井上順孝 『新宗教・教団人物事典』ISBN 4335160283
- 井上順孝 『新宗教事典』ISBN 4335160259
- 国学院大学日本文化研究所 『神道事典』ISBN 4335160232
- 週刊朝日特別取材班 『悪党と政治屋―ドキュメントKSD疑獄を追い詰めた400日』ISBN 4022576413
- 朝日新聞社 『二十世紀の千人8』ISBN 4022586060
http://www.enpitu.ne.jp/usr10/bin/day?id=104303&pg=20060430 http://www.enpitu.ne.jp/usr10/bin/day?id=104303&pg=20040127