少年ビッグコミック
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少年ビッグコミック(しょうねんびっぐこみっく)は、小学館が発行していた隔週刊の漫画雑誌。『マンガくん』→『少年ビッグコミック』→『ヤングサンデー(後に週刊化)』と変遷した。
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[編集] 概要
1976年(号数としては1977年1月10日号)に隔週刊少年漫画誌『マンガくん』の誌名で、学年誌と『週刊少年サンデー』の間を埋める雑誌として創刊された。『ビッグコミック』の少年版としての特徴を持ち、隔週刊発行・装丁(当初は少年誌としては珍しい中綴じだった)・巨匠主義・誌名ロゴ・表紙のイラストなどにそれが見られた。ナマズのマークも付いたが、本誌のナマズはMマークの付いた野球帽をかぶっていた。
しかし部数低迷のため誌面のリニューアルを余儀なくされ、1979年『少年ビッグコミック』と改称した。名称は『ビッグコミック』になる一方、体裁は他の少年漫画誌と同様の平綴じに改められ、ナマズマークも帽子をかぶっていない普通のものになった。『球道くん』など人気作品は継続して連載された。『みゆき』『初恋スキャンダル』のラブコメ作品の連載が始まり「軟弱路線」と言われたが人気を呼んだ。
しかし知名度は高まらず、『みゆき』の単行本が出た際には、『週刊少年サンデー』の編集部に連載誌を教えてほしいという問い合わせの電話がかかってきたほどであったという。
1987年には、アンケート集計により読者の年齢層が『週刊少年サンデー』のそれを越えた事が判明、青年向け漫画誌へ路線変更した。『ヤングサンデー』に改称され、他の青年誌同様の中綴じになった。雑誌の通巻号数はリセットされたが、後にヤングサンデー巻末において『マンガくん』からの「通巻NUMBER」表示としてのみ復活した。「少年サンデー」系列の新雑誌としてスタートを切ったが、ナマズのマークは現在まで継承されている。1995年に週刊化された結果、小学館の週刊青年漫画誌は『ビッグコミックスピリッツ』との2誌体制となった。
なお、掲載作品の単行本化は『マンガくんコミックス』の名でなされ、雑誌名変更に伴い『少年ビッグコミックス』と改称された。過去の作品が『ヤングサンデーコミックス』として刊行されることはない。
例えば『エスパー魔美』については、当初は『マンガくんコミックス』、そして『少年ビッグコミックス』、その後は『てんとう虫コミックス』へと刊行の場を移した。
[編集] 『マンガくん』掲載作品
[編集] 創刊号のラインナップ
- 水島新司『球道くん』 - 巻頭カラーを飾ることが多かった。
- 藤子不二雄『エスパー魔美』
- 永井豪『無頼・ザ・キッド』
- 石森章太郎『まんが研究会』
- ジョージ秋山『ココロマン』
- 柳沢きみお『ビーダマ社長』
- 吉森みき男『おとこ権兵衛』
- 赤塚不二夫『タトル君』
- 本宮ひろ志『てっぺんガキ大将』 - 創刊号読み切り
[編集] 以後の掲載作
- 松本零士『プロペラ7』 - 第4号読み切り
- 山上たつひこ『ラビットくん』 - 第7号読み切り
- 小山ゆう『ワシとタカ』 - 第8号読み切り
- 横山光輝『宇宙船マゼラン』
- 影丸穣也『ゼロレーサー』
- おだ辰夫『サイボー牛ウッシー』
- 聖悠紀『すすめ!ジェッツ』
- 聖悠紀『くるくるパッX』
[編集] 漫画以外の連載記事
[編集] 『少年ビッグコミック』の掲載作品
- あだち充『みゆき』
- 飯森広一『人間を超える者 アイン』
- 石森章太郎『サイボーグ009』 - 掲載誌が多数あることで知られる。
- 尾瀬あきら『初恋スキャンダル』
- 大島やすいち『一撃伝』
- 神崎将臣『重機甲兵ゼノン』
- 北崎拓『空色みーな』
- 村上もとか『遠い頂』
- 倉田よしみ『四丁目大リーグ』
- 小山ゆう『風の三郎』
- 小山ゆう『愛がゆく』
- 新谷かおる『エリア88』
- 所ジョージ『ジョージ君の人間図鑑』 - 趣味、芸能界での交遊などが描かれた。
- 永井豪『へんき~んタマイダー』
- 聖日出夫『生徒ドンマイ』
- 聖悠紀『熱血!スペクトラム学園』
- 村上もとか『裸足の壁』
- 竜崎遼児『ウォー・クライ』
- 細野不二彦『東京探偵団』
[編集] 映像化された作品
- 『みゆき』 - 1983年に実写映画化およびテレビアニメ化。
- 『エリア88』 - 1985年にアニメ化(ビデオシリーズ)。2004年にテレビアニメ化。
- 『エスパー魔美』 - 1987年にテレビアニメ化。1988年にアニメ映画化。2002年にテレビドラマ化。
[編集] 関連項目
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