寶智山幸観
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寶智山 幸観(ほうちやま ゆきみ、1982年1月18日生)は、青森県弘前市出身で境川部屋(入門時は中立部屋)所属の現役大相撲力士。本名は棟方幸観(むなかた ゆきみ)。身長189cm、体重149kg。得意手は右四つ、寄り。最高位は西前頭14枚目(2006年9月場所)。なお、「寶」という文字は常用漢字外であるため新聞・雑誌などでは宝智山と表記されることが多い。
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[編集] 来歴
幼い頃から相撲を始め、木造高校時代には全国大会に出場するなど活躍した。進路に迷っていた時期もあったが、高校時代の監督が元小結・舞の海と同級生であったため、木造高校OBでもある舞の海を紹介され角界入りを薦められた。そして、高校卒業と同時に中立部屋に入門。2000年3月場所に初土俵を踏んだ。
翌5月場所にはいきなり序ノ口優勝するなど、順調に番付を上げて行き、初土俵から2年で幕下に昇進した。しかしこの頃から、押し相撲とも四つ相撲とも言えない中途半端な相撲が多くなり、幕下中位で苦労した。2004年頃から本来の四つ相撲が取れるようになり、幕下上位でも安定した成績を残せるようになった。だが2度も東幕下筆頭で負け越しを経験し、また、東幕下9枚目で6連勝しながら勝てば十両昇進確実となる七番相撲を落とすなど、勝負弱さも目立った。また東幕下3枚目で4勝3敗と勝ち越しながら、東5枚目で5勝2敗の鶴竜が昇進するなど、番付運にも泣かされた。
幕下最上位での苦闘は2005年いっぱい続き、幕下以下の取組を注視する一部の好角家からは『勝ち越し、負け越しを繰り返し幕下5枚目以内を永遠に往復する』『他の力士との比較で幕下に据え置かれる』など意地の悪い見方をされ、元小結旭豊の立浪親方からも同情の含まれた激励を受けるなど、これは大頭(東幕下筆頭)止まりかと思わせる場面もあった。
しかしここで腐らず稽古に精進し2006年1月場所には西幕下4枚目で4勝3敗と勝ち越し。場所後の1月25日の番付編成会議で翌3月場所の十両昇進が決定した。その場所は7勝7敗から入れ替え戦でこれまで苦手としていた高見藤を倒して8勝7敗で勝ち越し、翌5月場所は10勝し、優勝決定戦に進出したが、惜しくも敗れた。そして7月場所は幕下上位で重圧に晒され続けた経験を活かし、優勝のかかるプレッシャーをものともせず力強い相撲で13勝2敗の好成績を上げて(この過程で前述した一部の好角家たちが鮮やかに評価を改めていく様は本人の相撲共々、見る者に爽快感さえ覚えさせるものであった)十両優勝を果たし、新入幕を果たした。 新入幕の2006年9月場所では5勝10敗と負け越し、11月場所では十両に陥落し、再入幕も期待されたが、やはり14日目に負け越した。
しかしながら9月場所では北の富士勝昭(元横綱、NHK大相撲専属解説者)も「なかなか雰囲気のある力士だね。双葉山関の面影を思い出したよ」と評し、幕内上位の経験もある高見盛精彦に完勝した取組(贔屓にする者からは「もうロボなど敵ではない」などと絶賛する声も上がった)など、内容のある相撲があり、日本人力士の若手として今後の活躍が期待される。
[編集] 主な成績
2006年11月場所終了時点
- 通算成績:186勝134敗(41場所)
- 幕内成績:5勝10敗(1場所)
- 十両成績:38勝22敗(4場所)
[編集] 各段優勝
- 十両優勝:1回(2006年7月場所)
- 序ノ口優勝:1回(2000年5月場所)
[編集] 改名歴
- 棟方 幸観(むなかた ゆきみ)2000年3月場所
- 寶智山 幸観(ほうちやま -)2000年5月場所-
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 寶智山 幸観 - goo大相撲