宇野精一
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宇野精一(うの せいいち、1910年-)は、儒教研究者、国語教育評論家。東京大学名誉教授、尚絅大学名誉学長。國語問題協議會会長。
[編集] 略歴
明治43年(1910年)、東京に生まれる。東京帝国大学文学部支那哲学支那文学科卒業。東方文化学院東京研究所助手、東京高等師範教授、東京大学助教授を経て教授。現在、同大学名誉教授。儒教思想を中心とする中国古典学の研究を専門とする傍ら、国語教育問題に関する評論活動でも知られる。GHQの主導で行われた戦後の国語改革に一貫して反対する立場をとり、正字・正仮名(戦前の漢字・仮名づかい)の活用を呼びかける。昭和34年(1959年)、小汀利得、福田恆存らとともに國語問題協議會を設立。会長をつとめた。昭和36年(1961年)、国語改革推進派が多数を占め、毎回同じ委員が選出される構造となっていた国語審議会の総会を、舟橋聖一、塩田良平、山岸徳平らとともに退場し、注目を集めた。
[編集] 著書
- 『中国古典学の展開』北隆館,1959.
- 『儒教思想』講談社学術文庫,1984. ISBN 4061586572
- 『孫文から李登輝へ—日華80年の軌跡』早稲田出版,1992. ISBN 4898271359
など
- 明治書院から『宇野精一著作集』全6巻が出されている。