奇々怪界
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奇々怪界(ききかいかい)は1986年にタイトーからアーケードゲームとして登場したアクションゲームである。ここでは後に登場した移植作や続編などについても述べる。北米では「Knight Boy」としてリリースされた。
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ストーリー
福の神である七福神が妖怪軍団にさらわれ、世の中は暗闇に落ちてしまった。七福神に仕える巫女・小夜(さよ)ちゃんは、お祓い棒とお札を武器に、物の怪うごめく妖怪の里へと、単身乗り込んでいくのだった。
システム
- 小夜ちゃんを操作し、妖怪を退治しつつ神社の境内を進んでいき、道中に落ちている鍵を手に入れ、ステージ最後の部屋に待ち受ける大物妖怪を退治し、ステージごとに1人ずつ囚われた七福神を救出する事がゲームの目的である。助けるのは七福神だが、全8ステージ。
- 武器はお祓い棒(近接用)とお札(飛び道具・弾数は無制限)。また、途中で手に入れた水晶球を任意のタイミングで使用することも出来る。
- 一撃死を採用しているため、どれだけアイテムを手に入れていても一度のミスで一気に自機が弱体化してしまう。よって、ステージが進むほど仕切り直しが非常に難しくなる。
- ゲームオーバーになると数字3桁のルーレットが現れ、その3桁の数字が得点の末尾3桁と一致すると、1ゲームサービスしてもらえる(ナンバーマッチ)。ピンボールでは当たり前のようについているサービスだが、ビデオゲームでは珍しい。ピンボール馴染みの無い多くのプレイヤーにとっては「ゲームオーバーになったら出てくる良く判らないルーレット」であった。なお、ディップスイッチ設定により、ナンバーマッチを行わないことも可能。
- お祓い攻撃は一部の敵及びボスには効かない。(7ステージボスは除く)
アイテム
- 水色のお札:お札の飛距離が伸びる。続けて取得する事で飛距離も伸びていく。
- 赤色のお札:お札が敵を貫通するようになる。
- 二重のお札:連射速度が上がる。
- 黄色のお札:お札が大きくなり当たり判定が大きくなる。もっとも手に入りにくいアイテム。
- 水色の水晶:使用すると画面上の敵(ボスには無効)の動きを約8秒間止める事ができる。当たり判定は残っている。
- 黄色の水晶:画面上の敵を全滅させる(ボスには無効)。
- お祓い棒:1UP。特定の条件下で入手可能。
- おにぎり:得点アイテム。取ると1000点。
- 鍵:道中のどこかに落ちている。これがないとボス妖怪のいる部屋に入れない。
キャラクター
- AC版のキャラクターについて紹介する。
- 小夜ちゃん
- 七福神
- 幸福を司る神。妖怪軍団にさらわれてしまった。
妖怪たち
当たると基本的にはミスとなってしまう。中にはしがみついて移動速度を下げる妖怪もいる。
- プカプカ
- 編隊を組んで近づいてくる小さなお化け。ザコだがステージ後半になると弾を吐くため、後半以降は強敵に。
- ばけちょうちん
- 三匹編隊で近寄り、火の玉を吐いてくる。火の玉は一定の軌道上を交差して飛んでくるため、なかなかかわしにくい。
- かさベー
- 化け傘。傘を開いて小夜ちゃんの周囲を旋回した跡、傘を閉じて一直線に突進してくる。群れてくるため手強い。
- おたま
- 編隊を組んで飛び回る火の玉。お札のみ、またお払いのみで全滅させるとアイテムを落とす。
- おげい
- ろくろ首。六角堂に潜み、近寄ると首を伸ばしてくる。
- とおせんぼう
- ぬりかべのような妖怪。縦方向に往復移動して道をふさぎ、小夜ちゃんが通過しようとすると突進する。
- みのじい
- みのを着た赤ん坊のような妖怪。小走りで走り寄り、しがみついてくる。
- りんりん
- 狐のお面をかぶった妖怪少女。身軽に動き回り、お手玉を投げつけてくる。
- よねばあ
- 砂かけ婆。砂を投げつけてくる。
- にょろにょろ
- 白ヘビの妖怪。常に集団で群れて近付き、うかつに近づくと締め上げられてしまう。
- いちどう
- 一つ目小僧。小夜ちゃんを見つけると仲間の妖怪を呼ぶ。
- ばけうり
- 井戸に潜むお化け瓜。小夜ちゃんが井戸付近に放射線状に伸びるラインの上に乗ると連続で飛び出してくる。なお、ときどき野菜が混じって飛び出してくる事があり、これをお札で打つとアイテムが手に入る。
- るむる
- たわしに手足が生えて一つ目がついたような、小さな妖怪。しがみつかれるとて移動速度が低下する。難所に限って大群で登場するため、大量にしがみつかれると厄介。鳥居をくぐれば弾き飛ばせる。
- がらこつ
- 骸骨の姿をした妖怪。永久パターン防止キャラ。小夜ちゃんが一定時間じっとしていると土の中から現れ、一直線に歩いてくる。障害物にぶつかる、また攻撃を当てると地面に潜るがすぐに復活する。数回攻撃を当てると無敵になって突っ込んでくる。
- 火の輪
- 永久パターン防止キャラ。どこまで逃げても追いかけてくるため、水晶玉がないと対処できない。
ボス
- 各ステージのボスを紹介。魔奴化を除き、お祓い攻撃は効かない。
ステージ1
- 豆頭(ずず)
- 小豆洗い。動き回りながら豆を投げつける。
ステージ2
- 雷電王(らいでんおう)
- 雷神。画面外に飛んでいく小さな雷と、地面に当たると燃え上がり、画面内に火柱となってしばらく残る大きな雷を放つ。
ステージ3
- 仙山(せんざん)
- 天狗。口から吐く炎、手にした団扇で起こす突風で攻撃してくる。急に突進してくることもある。
ステージ4
- 山婆(さんば)
- やまんば。両手で包丁を投げつける。ダメージを与える度に、一度に投げつける包丁の数が増えていく。
ステージ5
- 操珠僧(そうじゅそう)
- 解いた数珠を振り回して攻撃してくる怪力の妖僧。攻撃のリーチが長いため強敵。
ステージ6
- 魔尾狐(まびこん)
- 九尾の狐。子狐の群を差し向け、自身はぴょんぴょんと飛び跳ねて体当たりする。動いている最中にしか攻撃判定が発生しない。
ステージ7
- 魔奴化(まぬけ)
- 化け狸。小夜ちゃんに化けて登場するが、ダメージを与えると狸の正体を表す。当たると一定時間動けなくなるお札を投げつけ、その隙にお祓い棒で小夜ちゃんを吹っ飛ばそうとする。お札の飛距離さえ伸びていれば楽に勝てる。
魔奴化を倒すと、実質的な最終ステージである巻物探し面へと突入する。地蔵の群をお祓いし、宝船のありかを示す3種類の巻物を見つけ、ゴールに到達すればエンディング。スタッフロールののち2周目が始まる。
2週目以降は敵及びボスキャラの耐久力が上がり、難易度が上昇する。
シリーズ作品
- 奇々怪界のタイトルを有するコンシューマ(家庭用)作品としてはファミリーコンピュータディスクシステム版、PCエンジンHuカード版、MSX版、スーパーファミコン版2作品、ゲームボーイアドバンス版がある。また、AC版がPC、携帯アプリに移植されている。
- タイトーの名作AC作品をPS2に移植した「タイトメモリーズ」にも収録されている他、バンダイより発売中の、コードを接続するだけで遊べるTV玩具「Let's!TVプレイCLASSIC」のタイトーノスタルジア編でAC版が復刻された。
主な作品群
AC版の移植作
- 奇々怪界・怒涛編(FDS)
- AC版の移植作だが、システムがフィールド探索型に変更。お札の枚数制限、アイテムの購入など、ARPGに近い。
- 宣伝でタイアップした元アイドル、伊藤美紀が2Pキャラ「美紀ちゃん」として登場。
- タイトルBGMに、本作のCMソングでもあった彼女の持ち歌「哀愁ピュセル」が流れる。
- このFDS版発売時に、七福神スタンプやすごろく、お祓い巫女ちゃん棒などのグッズ展開が盛んに行われた。
- 奇々怪界(PCE)
- FC版とは違いかなり忠実で、良質の移植具合がファンの間で好評だった。
- 奇々怪界(PS2:タイトーメモリーズ上巻)
- タイトーのアーケード作品群をPS2用に移植したもの。上下巻が発売され、上巻に収録されている。
- 当初は、奇々怪界を含めた一部のゲームが条件を満たさないと遊べないシークレット仕様になっていたが、
- 後の廉価版でシークレット作品の全てが最初から遊べるようになっている。
- ただ、ソフト全体の評価として、移植の精度が極めて良くないとファンから批判が上がっている。
- 奇々怪界(Let's!TVプレイCLASSIC版)
- タイトーノスタルジア編にて復刻。業務用を忠実に移植している。
- 同じくタイトーより発表されたアーケードの別作品「地獄巡り」の主人公覚蓮坊を主役にしたアレンジ版
- 「奇々怪界~覚蓮坊」も同時収録されている。内容自体に変化はないが、主人公の武器が変更されており、
- 隠しキャラが追加されている。バンダイより発売。
※その他
- 奇々怪界(MSX)
- 奇々怪界(Windows)
- 奇々怪界(アプリ移植版)
続編
奇々怪界~謎の黒マント(SFC)
- AC版の物語の後、再び暴れだした妖怪たちの背後にうごめく、謎の黒マント率いる西洋妖怪軍団と、
- 小夜ちゃん、まぬけの戦いを描く続編。アクションはSFC向けに一新され、かなりの高難易度を誇る。
- ファンの評価が高い。開発はナツメ株式会社。
- 北米では"Pocky & Rocky"として発売された。
奇々怪界~月夜草子(SFC)
- 小夜ちゃんと7人の仲間たちが、かぐや姫をさらった鬼族と戦うSFC版2作目。
- 仲間となるオプションキャラクターとの合体、お金によるアイテムの購入などの新要素が追加された。
- パスワードによるステージ再開、チュートリアルステージの追加など、難易度は低めで初心者向け。
- 開発は上記と同じくナツメ。北米では"Pocky & Rocky 2"として発売された。
奇々怪界あどばんす(GBA)
- 復活したヤマタノオロチを封じるため、小夜ちゃん、美紀ちゃん、まぬけが戦う。
- ステージ構成、アクションともにAC版に回帰した作りになっている。
- 開発はアルトロン株式会社。北米では"Pocky & Rocky with Becky"として発売された。
関連作
- FC版レインボーアイランド
- 小夜がゲストキャラとして登場。
- 大爆笑人生劇場シリーズ
- 準レギュラー。
- スペースインベーダーDX
- ぽっぷんぽっぷ
- 小夜と美紀が主人公の一人として登場する。
その他
- アーケード版制作中に製作現場が怪奇現象(?)に襲われ、スタッフ全員で神社にお参りに行った経緯がある。
- アーケード版のゲーム基板には、主人公・小夜のイラストがプリントされたカスタムチップが載っている。