太郎代
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太郎代(たろうだい)は、新潟県新潟市の最も北東部に位置する、新潟東港の西側に隣接した地区。
かつての北蒲原郡太郎代浜村。大正末期に周辺の村と合併して同郡南浜村となり、更に昭和の大合併で新潟市に編入し、太郎代と名称を改めた。 砂丘地にあって土地の高低差があり、坂道が多いのが特徴である。元々は小さな漁村であったが、新潟東港の開発により現在は周囲を港湾施設、工場、コンビナートなどで囲まれ、工業地域と化しているため、集落の集団移転問題など様々な問題を抱えていた。現在は約900人、約250世帯の住民が生活している。
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[編集] 歴史
- 1920年10月1日 太郎代浜村と島見浜村、神谷内新田、太夫浜村が合併し、南浜村となる。
- 1954年11月1日 南浜村が新潟市に編入される。
- 2007年4月1日 新潟市が政令指定都市へ移行し、新崎、松浜、豊栄地区と共に区となる予定。
[編集] 集落移転問題
1962年に始まった新潟東港整備事業により、集落を集団移転させてその土地を工業団地化する計画が持ち上がったが、住民と行政との間で話し合いがまとまらず、2002年に行政側が断念した。その間、上水道やガスなどの生活インフラの整備が他の地域よりも立ち遅れていた。また、一部の住民は集団移転が行われるという前提で住宅の建替、改修工事なども行わなかったこともあいまって、劣悪な環境下で生活し続けていた。しかし移転が断念した結果、これらインフラの再整備を行う必要が生じるなど、新たな問題も引き起こした。
[編集] 交通
[編集] 公共交通
[編集] 鉄道・バス
旅客路線ではないが、2002年まで貨物専用の新潟臨海鉄道(現黒山駅分岐新潟東港専用線)が乗り入れており、貨物駅の太郎代駅が設置されていたが、福島潟放水路の開削工事の進捗に伴い、路線を分断する必要に迫られ、採算性の問題もあって廃止された。
太郎代の区域には新潟交通の路線バスは、2系統が運行されている。いずれも松浜・空港通りを経由して新潟市中心部に向かう路線である。うち、国道113号を経由する路線は、かつては聖籠町の次第浜まで足を伸ばす路線もあったが、1985年、新潟県庁の移転に伴う大規模な路線網再編によって、運行区間が松浜営業所~太郎代間に短縮され、市内中心部へは松浜で乗り換えなければならなくなった。その後運転系統の再整理や営業所の移転などで、再び市中心部へ直通するようになったが、慢性的に乗車率の低い状態が続いたため、2005年3月をもって太郎代への乗り入れを廃止し、全便北部営業所で打ち切りとなった。また、海側の新潟県道398号島見濁川線を経由する路線は、現在も太郎代浜まで運行されている。この路線が太郎代地区へ乗り入れる唯一の路線だが、こちらも慢性的に乗車率が低く、新潟市が赤字補填する形で運行が維持されている。
2006年9月からは政令指定都市移行後の区バスの試験運用として市がバスを運行する。このバスは新潟臨海鉄道廃止後の最寄の旅客駅である豊栄駅から運行され、太郎代が終点となる。試験運用は9月中一杯であり運賃は無料である。
[編集] 道路
近くを国道113号、北側を新潟県道398号島見濁川線及び新潟県道204号島見新発田線が経由する。国道113号は以前、太郎代地区のすぐ南側を経由して新新バイパス・東港ICまで直通していたが、福島潟放水路の開削工事に伴って道路が移転し、太郎代を経由しなくなった。
このため国道113号分断後の新新バイパスの最寄インターチェンジは、豊栄ICとなっている。
[編集] 太郎代にある施設
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 新潟市 | 新潟県の市町村 (廃止)