大阪市内の筋・通一覧

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大阪市内の筋・通（おおさかしないのすじとおり）

大阪市内の道路は南北方向に延びるのものを「筋」（すじ）、東西方向に延びるものを「通」（とおり）という。江戸期には、筋と通の使い分けはそれほど厳密ではなく、すべての道が「筋」と呼ばれた形跡があった（近松の戯曲など）。現在では、新しく命名する場合にも、この東西南北の法則に従い、ほとんど例外はなくなっている。

かつての「筋」の中の特定の道が「通」とも呼ばれるようになったわけだが、その条件は、船場においては「家々の間口の面した道」であると思われる。間口の面した「通」の両側は、一つのコミュニティー（町）を形成していた。船場の町名は、「通」ごとにつけられていた。すなわち「筋」「通」の違いの本質は、その道を挟むコミュニティの形成の有無、ということができよう。「筋」はただの裏道に過ぎないのである。

なお、船場の家や店の間口の面した道がなぜ東西方向だったかについては、市街が大坂城の西側に置かれた関係から、城から町へ伸びる東西方向が都市の主軸の方向とみなされたことがあろう（古地図には、大坂城のある東を上にしたものが多数ある）。また暑い夏に涼しい風を効率よく家々に取り入れるには、西の大阪湾からの海風が吹き抜ける東西方向の道に間口を設けた方がよく風が入ることもあるかもしれない。ただし、島之内や天満など船場以外の地域においては、間口が面していも「筋」と呼ばれるままの道がある（心斎橋筋、天神橋筋など）。

なお、大阪市内でも国道となっている区間では「通」や「筋」の名称を付けないことが多い。その例として