大森川ダム
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大森川ダム（おおもりがわダム）は、高知県吾川郡いの町寺川地先、吉野川水系大森川に建設されたダムである。
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[編集] 沿革
四国中央電力株式会社によって手掛けられた吉野川の電源開発は、日本発送電株式会社を経て1950年（昭和25年）に四国電力株式会社として発足し、継承された。 既に大橋ダム・長沢ダムが吉野川本川に建設されていたが、大森川にも電源開発を目的とした導水路建設が経済安定本部の吉野川総合開発案で盛り込まれた。 だが、計画は遅々として進まず四国電力はついに単独での電源開発を決断。 その中で大森川には発電用ダムの建設を計画、1957年（昭和32年）より大森川渓谷に建設が開始され、2年間の短期で建設が進み1959年（昭和34年）に完成した。
[編集] 概要
大森川ダムは高さ73.2mの中空重力式コンクリートダム。 四国に建設された中空重力式コンクリートダムは穴内川ダムとこのダムの2つだけである。
ダムは石鎚山系の山深くにあり、普段は人の踏み入らない地域にある。 ダムへ向かうには奥南川林道・長沢林道等道の細い3箇所の林道から入ることになるが、国道194号大森山トンネル付近から入る全長22kmの奥南川林道は、2006年現在崖崩れ・路肩崩落のため総重量が2トン以上の車は通行止めとなっている。 長沢林道・東谷大森川林道（奥大野越）・伊留谷林道（最短距離）は通行可能ではあるが、全般的に未舗装・未整備で道幅が狭いという相当の悪路であり、ダムへ向かうには四輪駆動の乗用車が望ましい。 ダートツーリングを楽しむライダーも良く見かけられる。
[編集] 大森川発電所
大森川ダム湖である大森川貯水池からは長沢ダム湖右岸部にある大森川発電所まで大森川導水路によって接続されている。 大森川発電所は日本で初めて発電用水車とポンプを兼用するポンプ水車（フランシス形）を導入した、最大出力12,200kWの揚水発電所である。
発電専用ダムであり、大森川貯水池に貯水された水は大森川導水路を通り大森川発電所で使用される為、大森川へ放水される事は先ず無かった。この為、ダム下流の大森川渓谷は水涸れの状態となり、国土地理院の2万5千分の1地図においてもダム下流は河道が点線で表記されていた。しかし、1997年（平成9年）の河川法改正で「河川環境の維持」が重要目的の一つに挙げられ、発電専用ダムであっても河川の正常な流量維持を図る為の放流（河川維持放流）が義務付けられた。
これに対応する為四国電力は大森川ダムの放流設備を改築し、非常用洪水吐き付近に維持放流用のバルブを設置して大森川の河川維持放流を図った。これにより水無し川となっていた大森川に流水が復活する事になった。現在は常時維持放流が行われており、ダムは常に放流をしている状態となっている。
