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夢幻紳士 - Wikipedia

夢幻紳士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この「夢幻紳士」は、まだ完結していない作品や番組に関する項目です。ある程度ストーリー・番組内容がまとまってから編集するようにしてください。
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夢幻紳士』(むげんしんし)は、高橋葉介による漫画、および高橋葉介による「夢幻魔実也」を主人公とする漫画作品群の総称である。

目次

[編集] 概要と分類

「夢幻紳士」は高橋葉介の代表的シリーズで、昭和初期の日本を主な舞台とし、黒衣の青年(または少年)探偵「夢幻魔実也」を主人公とする。

作品によって作風や設定が大きく異なり、1987年時点での作者の定義によれば、世界観は「マンガ少年版」「アニメージュ・コミックス版」「怪奇編」の3種に分類される(『夢幻紳士 怪奇編』第2巻あとがきより。詳しくは後述)。

ただしこの定義で全ての作品が明確に分類できるわけではない。特にこの発言より後に発表された作品(『夢幻外伝』など)にはどの区分にもあてはまらない設定が与えられている。後の『学校怪談』単行本あとがきでは作者は「青年探偵の夢幻魔実也」と「少年探偵の夢幻魔実也」という大まかな2種に大別しており、また一方で公式Webサイトでは、同一シリーズ内であってすら執筆時期に隔たりがあれば主人公は別人とも考えられるという旨の発言をしている。少なくとも現時点において初期の3種の分類は大きな意味を成さないと考えられる。

よって「たまたま」同姓同名の主人公がそれぞれの世界において活躍していると割り切ることが、この作品を楽しむコツである。

本項では説明の便宜上、初期の分類における3種と、後年の作品群1種の計4種に大きく分け、必要であればその中でさらに細分化して述べる。


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


[編集] マンガ少年版

マンガ少年」(朝日ソノラマ刊)掲載作品を中心とする。「マンガ少年」においては、1981年に短編連作として全4話連載された。ほかに他誌に掲載された短編2作を加えた計6作が『マンガ少年版 夢幻紳士』(朝日ソノラマ刊)として単行本に纏められており、前述の作者の定義によりこれら6話は「マンガ少年版」としてすべて同一の世界観上にあるとされる。

昭和初期の東京を主な舞台とする怪奇漫画。少年探偵「夢幻魔実也」が怪奇事件に挑む姿を描き、猟奇的な表現やナンセンスユーモアが特徴。この時期の作者にとっては珍しい、同一人物を主人公とした短編連作という形式をもつ。

毛筆の強弱を利用して一本の線が自在に太く細く変化する大胆かつ神経質な描線、また昭和初期のガジェットを執拗に描き込んだ背景など、漫画表現としては異端に属する美術表現もこの時期の特徴である。「マンガ少年」連載版は特にこの傾向が強いが、連載最終話の「夢幻少女」やそれより後の作品になる「案山子亭」(プレイガイドジャーナル刊「漫金超」掲載・1982年)・「亜里子の館」(少年画報社刊「少年KING」掲載・1982年)では画風が幾分マイルドになり、それまでのナンセンスユーモアを抑えて静かで叙情的あるいはドライな作風になっている。

[編集] 主な登場人物

夢幻魔実也(むげん まみや)
主人公。やや背の低い長髪の美少年。黒い背広と山高帽がトレードマーク。裕福な家庭の子息で、一種の道楽として探偵業を営む。物腰は丁寧だが慇懃無礼で、人を食った言動が多い。テレパシー能力者で、相手に暗示をかけたり他人の強い思念を捉えることができる。坊ちゃん育ちのためか世事に疎いところもあるが、探偵としては極めて優秀で多くの事件を解決し、警視総監からの信任も厚い。決め台詞は「実はもうつかまえてあるのです」。
江戸川警部(えどがわ)
警視庁猟奇課警部。恰幅のいい髭面の男性。警官としての面子や矜持から魔実也を快く思ってはいないが、事件解決のため渋々彼に協力を仰ぐ苦労性の中間管理職。常識人であるがゆえにいつも魔実也に振り回される。名前の由来は江戸川乱歩か。
アルカード
魔実也に仕える召使い。禿頭で大柄な体躯の初老の男。無口で忠実、一見無害な男であるが、時に魔実也の悪ふざけに共犯者的な笑みを浮かべる事も。

[編集] アニメージュ・コミックス版

主に雑誌「リュウ」(徳間書店刊)及び「少年キャプテン」(同社刊)で1983年 - 1998年に渡って掲載された連載漫画『夢幻紳士』を指す。この2誌の連載は掛け持ちではなく、「リュウ」の誌面刷新にともない掲載誌を「少年キャプテン」に移したもので、両連載は掲載誌こそ違えど実質的に同一のシリーズと言える。これらは最初にアニメージュ・コミックスのブランドで単行本化されたため、一般に両者を纏めて「アニメージュ・コミックス版」と呼ぶ。また連載後期のコメディ性を指して俗に「スチャラカ編」と呼ばれることもある(しばしば作者は「ギャグ漫画ではなく『スチャラカ冒険浪漫』である」と発言)。

また、この単行本第1巻には他に「月刊ベティ」(アニドウ刊)に掲載された短編「脳交換クラブ」(1981年)が収録されている。この作品の掲載時期は「夢幻少女」と「案山子亭」の間に位置するため厳密にはマンガ少年版に属する内容ともとれる。しかし「リュウ」初掲載作「伊号700奪回せよ」が「脳交換クラブ」の直接の続編にあたることと、事実アニメージュ・コミックスに収録されていることから、一般には「脳交換クラブ」もアニメージュ・コミックス版に含まれる。(こうした厳密な区分は現在ではあまり意味を成さない事にも再度留意されたい)

作者にとって異例の長寿連載であり、時期によって作風が大きく異なる。主人公「夢幻魔実也」と彼を取り巻く環境は同一であるが、ジャンルは怪奇アクション漫画から伝奇冒険活劇、スラップスティック・コメディへと変転している。この項では作風によって大きく3期に区切り、それぞれについて述べる。

なおアニメージュ・コミックスでは巻数表記の後に「冒険編」「活劇編」等のサブタイトルが付けられているが、これは修飾的なものであり厳密に各話に「XX編」と区切りが付いているわけではない(別シリーズに冠された「怪奇編」や「幻想篇」等とは意味合いが異なる。後に再刊された際の「冒険活劇篇」がこれらと同等の名称にあたる)。

[編集] 初期

昭和初期の東京を主な舞台とする怪奇アクション漫画。少年探偵「夢幻魔実也」が怪奇事件に挑む姿を描く。オカルティックな題材と、各話に必ず挿入されるアクションシーンが特徴。

マンガ少年版夢幻紳士の後期の作と作風が非常に近く、前述した作者による定義を無視すれば同一世界観上の直接の続編と考えることもできる。魔実也のテレパシー能力もほぼ同様の定義。

[編集] 中期

昭和初期の日本から第二次大戦前夜の世界各地に舞台を転々と移す、コメディの要素を含む冒険活劇漫画。少年探偵「夢幻魔実也」が巻き込まれる数々のトラブルに挑む姿を描く。舞台の時代性を感じさせる情景描写と、当時の世相を反映した作劇上のガジェットが特徴。特に大日本帝国陸軍ナチス・ドイツ満州国等が多く扱われた。

初期に見られたオカルティックな要素がほぼ排され、方向性としては伝奇アクションに近い。魔実也の性格は初期の超然としたものから、表情豊かなより少年らしいものに変わっている。特に福音温子・夢幻狂四郎などのトラブルメーカーの登場により、狼狽えたり所謂ツッコミを手厳しく入れたりという行動を取るようになった。また魔実也のテレパシー能力の設定はこの時期以降無視されている。

[編集] 後期

昭和初期の東京を舞台とするスラップスティック・コメディ漫画。少年探偵「夢幻魔実也」とその家族が巻き込まれる数々のトラブルに翻弄されつつも、ドタバタの内に解決に導く姿を描く。テンポ良く挿入されるギャグの連続と、人情喜劇的なハッピーエンドが特徴。

舞台は日本に固定され、起こる事件も従来より遥かに狭いスケール、かつ荒唐無稽なものに変わっていった。主人公以外流動的であった主要キャラクターの配置も、魔実也・温子・狂四郎・雪絵の4名に固定されるようになる。昭和初期という舞台設定はしばしば意図的に無視され、現代あるいは昭和中期を下敷きにしたギャグ表現が散見された。扉の前の1ページに本編と無関係な挿話が入るスタイルが定着したのもこの時期である。

画風もギャグタッチに整理され、キャラクターの頭身が低く丸みを強調したものになる。特に狂四郎のデザインは変化が激しく、大柄な体躯の怪人物といった外見から、だるまのように太めで全体に丸っこいデザインに変わっている。

連載終盤ではさらに魔実也の性格が大きく変化して、従来常識人として描かれていた彼が平然と相手をからかい、事態を自ら引っかき回すキャラクターに変わっている。これはマンガ少年版時代のキャラクター性に近いが、よりパワフルで能動的である。

[編集] 主な登場人物

夢幻魔実也(むげん まみや)
主人公。やや背の低い、くせのある長髪の美少年。黒い背広がトレードマーク(山高帽は滅多に被らない)。15歳にして探偵業を営み、特技は女装と早着替え(とにかく女装シーンが多く、作中で温子から「嫌々やってるようで実は趣味なんじゃないの?」と突っ込まれることも)。性格は執筆時期により大きく変化するが、生死に関わるような重大なトラブルに対し動じない点はおおむね共通している。最終話、真珠湾攻撃中のハワイで温子とともに行方をくらますが、後に温子と結婚し一女魔子(まこ)をもうけた事が明らかになる。コルト・ポケットを愛用。
福音温子(ふくね あつこ)
本編のヒロイン。通称アッコ。後ろでまとめた明るい色の髪が特徴の少女。「ミイラの花嫁」事件で魔実也と知り合い、以来親密になる。素直で明るいが、いささか無学ではすっぱな性格。はじめは魔実也とも口喧嘩が絶えなかったが、いつの間にかべた惚れに。魔実也の事は「マミ」と呼ぶ。孤児出身で浅草の踊り子(ここではストリッパーを指す)やカフェの女給で生計を立てていたが、うやむやの内に魔実也の助手の立場に落ち着いた。
夢幻狂四郎(むげん きょうしろう)
魔実也の父。容貌は眼光鋭い髭面の偉丈夫から、画風の変化に従いとぼけた顔で肥満ぎみの巨漢に変わる。生来の悪漢で金のために大小様々な悪事に手を染め、魔実也にとっては悩みの種。強引で大雑把、女に弱く道義感も薄いが、友誼には厚く家族にも彼なりに愛を注ぐ。物語後半から着ぐるみを好んで着用するようになった。決め台詞は「甘いわ息子よ!!」。
夢幻雪絵(むげん ゆきえ)
魔実也の母。上品で表情豊かな美女。明るく温厚で物おじしない性格だが、愛する狂四郎の浮気にはうるさい。クジ運が異常に良くギャンブルでは負け知らず。魔実也の事は「マーちゃん」、狂四郎の事は「狂四郎様」と呼ぶ。
アルカード
夢幻家に仕える召使い。禿頭で大柄な体躯の初老の男。第一次大戦中、ヨーロッパ戦線において狂四郎に命を救われて以来忠節を誓う。忠実にして温厚な男だが、怒りを爆発させれば悪鬼のような形相になり超人的な膂力を発揮する。体の丈夫さでは誰にも負けず、大抵の爆発でもかすり傷程度で済ます。トランシルバニア出身。この事からも名前の由来はブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』と思われる。
夢幻猫(むげん ねこ)
狂四郎の妹で、魔実也の叔母にあたる。妖艶な美女。手下を従え数多くの悪事を行う妖婦で、次々と夫を変えあるいは殺し、通称「猫夫人」と呼ばれる。魔実也の天敵の1人だったが、作風の変化により男日照りのコミカルな年増女といったキャラクターに変化していった。大雑把な性格なのか、トップレスでいることもしばしば。
江戸川警部(えどがわ)
警視庁猟奇課警部。恰幅のいい髭面の男性。魔実也のよき協力者として、主に事件の後始末をおこなう。コネも学歴もない叩き上げのせいか地位に弱く、警視総監への出世が夢。
老博士(ラオ)
東洋人の悪漢。黒眼鏡に髭面の老人。語尾に「〜アル」が付くような片言の日本語を話す。多数の部下を従え、組織的犯罪を得意とするがことごとく魔実也に妨害されている。中華思想の信奉者だが国籍は不明。初期の名悪役だったが、作品の方向性の変化により部下ともども次第に落ちぶれ、中華料理店の店主と成り下がる。作者の談によれば俳優大泉滉がイメージに近いという(『夢幻紳士』第1巻人物紹介より)。
甲保(コホ)
老の片腕。どじょう髭に巨体の東洋人。老同様、片言の日本語で話す。老の命令を淡々とこなすが、それ以上の能力はない。作者によればプロレスラーでありタレントのサンダー杉山が適役であるという(『夢幻紳士』第1巻人物紹介より)。
加藤大佐(かとう)
日本陸軍大佐。若き日の雪絵に懸想し(当時中尉)結婚一歩手前までこぎ着けるも、雪絵は狂四郎を慕い大ロマンスの果てに結婚。狂四郎を恨みに思うが、軽くあしらわれ続ける。
据然和尚(すえぜん)
僧侶。金に目がない生臭坊主で、狂四郎とはうまが合う旧友。姉は魔実也を取り上げた産婆である。
怪盗紅オコゼ(べにオコゼ)
予告状を送り付け盗難や誘拐をおこなう典型的な怪盗。シルクハットにマント、笑顔のマスクといった出で立ち。快活で賑やかな性格。作劇上の装置としての悪人役が多く、キャラクターの内面に触れられる事は最後までなかった。そのため正体不明。
明鈴(メイリン)
満州馬賊の若き女頭領。魔実也とは奇縁でしばしば相対する。馬賊の立場から言えば日本人は敵にあたるが、飄々とし日本軍とも距離を置く魔実也には一目置いていた。本人は知らないが、母の明福(めいふく)が夢幻猫と共に立ち回りを演じた事もある。

[編集] 怪奇編

『夢幻紳士 怪奇編』(徳間書店刊)として単行本化された作品を中心とする。これは怪奇漫画アンソロジー「メディウム」(徳間書店刊)向けに1984年 - 1987年に渡って連載されたシリーズ、およびメディウム休刊後「少年キャプテン」に不定期連載(1988年)された作品等を単行本化したものである。同時期に「少年キャプテン」誌上でアニメージュ・コミックス版も連載されているが、「怪奇編」と銘打たれた本作は設定・作風が明らかに異なっており、(マンガ少年版とアニメージュ・コミックス版の区分が曖昧であったのに対し)アニメージュ・コミックス版とは明確に一線を画している。

昭和初期の東京を主な舞台とする怪奇漫画。青年探偵「夢幻魔実也」と彼の周囲で起こる怪奇事件を描く。多くは愛憎の情を描いた物語である。静謐なムードで描かれる世界観と、凄惨な怪異を描きつつも悪趣味に傾かず叙情的な内容が特徴。

ギャグ・コメディ要素を廃したシリアスな短編連作シリーズ。従来の夢幻紳士作品と異なり、魔実也は青年として描かれる。その能力はマンガ少年版に準ずるが、性格は大きく異なり能動的に動く事が少なく、事象の傍観者的役割を果たす事が多い。

先に挙げた初出単行本には他に「季刊コミックアゲイン」(日本出版社刊)に掲載された「針女」(1984年)、「リュウ」に掲載された「夢幻紳士・人形地獄」(1982年)が収録されているが、後者は設定が他の作品と大きく異なっている。執筆時期・作風から見てマンガ少年版の後期あるいはアニメージュ・コミックス版の初期に繋がるものと考えるべきであろう。

またアニメージュ・コミックス版『夢幻紳士』の最終巻には書き下ろし短編「夢幻紳士 怪奇編 蝙蝠」(1991年)が収録されており、これは怪奇編に該当する。これより後の『夢幻外伝』以降の作品(後述)も作風が似通っており怪奇編に含める見方もあるが、設定等の差異から本項では区別して述べる。

他に作者が『帝都物語』を漫画化した『帝都物語 TOKIO WARS』(角川書店刊・1989年)にも「帝都の『小悪魔』」として魔実也と思しき人物が登場している。同作には漫画版オリジナルキャラクターとして他に、アニメージュ・コミックス版に登場した馬賊の娘「明鈴」と同じ設定のキャラクターも登場する(おそらく別人)。また同年「SMスナイパー」(ワイレア出版刊)に掲載された短編「イケニエ」(短編集『怪談 KWAIDAN』が単行本初出)にもやはり魔実也らしき人物が登場している。

アニメージュ・コミックス版夢幻紳士に2コマだけ怪奇編の魔実也がゲスト出演した事もあり、この時は作中人物である温子から「パロディー漫画のパロディー」と評されている。他に、怪奇編の魔実也が登場する作者自身による同人誌が数作発表されている。

[編集] 主な登場人物

夢幻魔実也(むげん まみや)
主人公。長髪の美青年。黒い背広と山高帽がトレードマーク。ヘビー・スモーカーで酒も嗜み、女性経験も来るもの拒まずの態度で豊富である。常に平静な態度を崩さず時に冷徹ですらあるが、人情を解し特に知人の義理は欠かさない。相手に暗示をかける事ができるテレパシー能力者。幽霊妖怪の類を見抜く霊視能力も持つ。作者によれば20歳前後で長身とされるが(『怪奇編』第1巻あとがきより)、作画上その設定よりも若く見える場合やさほど長身に描かれていない場合もある。
横溝教授(よこみぞ)
魔実也の恩師。長髪で福耳の老紳士。温和な人格者で魔実也の霊能にも理解があるが、自身には霊能力はない。第1話・2話のみ登場。名前は横溝正史からの引用か。

[編集] 夢幻外伝以降

この項では『夢幻外伝』(1992年)以降の夢幻紳士関連作品について記す。

[編集] 夢幻外伝

夢幻外伝』。1992年 - 1996年にかけて怪奇漫画誌「眠れぬ夜の奇妙な話」(連載中「ネムキ」に改題、朝日ソノラマ刊)に連載されたシリーズ。

昭和初期の東京を主な舞台とする怪奇漫画。青年探偵「夢幻魔実也」と彼の周囲で起こる怪奇事件を描く。怪奇編の流れを汲む短編連作シリーズ。初期は黒ベタ塗りとラフな描線を多用した重苦しい画風で、後には筆の強弱を活かした洒脱な描線が特色となる。

怪奇編と比較すると謎解きやどんでん返しといったミステリ的要素を多く含む作品や、いわゆる悪人の破滅で終わる勧善懲悪物語が多いのが特徴。また魔実也以外に主要キャラクターが多く登場する点も怪奇編と異なる(怪奇編では横溝教授がこの位置に相当したが、作者の構想の変化により主要キャラクターから除外された)。これらのキャラクターは〈精神病院の院長〉、〈下宿の娘〉、〈カフェの姉御〉など、多くは作中に名前が登場しない。

魔実也の性格は怪奇編での超然としたものに近いが、焦ったり寝惚けたりとより人間味ある表情をたびたび見せる。また怪奇編の時点では強力なものではないとされていた魔実也の超能力が、本編では影を通ってのテレポート能力や、相手の肉体に精神だけ乗り移る能力など、より超人的なものに変わっている。これらの点から夢幻外伝と怪奇編の魔実也とは別人であるとする見方もできるが、1999年時点での作者の発言では2者は同一人物であるとされる(『学校怪談』11巻あとがきより)。外見的に大きな差異はないが、外出時に黒い外套(インパネス)を多く着用するのは怪奇編とは異なる特徴である。

[編集] 学校怪談

学校怪談』。「週刊少年チャンピオン」(秋田書店刊)に1995年 - 2000年の間連載された少年漫画。魔実也は主人公の1人「九段九鬼子」の祖父の霊として登場する。魔実也は連載中毎年お盆の時期にだけ登場するゲスト・キャラクターだったが、九鬼子の窮地を救う重要な人物として描かれ、単行本書き下ろしの「最終話+1」にも登場している。

本編での魔実也は『怪奇編』『夢幻外伝』に登場した魔実也と同一人物。舞台が現代であり既に魔実也は死亡しているという設定のため、一種の死霊として登場する。『怪奇編』同様の青年の姿をしているが、精神的には当時より歳を重ねているため言行がやや異なる。特に一人称が「僕」から「俺」 / 「おれ」に変わっているのが特徴。他にも「最近の若い者は」とこぼしたり中学生を「お嬢ちゃん」呼ばわりしたりと、青年らしからぬ言動が多い。孫の九鬼子に何かと甘い顔を見せるのも特徴。

他に関連キャラクターとして、夢幻家の血筋のキャラクターが数名(学校怪談にのみ登場)、また『夢幻外伝』に登場した悪役「溝呂木紅造博士(みぞろぎ こうぞう-)」と同姓のコミカルな魔人「溝呂木」/「ミゾロギ」が登場する(関連は不明)。全体に夢幻紳士シリーズとの関連は薄いが、夢幻家は代々女系であり魔実也は傍流にあたるという新設定が明らかになっている(第15巻あとがき)。他にセルフ・パロディ的に『怪奇編』や『夢幻外伝』からカットを引用したコマもある。

[編集] 橋の上の女

2000年に「サスペリア」(秋田書店刊)に掲載された短編「夢幻紳士 橋の上の女」(単行本では『KUROKO 黒衣』第1巻が初出)。懐かしの恐怖漫画作品をしのぶ回顧特集のために書き下ろされたもので、『怪奇編』関連の過去作のキャラクターを繋ぐ特別編という趣向が強い。

この作品によって従来示唆されるにとどまっていた魔実也と〈下宿の娘〉との仲が進み、後に彼女が『学校怪談』の九鬼子の祖母になる事が公式に明らかにされた(『KUROKO 黒衣』第1巻あとがきより)。他に『学校怪談』の主人公のひとり「山岸涼一」の祖父が魔実也の友人であった事も示されている。

[編集] 幻想篇

夢幻紳士 幻想篇』。「ミステリマガジン」(早川書房刊)に2004年 - 2005年にわたり連載された。

昭和初期の東京を主な舞台とする怪奇ミステリ漫画。主人公「僕」の周囲で起こる事件と、「僕」の幻想である黒衣の青年「彼」(魔実也)の活躍を描く。怪奇編の流れを汲む短編連作シリーズ。現実と夢想の区別が曖昧に描かれた、幻想的な世界観を表現する。大胆に太く描かれた主線に対して、儚げな細い線で繊細に描かれた表情が特徴。

従来よりミステリ的傾向が強い。1話完結の短編連作である一方、シリーズ終盤にそれまでの伏線が回収され大きな謎が解き明かされるという1本の長編としての構造も持つ。こうした一貫性のある構造は、青年の魔実也を主人公とするシリーズでは初めてのものである。

本シリーズでは魔実也の表情は従来より柔らかく描かれている。これまでトレードマークであったくわえ煙草を1コマもしていないのも大きな特徴。シリーズ後半からは、従来黒一色で描かれる事の多かった黒衣の表現が変化し、光の照り返しを大胆にデフォルメした独特の表現になっている。これらは次作『逢魔篇』にも引き継がれる特徴である。

[編集] 逢魔篇

夢幻紳士 逢魔篇』。「ミステリマガジン」(早川書房刊)に2005年 - 2006年にわたり連載された。

昭和初期の東京、場末の料亭を主な舞台とする怪奇漫画。青年探偵「夢幻魔実也」が様々な怪異と出会う長い一夜を描く。怪奇編の流れを汲み、『幻想篇』の直接の続編にあたる短編連作シリーズ。料亭という固定された狭い舞台と、百鬼夜行を描いた短編連作という形式を活かし、幻想的でありながら軽妙洒脱な物語となっている。

怪異との対決が各話の主軸となっており、従来作より土着的な妖怪幽霊が多く登場する。舞台が料亭のためか魔実也の口調はくだけ、江戸言葉に近い東京弁を話す事が多い。

[編集] 迷宮篇

夢幻紳士 迷宮篇』。「ミステリマガジン」(早川書房刊)において2006年から連載中である。

[編集] 外部リンク

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