国際ロータリー
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国際ロータリー (Rotary International, 以下"RI"とも記す)は、世界各地のロータリークラブを会員とする連合組織である。
1905年にアメリカのシカゴで弁護士ポール・ハリス (Paul P. Harris) (1868年 - 1947年) が友人4名と、1つの職業につき1人の会員を原則として創立した相互扶助の親睦クラブを起源とする。会員の事務所を輪番で会合場所としたことからロータリークラブと呼称した。
その後アメリカ各地にクラブが誕生すると、1910年には「全米ロータリークラブ連合会」を結成。カナダやイギリスにも広がったことにより、1912年には「ロータリークラブ国際連合会」と改称。第1次世界大戦を経て全大陸にクラブが広まった1922年のロサンゼルス国際大会において「国際ロータリー」となった。
目次 |
[編集] ロータリーの綱領(目的)
- 奉仕の機会として知り合いを広める。
- 自己の事業と専門職務の道徳的水準を高める。
- 個人生活、事業生活および社会生活に奉仕の理想を適用する。
- 国際的な理解と親善と平和を推進する。
[編集] 概要
国際ロータリーの中央事務局は、アメリカのイリノイ州エバンストンにある。クラブ数、会員数ともにアメリカが世界1位。190を超える国と地域に3万を超すクラブがあり、会員総数は120万人超である。
ロータリーの年度は7月1日~6月30日である。役員の任期等も基本的に1年であり、通常再任はしない(この点においても「ロータリー=回転」である)。
2006-7年度RI会長は、ニュージーランド・パクランガクラブのウィリアム B.ボイド氏で、本年度のテーマは、"LEAD THE WAY" 「率先しよう」である。
[編集] 組織
綱領(目的)推進管理の主体は、RI理事会である。理事会は、RI会長・会長エレクト(次期会長)・および各地域ゾーンから選ばれた理事17名で構成され、この理事のなかには一名の副会長と財務長が含まれる。理事の外、管理事務担当として事務総長、地区の管理者としての地区ガバナーがある。
国際ロータリーと各クラブを結びつける管理上の機構として「地区」がある。ガバナーを始め、地区役員は地区内クラブの会員によって組織される。日本は、4ゾーン・34の地区に区分され、東京の第2570地区にはマリアナ・ミクロネシア・グァムを含む。
ガバナーGovernor(台湾・韓国では「総裁」。日本ではそのまま「ガバナー」と呼称する)は、地区内における国際ロータリーの唯一の管理役員である。地区内クラブによって指名され、RI国際大会によって選挙される。その資質として、所属クラブからの尊敬と信頼をえていること。優れた経営力を持つ職業上令名ある人物であること。自己の所信をロータリーのあらゆる面において私的にも公的にも、簡潔・直裁・真剣に述べること。等が求められる。
[編集] ロータリープログラムによる組織
ロータリーの展開する新世代プログラムのひとつとして、若者で構成するクラブの結成を奨励している。これらクラブは国際ロータリー直属の会員ではないが、重要な「ロータリーファミリー」と位置付けられている。
各ロータリークラブからの提唱・ガバナーの確認・国際ロータリーの承認によって、そのロータリークラブのあるエリアにクラブが結成される。「提唱」によるため、これらのクラブをエリアに持たないロータリークラブもある。承認を受けると、認証状・旗(クラブのシンボルマークとクラブ名が描かれたもの)・鐘(例会の開会・閉会時に鳴らす)が当該クラブに与えられる。
これらのクラブでは、地域での奉仕活動などの独自の活動に加え、活動実績の報告・会員やゲストによるスピーチ(卓話)などが行われる「例会」を持つ。また、ロータリークラブ関係の会議に招待されることもある。
- 18~30歳の人で構成される。大学を構成単位とするクラブもある。
- 高校生または14~18歳の人で組織される。基本的に高校を構成単位とし、学校名をクラブ名に冠する。
[編集] 各クラブへの入会システム
入会する資格は、自由裁量権をもつビジネスマンか専門職業人にあり、クラブがその地域の各職業の代表的な人物を選んで入会を要請する。