国鉄サハ78形電車
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サハ78形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した旧形電車である。1944年(昭和19年)に新製された戦時設計の片側4扉の20m級ロングシート車に与えられた形式で、基本的には63系に属するが、後に32系に属する二・三等合造車(サロハ66形)や二等車(サロ45形)が戦時改造による4扉化により編入された。
戦後は、戦中製のものと同仕様で、増備車がモハ63形とともに新製されたが、後にモハ63形の非電装運転台設備なし車(いわゆる「サモハ63形」)が編入されている。桜木町事故の教訓により、63系に属するものは大幅な車体構造の改造が行なわれたが、本形式はモハ63形のような改形式はされず、サハ78形のまま72系とともに使用された。
- 78001~78008 - 1944年製の基本形。
- 78009~78021 - 1944年にサロハ66形(旧サロハ46形)を改造編入したもの。詳細は国鉄32系電車#サロハ66形の通勤形化を参照。
- 78022,78023 - 1944年にサロハ66形(旧サロ45形)を改造編入したもの。
- 78024,78027,78030~78032,78034 - 1944年にサロ45形を改造編入したもの。3.のグループと同形。詳細は国鉄32系電車#サロ45形の通勤形化を参照。
- 78100~78199,78210~78239 - 1946年(昭和21年)から1949年(昭和24年)にかけて新製されたグループ。
- 78200~78202 - 1946年に製造された車体をジュラルミン製としたグループ。いわゆる「ジュラ電」のグループ。詳細は国鉄63系電車#ジュラルミン電車を参照。
- 78304~78395 - 付随車代用のサモハ63形を1951年(昭和26年)から1952年(昭和27年)にかけて正式にサハ78形に編入したもの。当初計画では、「サモハ」全車が編入されることとなっていたが、一部はクハ79形に変更されたため、20両が編入されたのにとどまり、欠番が生じている。
- 78400,78401 - 1968年(昭和43年)に2.および4.のグループに便所を取付けたもの。
- 78450~78457 - 1968年に5.および7.のグループに便所を取付けたもの。
- 78500 - 1964年(昭和39年)に三河島事故被災車のモハ72形(72549)を全金属化のうえサハとして復旧したもの。
- 78501~78515 - 1969年から1970年にかけてモハ72形(旧モハ63形)を電装解除したもの。
- 78516,78517 - 1970年にモハ72形(72522,72523)を電装解除したもの。
- 78900 - 1954年に「ジュラ電」(78200)を試験的に全金属化改造したもの。詳細は、国鉄72系電車#車体の全金属化改造を参照。