国家主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国家主義(こっかしゅぎ)とは、
英語では"statism"ないしは"nationalism"に相当する単語であり、(一国家一民族に近い)日本ではしばしば「民族主義」と混同されるが、一方は国家、他方は民族を優先とするもので、厳密には異なるものである。(たとえば多民族国家における国家主義者と民族主義者の立場・利害は対立することが多い)
対立概念は国際主義であり、同主義を標榜する社会主義、共産主義としばしば対立した。一方、フェルディナント・ラッサールなどにより、国家主義と社会主義による統制経済システムの折衷が図られ、国家社会主義と呼ばれるようになる。
また、国家の優先が行過ぎて、やがて国家の主体たる国民個人の自由や財産権などの諸権利を制限するようになると、超国家主義(ultra-nationalism)と呼ばれるようになった。今日でも国家主義すなわち超国家主義と考え、否定的にとらえる傾向は強い。一方で、民主主義などの諸統治システム、国民の利益や権利などは国家単位で考えなければならない現状は変わっておらず、国家主義という思想そのものはいまだ有用であるともいえる。
また、国家主義ほど国家を重視せず、かといって個人を極端に重視することない思想を共同体主義と呼ぶことがあり、日本においては伝統的な価値観と言われる。現代アメリカの思想界では、個人主義か国家主義の二分律よりも、共同体主義がより有効な政策の背景になり得るのではないかと言われている(クリントン政権時)
このページは曖昧さ回避のためのページです。一つの言葉や名前が二つ以上の意味や物に用いられている場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。このページへリンクしているページを見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。