図鑑
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図鑑(ずかん)とは、さまざまなデータ・図・絵・写真などを含む、ある分野のものの種類を総覧的に並べる書籍である。一般的に大型サイズのものが多い。 古くは図譜、あるいは図説という語もほぼ同様に使われたが、現在ではほとんど見掛けない。
[編集] 歴史
図鑑という言葉は、牧野富太郎の日本植物図鑑がその最初であるといわれる。実際には、それより多少遡る使用例があるようだが、この書によって広まったものであるのは確かなようである。牧野の「日本植物図鑑」は1925年に出版された。同年、村越三千男の「大植物図鑑」も出版された。これらの図鑑は、日本の学校制度の整備にしたがって、全国の学校での博物学教育の現場で、各地の生物の名前を知る必要性が高まったことによるとも言われ、それまでに散発的に多くの植物図譜等が出版されていたものの集大成的に作られたものであった。
[編集] 形式
元来はページを規則的に区画分けし、1つの区画を1種類に当て、上半分を図、下半分を解説文に当てる体裁をとった。それまでの博物学的書物は、本の最後に図版を集中させるものが多かった。それに比べると図と説明を引き合わせた上で他種と比較するのがたやすく、種名を調べるには都合のよい体裁である。後にはページの上の方に図を集中させ、下に解説を集めるもの、本の中で図版と解説を分けたものも、種類を網羅するようなものは図鑑と呼ぶようになっている。
当初は生物学の専門的論文では普通の線画による図が中心であったが、印刷技術等の向上に従い、カラーのものが主流となり、その場合には原色図鑑と呼ばれた。平成年間ではさらにカラー写真の図鑑が増えている。これはデジカメ写真ブームとも連動しているようである。ただし、詳細な同定には線画が不可欠の場合が多いことは注意すべきである。
図鑑を専門に扱っていた図鑑の北隆館、保育社などが力を入れていた。子供向けの図鑑の出版社は学研が有名である。山と渓谷社の写真図鑑も有名。
[編集] 図鑑の例
- 自然科学・理工学系
- 人文・社会科学系
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- 地図など
- 芸術その他