四エチル鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
四エチル鉛 | |
---|---|
IUPAC名 | テトラエチル鉛 |
別名 | |
分子式 | (CH3CH2)4Pb |
分子量 | 323.45 g/mol |
CAS登録番号 | [78-00-2] |
形状 | 無色液体 |
密度と相 | 1.7 g/cm3, 液体 |
相対蒸気密度 | {{{相対蒸気密度}}}(空気 = 1) |
融点 | −136.8 ℃ |
沸点 | 200 ℃(分解) |
昇華点 | {{{昇華点}}} ℃ |
SMILES | |
出典 | ICSC |
四エチル鉛(よんエチルなまり、tetraethyl lead)は化学式 (CH3CH2)4Pb で表される、鉛のアルキル化物。 毒物及び劇物取締法(毒劇法)により、特定毒物に指定される物質である。
クロロエタンと鉛-ナトリウム合金との反応によって合成される。特異臭を有する無色の液体で、揮発しやすい。日光に対して不安定で、徐々に分解・白濁する。引火性があり、金属に対しても腐食性を持つ。蒸気として、そして皮膚から吸収され易く、強い神経毒性を有する。
1921年、アメリカ・GM社のチャールズ・ケタリングの元で働いていたトーマス・ミジリーにより、エンジンのノッキングを防ぐアンチノック剤として開発された。
その後、長きに渡ってガソリンに添加されていたが、単体としての毒性が強く、また排気ガス中の鉛が人体及び環境に蓄積されていたことが判明し、日本では、1968年に大気汚染防止法第19条の2第1項に基づいてガソリンへの添加は禁止されている。しかし、発展途上国などでは現在でも用いられている。
なお、類縁体のエチルトリメチル鉛、ジエチルジメチル鉛、四メチル鉛も同様にアンチノック剤として用いられていた。これらと共に、アルキル鉛とも呼ばれている。