善光寺地震
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善光寺地震（ぜんこうじじしん）は、1847年5月8日（旧暦 弘化4年3月24日）、信州（現長野県長野市）の善光寺平（ぜんこうじだいら）を震源とし直下型で発震、付近に多大の損害をもたらした地震。 地震の規模を示すマグニチュードは推定で7.4。
折から善光寺如来の開帳の期間にあたり、諸国から参詣客が群集し、当日の市中は最も混雑していた。 その夜8時をわずかに過ぎたころ、地震が発生。 参詣客が宿泊していた旅籠（はたご）街を中心に数箇所から火の手が上がり、市中では家屋の倒壊焼失したもの2,094軒、震災を免れたものわずかに142軒という惨害を生じた。善光寺の如来堂、鐘楼、山門は倒壊しただけで焼失を免れたが、死者は市中のみで2486名に達した。 この地震のために生じた断層が長野市西部に残っている。
被害が激しかったのは、長野、権堂村、妻科村、稲荷山、藍崎村、中尾村、牟礼、大古間、野尻等で、全震災地を通じて死者総数8,600人強、全壊家屋21,000千軒、焼失家屋は約3,400軒を数えた。 また地震とともに山崩れを生じたところも多く、松代藩領内で42,000ヶ所、松本藩領内では1,900ヶ所に及んだ。
中でも犀川右岸の岩倉山の崩壊は史上最も大きな地形変動となって恐るべき大被害をもたらした。 まず、崩壊した土砂が50メートルもの高さをもつ巨大な堤防となって河川の流れを変え、ふもとの岩倉村・孫瀬村の両村に川水を招き入れ2村は完全に水没してしまった。 下流においては押し流されてきた土砂が高さ30メートルにして面積50平方メートルという巨大な丘となって藤倉、古宿の2村に襲いかかり、間もなく地下に埋没させた。 上流においては、流水量が減じたため平地部一面に深さ60メートルにも達する巨大湖が現出し、数村が湖底に沈み十数ヶ村が浸水した。 さらに地震から20日後の同年5月28日の夕方、今度は先述の巨大堤防が大崩壊をおこし、急流と化した水は川中島まで押し寄せ、31ヶ村に浸水被害をもたらした。
