同和教育
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同和教育(どうわきょういく)とは、教育全般において、部落差別をはじめとする様々な差別の不当性を示し、人権意識を啓発する教育を指す行政用語。狭義では学校教育の場での部落問題を中心とした人権(差別)問題についての教育を指す。差別意識の形成は、幼少期からの被差別部落に対する悪印象の形成にあることが多いことから、部落解放同盟を初めとする部落解放運動団体が重視している。
運動団体間の対立抗争は同和教育の方法論、進め方にも影響を与えた。現在では大まかに言って、「官製同和教育」、部落解放同盟につながる「解放教育」、日本共産党や全国人権連につながる「自主的民主的同和教育」に、分極化している。
同和教育を意味する、別の言葉を使用する地域もある。岡山県では「民主教育」、和歌山県では「責善教育」という名称を、戦後間もなくの時期から長く使用していた。
取り組みが盛んである大阪府では、「にんげん」という副読本が古くから作成され、部落差別を中心に在日朝鮮・韓国人差別・障害者差別・女性差別の不当性を教える教育が行われていた。
1995年~2004年の「人権教育のための国連10年」や、2002年3月限りで、特別施策としての同和対策が政府レベルでは終了したのを境に同和教育から人権教育へと呼称が変化してきている。