厳律シトー会

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函館市　トラピスチヌ修道院

厳律シトー会（げんりつしとーかい）はトラピスト会とも言い、ヌルシアのベネディクトゥスの作った会則を遵守するカトリックの観想修道会で、司教の行政干渉を受けない免属修道会の特権を受けている。

トラピスト修道院の名で知られる函館郊外、渡島当別の男子修道院「灯台の聖母トラピスト大修道院」と、函館市内湯の川温泉近くにある女子修道院の「天使の聖母トラピスチヌ修道院」、通称トラピスチヌ修道院は、いずれも本会の修道院である。

[編集] 歴史的経緯

厳律シトー会はベネディクト会を母体とし、1098年にフランスブルゴーニュ地方のシトーに創立された修道院がルーツである。12世紀に活躍したクレルヴォーのベルナルドゥスによって大きく発展し、12－13世紀には全ヨーロッパに約1800の修道院を持つ大修道会となった。その後、修道規律の改革が起きたとき、フランスのノルマンディー地方、「トラップ修道院」の厳しい規律に従うシトー修道会のグループを厳律シトー修道会、修道院の場所の名を取ってトラピスト（女子はトラピスチヌ）と呼ばれるようになった。

修道院の制度としては大修道院（母修道院）の元に、幾つかの修道院（子修道院）が併設されており、大修道院長はその権能を示す為、大修道院内においては、ミサ中に司教冠（ミトラ）と、司教杖（バクルス）を使用することが許されている。また同じような理由により、司教帽（カロッタ）を被る事もある。また、第2ヴァティカン公会議以前には、大修道院長の権能に於いて下級聖職者の任命を行っていた。なお、本会では管区制を採っていない。

大修道院院長の就任式には、司教以上の位階にある聖職者が主司式者となり、司教叙階式並びに司教着座式に準じて執り行われるが、何故なら大修道院長には、助祭以上の位階を授ける権能を有してない為である。

日本国内では、灯台の聖母トラピスト大修道院を母院として、男子修道院が当別の他に大分県日出町に、女子修道院が函館の他栃木県那須町、兵庫県西宮市、佐賀県伊万里市、大分県安心院町にある。また、大韓民国慶尚南道馬山市にも女子の子院がある。会員は各修道院の禁域のなかで、「祈り、働け」をモットーにして祈りと労働の日々を送っている。

トラピスト修道院やトラピスチヌ修道院で作られたバターやクッキーは有名で、北海道土産としても好評を博している。