南部煎餅
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南部煎餅(なんぶせんべい)は、小麦粉を原料にしたせんべいの一種。 岩手県、青森県にまたがる地域の銘菓。八戸煎餅とも。旧津軽藩の地域では津軽煎餅とも呼ぶ。
小麦粉を水で練って円形の型に入れて堅く焼いて作る。 縁に「みみ」と呼ばれる薄くカリッとした部分があるのが特徴。 通常の「白せんべい」と呼ばれるものの他にゴマ、クルミ、落花生などを加えて焼いたものもある。近年ではイカ、カボチャ、リンゴ、ココアなどバリエーションが豊富である。
白せんべいはそのまま食べることもあるが、これに水飴や赤飯を挟んで食べることもある。 水飴を挟んだものは「飴せん」と呼ばれる。
[編集] せんべいのみみ
せんべいを丸く仕上げる過程で、型からはみ出してしまった部分は切り落とされるが、この部分を集めた「せんべいのみみ」と呼ばれる食べ物もあり、地元ではこちらも人気がある。
[編集] せんべい汁(南部煎餅汁)
八戸市の周辺では、醤油仕立ての汁にこれを加えたせんべい汁という料理があり、寒い時期の定番料理として広く親しまれている。煎餅を煮込んで軟らかくすると、同じように小麦粉を原料としたすいとんなどに似た味わいになる。
また盛岡市周辺では味噌汁にこれを入れた「南部煎餅汁」が郷土料理となっている。