区分機
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区分機(くぶんき)は光学文字認識(OCR)により定形郵便物などの郵便番号とあて名住所を読み取り、指定された区分け口に自動的に仕分け、集積する機器である。
ポストから取集められてきた郵便物を自動で選別し取り揃えて消印する自動選別取り揃え押印機と区分機を連結させ定型郵便物を一貫処理する大規模局もある。
小包郵便物区分機ではテンキーで郵便番号を入力することにより各集積部分に仕分けされる。 最新型では小包郵便物区分機でも、OCRにより郵便番号を認識し自動的に仕分ける機種も登場してきた。 外国小包向けに国名を発すると仕分けされる、音声認識型の小包区分機も一部の局にある。 小包郵便物区分機は地域区分局や国際局など大規模局に配備されている。
区分けのパターンは区分機の配備される郵便局に合わせて予め幾パターンかに設定されているので作業内容により区分けパターンを指定し稼動させている。
近年になって、薄物の定形外郵便物などを自動処理するフラットソータなどの区分機なども導入され、大都市にある一部の大規模普通郵便局や地域区分局などに配備され稼動している。ヤマト運輸でもメール便の仕分け自動化で導入された。 フラットソータではまだ、道順までは郵便物を揃えることは出来ない。(海外に配備されている機器では一部道順組立可能な機種も有。)
近年新設される地域区分局などでは、区分機類など最新の自動郵便処理施設をより効率的に活用し合理化を図るために周辺の集配局数局分、多い所では数十局分の差し立て処理や到着処理(道順組立処理)などを集中的に行っている場合も多くある。
1998年の郵便番号7桁化以降からは郵便番号とあて名住所を同時に読み取り、その読み取った住所情報をバーコード化して郵便物に印字する機能やそのバーコードを読み取る機能、ダイレクトメールなどに予め印字されているカスタマーバーコードを読み取る機能、郵便物を配達順に並べ替える(道順組立)機能が新たに追加され郵便の内務作業が効率化された。郵便番号7桁化に合わせて導入された区分機はそれ以前からある区分機に対して新型区分機と呼ばれている。従来の区分機から新機能を付加し改造された区分機は更改機などとして区別されている。 更改機は年数が経ている物はその後、新型区分機が新たに導入され年賀状などの郵便物が出回る年末年始などの繁忙期などに予備的にしか使用していない郵便局などもある。
道順データは原簿を基に集配職員により配達総合情報システムと呼ばれる専用端末から定期的に更新されている。 道順に郵便物を並べ変える過程では機械に二回郵便物を投入する2パス作業が必要である。
郵便番号や住所がOCRで読み取れなかった郵便物はビデオコーディングシステム(VCS)と呼ばれる専用機構によって郵便番号や地番などのデータが補足されもう一度機械に通すことによってバーコード化される。補足される方法としては、郵便番号や地番を専用端末の画面に区分機で読み取れなかった郵便物の画像を2つ同時(または単独)に表示させて人が手動で専用端末のコンピューターに入力する方法と、自動化されたVCS機構で機械自体に再度認識させる方法がある。しかし、全てを区分機で処理することは難しく規格外の物や再度投入されても読めない物、硬い物が入っている郵便物は手で仕分けすることとなる。
問題点としては日本の住居表示のシステムは複雑で、必ずしも機械化には馴染まないという面があり、完璧には道順に機械が組めない場合があったりして逆に郵便番号7桁化で職員の業務が煩雑になり不合理になったと言う声も一部で聞かれている。